抗争前
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あの後マンションへと帰ってきたがマイキーから連絡がきたので、バイクに乗ってマイキーの家へと泊まりに行くことになった
もちろん朝までコースになり、マイキーのベッドで仲良く眠っていた
目を覚ますともう朝日が登っていて眠い瞼を擦りながら欠伸をした
すると母屋からエマちゃんがマイキーを呼ぶ声がしたので眠っているマイキーを起こして無理矢理立たせた
「マイキーおはよ、起きて!エマちゃんが朝ごはんできてるって呼んでるよ?」
「うん…いっちんも一緒に行こ…」
「今日ドラケン来るんでしょ?着替えて部屋片付けといてあげるから。マイキーだけ食べておいで、さぁ行った行った!」
部屋からマイキーを無理矢理出すと窓を開けて空気の入れ替えをした
下着姿の私はベージュのニットに黒のショートパンツを履きニーハイソックスを履くと、部屋に散らばるティッシュなどを袋に集めゴミ箱へといれた
ベッドを直していると部屋の扉が開き、ドラケンとタケミっちーが入ってきた
「わぁ、マイキー君の部屋!!かっけー!ってかいっちん!?」
「タケミっちードラケンおはよ!」
「今度はちゃんと服着てんじゃん」
「ドラケン人を痴女のように言わないでくれる?まぁ座りなよ」
換気が出来たので窓を閉めて暖房を付けるとソファーへと座り、タケミっちーはマイキーの部屋が気になるのか部屋を見回していた
「なんか大人っぽすぎません?」
「まぁほぼ真一郎君のモノだからな」
「オレのモノなんてベッドぐらいだよ」
朝ごはんを食べ終えたマイキーが部屋へと戻って来た
タケミっちーが大きな声で"マイキー君,っと叫ぶと苛立ち"朝から大きな声出すなよ,っとご機嫌ななめだった
ボサボサ頭のマイキーの頭をドラケンが櫛でとき、いつもの前髪のようにセットし始めた
「なるほど、黒川イザナ。あの絡んできた奴か…」
「え!?会ったの?」
「ウン!あいつが天竺の総長ね…」
ソファーの上でマイキーは胡座をかき、ドラケンに髪をしてもらっていた
「マイキーも会ってたんだ、私も渋谷駅でイザナに会ったよ。イヌピーが教えてくれたから思い出したけど、私が小さいときにイザナと出会ってるんだよね」
「いっちんまで天竺の総長と出会ってたの!?」
「タケミっちーの日向ちゃんとエマちゃん達と制服デートしてたら話しかけてきたんだよね、せっかく楽しんでたのに天竺の奴らに邪魔されて遊べなかったし」
ソファーに座っていた私はこないだのことを思い出したら天竺の奴らに腹が立ってきた
「黒龍八代目総長…そして今は天竺総長黒川イザナ…か…真一郎君と繋がってたのかもしれないな。タケミっち、ここだけの話だ…真一郎君は黒龍の創設者なんだ」
ドラケンの話を聞いたタケミっちーは驚かなかったので、どうやら現代に戻ったときにこの情報は聞いたようだ
そういや私が神羽会の神水流組の孫娘だって東卍のみんなに話したときも驚かなかったのは、現代で知っていたからなのか…
「いやっえっとびっくりしすぎて声が…」
「まぁいいや、この事を知ってんのはオレとマイキーいっちん、そして場地だげだった。一虎が黒龍とモメて助けるって時にこの話は東卍のみんなにとって足枷になると思ったからな」
「…オレは九代目黒龍とモメる前に兄貴と話をつけたんだ」
「黒龍を腐らせたのは八代目総長…つまりそれが黒川イザナか…!」
マイキーとドラケンの話を聞いているとエマちゃんがお茶を入れて持ってきてくれて、タケミっちーの前に座りおぼんを置いた
「黒川イザナ…何者なんだ…」
「…ウチのお兄ちゃん」
エマちゃんの言葉に"…へ?,っとドラケンと私の声が被り、"何が?,っとマイキーがエマちゃんに問いかけると
「だからウチのお兄ちゃんだよ、黒川イザナ」
「へ?」
私含めて4人とも意味がわからずマイキーを一斉に見た
「ちょっとー!!マイキーには何度も話ししたよ!マイキーにとっても異母兄弟なんだからね!エマ旧姓は"黒川,でそっちにもお兄ちゃんがいるって!」
「…え?そうだっけ?」
「エマちゃんの兄貴って事はマイキー君とも…兄弟!?」
「イザナがエマちゃんのお兄ちゃんだったんだ…」
幼い頃の私に妹がいるって事は言ってなかったけど、優しくて面倒見がよかったのはそれでか…
「もー全然人の話聞ーてなーい」
「あ!思い出した」
マイキーの前髪を結び終えたドラケンは"嘘つけ,っと言いマイキーの背後で見つめていた
「あのっ…エマちゃん?その…お兄さん…''黒川イザナ,についてなんか覚えてる事ある?」
「…さすがにないかなー、エマ3歳までしか一緒にいなかったし。…あっ、でも真兄と仲良かったみたいだよ」
エマちゃんの言葉にタケミっちーは驚き、マイキーも''シンイチローと?,っと驚いていた…
「私もイザナがよく真一郎くんのお店に来てたの覚えてるよ!」
「え?なんで真一郎君と黒川イザナが?」
ドラケンの言葉を聞きエマちゃんは何かを思い出したのか部屋から出て行き、"じゃーん!!,っと缶の箱を持ってきた
「缶?」
