抗争前
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天竺が東卍を襲って来た後は、いつものように平和に過ごしていた
今日も授業が終わり菜々と別れて歩いて帰ろうと校門を出るとイヌピーがヤマハ・RZ350に跨り、私に気がつき手を振って来たのでどうやら私を待っていたようだ
「イヌピー、なんか用?」
「いっちん待ってた、ほら乗れよ」
「なんで学校来てんのよ…はいはい、乗ればいいんでしょ」
鞄をリュックのように背負い、イヌピーに投げられたヘルメットを被ると後ろに跨りバイクは走り始めた
しばらく走るとファミレスの駐車場にバイクは停まったので私は降りてヘルメットをのけてイヌピーに渡すと、イヌピーは私の手を掴むと店の中へと入ると何故か九井一ことココがコーヒーを飲みながら座った待っていた
「待ちくたびれたぜ、まぁ座れ」
私は座るとココの隣にイヌピーが座り、定員さんが水とお手拭きを持って注文を聞きに来てくれた
「なんで九井くんまでいんの?言っとくけどイヌピーの奢りだからね、私苺パフェ。で、私に何か話があるんでしょ?」
「ココでいいよ、いっちん」
「オレはブラックコーヒーで。単刀直入に聞く、天竺に奇襲かけられたときイザナに会ったか?」
「友達と遊んでるときに向こうから話しかけてきたけど、それがどうしたの?」
「やっぱりイザナの野郎、接触してきたか…オレの事も忘れてたならイザヤの事忘れてるよな、いっちんは小さいときにイザナと面識がある」
「なーんか見たことある顔だと思ったのはそういうことか、あっ!パフェきた!イヌピーいただきまーす」
店員さんが苺パフェを持ってきてくれたのて手を合わして食べるとすごく甘酸っぱくて美味しかった
「真一郎くんの店にオレの他にもう1人遊びに来てただろ?いっちんはイザナともあの頃は仲よくて、基さんと一緒に遊びに来てたときはオレとイザナが遊んでやってた」
イヌピーの話を聞きながらパフェを食べていると、幼い記憶が蘇ってきた…
幼かった私を連れてよく基は真一郎のお店に遊びに来ていた
話に夢中の父さんに私はつまらなくて、よく店に来ていたイヌピーとあの褐色のイザナと遊んでいたのを思い出した
「イザナ!イヌピー!あーそーぼー!」
手持ち無沙汰な私は"私がヒーローで2人は怪物ね!,っと一方的に決めると2人に向かって飛び蹴りを食らわした
「痛ッ!ガキの蹴りじゃねぇよ」
蹴り飛ばされたイヌピーは腰をさすりながら立ち上がった
「さすが基くんのチビだね、樹は強い女の子だ」
「父さんみたいに強くなりたい、だから女の子だからって男の子には負けたくないの!」
「そっか、強くなりたいのか。樹ならなれるさ!」
イザナは私を抱き上げ肩車をしてくれた
「イザナは父さんや真一郎みたいに強い?」
「オレはまだ弱いよ、でも真一郎みたいになりたいかな」
「イザナならなれるよ、お互い強くなろうね!」
「樹が大きくなってもっと強くなったらオレと一緒にいてくれる?」
「イザナ大好きだからいてあげる!」
幼い私はイザナの頭をギュッと抱きしめ、そんな私にイザナ優しく微笑んでくれた…
幼い頃のイザナとの出会いを思い出した私は苺パフェを完食し"ごちそうさま,っと手を合わせた
「イヌピー、思い出した。イザナと私出会ってた…確かイザナは真一郎くんのことが大好きで黒龍を継ぎたかったはず…なんで天竺の総長してんの?」
「それはオレにもわからない…だがイザナは黒龍八代目総長に着いて、真一郎君の黒龍を犯罪集団と化した…ゆすり・強盗・薬なんでもありの極悪チームになり、もはや初代の真一郎君の志は影も形も残ってなかった。今のイザナは女だろうが容赦ない、いっちん今回は関わることに手を引け!オマエは東卍でもないだろ?危険すぎる」
「昔は普通の優しいお兄ちゃんって感じだったのに…イザナの中で何かあったから変わっちゃったんだろうね…」
真一郎くんが死んだからイザナは変わっちゃったのか?