「何コレ?」
マイキーとドラケンの問いに"真兄の遺品整理した時出てきたんだぁ,っと言い開けてみると手紙の束が入っていた
「…手紙の束…黒川イザナからの!?え?もしかして…この缶の中の手紙…全部黒川イザナの!!?」
タケミっちーも私も驚き、缶の中の手紙の束を手に取った
「うん…目は通してないけど、この手紙の量!そーとー仲良しでしょ!」
「…仲良し…っていうか、ちょっと…怖ぇな」
ドラケンの言葉に私も共感し、みんなで手紙の内容を読むことにした
「どお?なんかわかった?」
エマちゃんの問いかけにタケミっちーは"今日何があったとかそういうのばかりだ,っと手紙に書かれていた
私の読んでいた手紙もタケミっちーの手紙と同じようなことが書かれていた
「…これが多分1番最初の手紙だ。"拝啓真一郎様。この前は訪ねてきてくれてありがとう、家族がいて嬉しい,きっとどこかでイザナの存在を知ったんだろうな」
「…なるほどね、ちょっと風に当たってくるわ」
ドラケンの話を聞いたマイキーは立ち上がると部屋からでてバイクに乗り何処かに行ってしまった…
「どうしたんだろ?マイキー君」
「…"拝啓真一郎様。最近頭が痛い、苦しい。きっとアイツのせいだ、万次郎の話はもうしないで,…黒川イザナは幼くして家族に捨てられた、そして初めて自分を訪ねてきてくれた真一郎君っていう家族…それがコイツの唯一の支えだったとしたら、マイキーをどう思うんだろう?」
ドラケンの言葉を聞いた私とタケミっちーはかイザナの事を考えていた
真一郎くんから黒龍を受け継いで、だけど黒龍はマイキーの為に残したと言われた時…
まだ未熟な心のイザナにとってそれはマイキーへの嫉妬と恨みに変わったのだろう…
柴家といい、なんで家族なのに仲良く出来ないかな…
私は溜息を吐き、エマちゃんの入れてくれたお茶を飲んだ
「…嫉妬…?」
「…ああ、マイキーへの激しい嫉妬、恨み…ずっと引っ掛かってた事がある、東卍結成時、九代目黒龍総長斑目獅音の言ったセリフ、"八代目の意志を継ぎぃ佐野万次郎!!そして東京卍會は黒龍が潰す!!!,」
「"八代目の意志,…?え?黒龍の八代目総長は黒川イザナだ」
ドラケンの話にタケミっちーは聞き入り口を開いた
「そう…九代目黒龍が一虎に粉かけてたのも、真一郎君にバレないようにマイキーを潰す為に黒川イザナの仕組んだ事だとしたら?黒川イザナの私怨だったとしたら…?」
「真一郎君のいない今、天竺を創設って自ら乗り込んできたんだ…今度こそ…マイキー君を潰す為に、血の繋がった弟を潰す為に!!」
飲み終えた湯呑みをおぼんに置くと私は手紙の束を缶の中にしまい蓋を閉めた
「柴家のときといい…なんで家族であり兄弟なのにこうなるのかな。どんなに喧嘩が強くてもまだみんな子供だから心も年相応…妬み恨むのも仕方ないけど、そんなの悲しすぎる…きっと真一郎くんはイザナを兄弟として受け止め、マイキーとエマちゃんのように仲良くさせたかったんだろうと私は思う…」
「いっちんの言う通り、真一郎君ならそうしたかったんだろうな。でも死んでしまったから…イザナを救う奴がいなかったんだな…」
イザナの手紙が入っていた缶をドラケンはエマちゃんに預け、私とタケミっちーは部屋から出てマイキーの門まで黙って歩いた
「いっちん…現代から帰って来たんだけど…ナオトが死んだ、もう…本当に未来に戻れない。何故かはわからないけど天竺との抗争は和解で終わる、そして何故かマイキー君は稀咲とイザナの手の中に落ちるんだ…」
「そっか、日向ちゃんの弟が亡くなっちゃったのか…なら今回は絶対に未来を変えないとね!天竺との抗争は和解で終わらせなかったらいいってことだよね?絶対に稀咲の手の中になんてマイキーを堕とさせない!私も今回の抗争は参加させてもらう!」
「ダメだよ、いっちん!!今回は相手も強敵だし、ヤバい奴らだ!もしいっちんが死んだらどうすんだよ!?」
「絶対死なない!圭くんとマイキーの女だよ、タケミっちー1人じゃ荷が重すぎるし大体手伝うって言ったでしょ?」
門の手前で私はタケミっちーに向き合うと手を後ろに組み頭を下げた
「東京卍會壱番隊隊長花垣武道!!場地圭介の特攻服を身に纏い、壱番隊として天竺との抗争に参加させてください!!お願いします!!」
私の言葉を聞いたタケミっちーは涙を流しながら頭を下げている私の体を上げた
「いっちん…!だめだよ…君は女の子なのに…」
「マイキー並みに強いから戦力になるでしょ?それにイザナは私も知ってるから、このくだらない兄弟喧嘩を稀咲の野郎の描いている終わり方にさせたくない!もう…誰も死なせたくないしイザナとマイキーを争わせたくない!」
「わかった…責任は隊長のオレがとる!!いっちん!マイキー君には秘密だね!」
「タケミっちー!ありがとう!!」
抗争に参加することを認めてくれたタケミっちーに抱きつき礼を述べた
「タケミっちーの相棒の千冬にもイザナとマイキーの知り得た情報伝えないとね、タケミっちーは帰りな」
「わかった、いっちんまたな!」
タケミっちーが見えなくなるまで手を振るとマイキーの部屋へと帰った