情報が少なすぎてわからない…
「いっちん、イヌピーの言う通りだ!いくら強くたって女だ、天竺の奴らは"S62世代,の東卍でも簡単には倒せない相手だ…」
「なるほどね、2人は私が心配で呼び出したわけね…ありがとう!でも東卍のみんなもイヌピーもココも私の大切な友達だからね…マイキーが許してくれるなら、私も天竺の抗争参戦するよ!昔とはいえ、イザナとは関わってるしね」
「はぁ…まぁ止めても無駄だとはわかってたけどな」
イヌピーはコーヒーを飲み干すと溜息を吐いた
「さすがわかってるイヌピー!それよりもココ、東卍はオマエのことを金を生み出す輩だと思って壱番隊に入れてる訳じゃないんだからな…黒龍じゃないんだ、東卍でそれをする必要はない!だからもうするな…」
「いっちん…だけど!」
腑に落ちないココの手を取り優しく握った…
「だけどもクソもねぇの、金を増やせなんてマイキーはそんな事頼んでないだろ?普通に壱番隊でタケミっちーの下で東卍のみんなとバカ騒ぎして楽しんだらいいんだよ、イヌピーもココも子供なんだからな?」
「いっちんの方が年下な癖に、なんか姉ちゃんみたいだな!」
私の言葉にイヌピーとココはお互い顔を合わすと笑い合っていた
そんな2人を眺めていると私の携帯が鳴りメールがきたので画面を開き見ると、大嫌いな半間から"いっちんと会いたい,っと書かれていた…
その文面を見た私は眉間に皺が寄り舌打ちをして無視しようとしたが、またメールが届いた
"外で待ってるから,っとまた送ってきたので頭を上げると、フードを被った男がレジにで会計を済まし手の甲の罪と罰と彫られている刺青が見えた…
「あいつ…!イヌピーココ、話終わったし帰ろ、会計はイヌピーだからね?」
「わかってるよ」
イヌピーは伝票を持つと3人分をちゃんと支払ってくれて、外へと出るとバイクに跨りエンジンをかけた
「いっちんイヌピーの後ろに乗れ、オレは歩いて帰るから」
「えーっと…悪い!今から知り合いと会うから、ココが乗って帰りなよ!私はここで約束してるから…」
「ならイヌピー帰ろうぜ!」
ココはイヌピーの後ろに跨りバイクへと乗り、イヌピーが私を心配な顔で眺めてきたが私が手を振るとバイクを走らせ去っていった
「元黒龍メンバーにも気に入られてるのか、妬けるないっちん」
背後から半間が私に抱きつき腹へと腕を回してきた
「天竺の半間が私になんのようなわけ…?」
「今日はただの半間修二としていっちんに会いに来ただけだ、稀咲も知らねー。だからそんな警戒すんなって」
「お前…なんで稀咲と連んでるのかよくわかんねぇ…」
後ろにいる半間を見上げると私と目が合った瞬間微笑み唇へとキスをした
「ん!?ッ…んァ…や!」
思わず顔を逸らしたがガッチリ押さえ込まれていた私は逃げる事が出来ず、半間の舌が私の中に入り唾液が首元へと流れ満足した解放し首元へと流れた唾液を舐め取った
「さっきの顔、すげぇ興奮した」
「お前何すんだよ!この変態!?」
ローファーで足を思いっきり踏みつけ腕が緩んだので瞬時に両肘で肋骨あたりを突き、半間の腕の中から逃げ出した
「痛ッ…いっちんまた逃げられた、なんで場地の次はマイキーと付き合ってんだよ…」
「お前に関係ないだろ?半間なら寄ってくる女いっぱいいんだろ、なんで私な訳?」
「いっちんじゃなきゃダメなんだよ…」
私の腕を引っ張ると半間は私を再び抱きしめた
「オマエはオレとの出会いを覚えてないだろうけど、オレはあの時のことを今も鮮明に覚えてる…」
そう言って半間は私との出会いを話し始めた
「あの頃オレは歌舞伎町で喧嘩を売ってくる相手をボコっては色の無ぇ毎日に飽き飽きしていた…
そんなときに20人とオレがやり合ってるときに偶然パチンコ帰りのオマエに出会ったんだ。一瞬で野郎共を蹴散らすオマエにオレは惹かれ、探しまくったがクイーンと言うことしかわからなかった…だがそれがいっちんだとわかった」
「歌舞伎町…あっ!なんか思い出したかも…パチ屋の帰りに喧嘩してて1人でやってるのみて参戦したことあるわ!あれ半間だったんだ!」
「あんときにオレはオマエに惚れたんだ、いっちん…」
「きっぱり言うは、いくらお前が私に惚れていても私がお前を惚れることはない。悪いけど…諦めて」
私の言葉を聞いた半間はギュッと力を入れて抱きしめてきたので、私は苦手な半間の背中に腕を回し優しくさすってあげた
するとファミレスの駐車場に黒塗りの高級車が猛スピードで入ってきて、運転席から獅稀さんが出てきて半間の頭に拳銃を突きつけた
「半間修二だな…命が惜しければ樹さんから離れてくれます…?」
いつも笑顔の獅稀さんは真顔でキレている様子に私はヤクザな獅稀さんの顔に少しビビった…
「獅稀さんとりあえず拳銃を下ろして」
半間が私から離れると獅稀さんは拳銃を下ろし胸元のポケットへとしまうと、私を自分の背後に立たせた
「半間修二、稀咲鉄太。オマエら2人は樹さんのおかげで殺されていないと言うことを知るべきだ、お嬢の一言が無ければとっくに貴様らこの世にはいない。樹さんの気持ちを聞いただろ?諦めてこれ以上は近寄るな」
「ダリィ…いっちん、またな」
半間は私に手を振るとバイクに跨りその場を去った…
「樹さんも…隙だらけだからキスされるんですよ。それに甘いです!私が来たからよかったものの、ああいう輩は優しくしたらつけ上がるんですからね!」
「よく言われます…すみませんでした」
「反省してるようですからこれぐらいにしときますね、さて帰りましょう」
やっと機嫌が直った獅稀さんは助手席を開けてくれたので車に乗り、私はマンションへと帰った