タケミっちーの秘密
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過去へと戻ってきたオレは雨の中、公園のタイヤを使って強くなる為に殴っていた
すると傘を挿してたまたま千冬が通りかかった
「何やってんだオマエ?」
「千冬!?ななななんでここにオマエが!?」
「なんでって…オマエんち行こうと思ったらこんなとこで1人でタイヤと戦ってるアホが見えて。この雨の中タイヤと喋るのはちょっとキモすぎるぞオマエ」
ドン引きしている千冬に"うっせぇ!オレは忙しいんだ!遊んでる暇はねぇ!!,っと言い再びタイヤを殴り始めた
「あン?なんだそのいいかた」
「オレは今授業中なんだ、誰よりも強くなってやるんだ。とにかく!強くなんねぇと未来は変えられねぇ!!」
タイヤに吹き飛ばされながらも拳を突いた…
「え…?オマエ…未来のタケミっちか?」
一旦辞めて千冬に現代であったことを伝えると驚き叫んでいた
「みんな…死んでた!!?しかもマイキー君に殺された!!?マジかよ…!?」
"だから強くなるんだオレ,っと言い再びタイヤを殴り始めた
「へ?それでタイヤと格闘してんの?小学生かオマエは!?」
「うっせぇ、未来のオレは東卍やめてみんなに庇ってもらってた。情けねぇよなオレ、だから東卍に居続ける為にみんなに認めてもらわなきゃダメなんだ」
「オマエ…っ手ぇ見せろ。血まみれじゃねぇか!!オマエ…もしかして一日中コレ殴ってたのか?やめろよタケミっち!!そんな拳痛めてつけて壊したら強くなるも何もねぇぞ!?」
撃ちすぎて拳から血が出てもオレは手を止めなかった
「たくさん考えたよ!!ナオトと一緒にね!!過去で何をすればいい未来が訪れるか!みんなが救えるか!!何か…手掛かりがないか、走り回ったよ!!誰がヒナを殺したのか!!本当にマイキー君がみんなを殺したのか!!!」
無我夢中に撃ち込むオレを千冬がぶっ飛ばして無理やり辞めさせたオレは地面に寝転んでいた
「いい加減にしろよタケミっち!!ちょっと頭冷やせよ!」
「なんもわかんなかった、みんなをどうやって救えばいいのか…手掛かりがなんもねぇ!!!…千冬ぅぅぅ辛ぇよぉぉ悲しいよぉぉ。マイキー君オレの手の中で死んだんだ、まだ手にマイキー君の感覚が残ってるんだ。しんどいよぉぉ」
「…きっつい未来だったんだな、でもさ…オレは正直嬉しいよ、だってまた会えたじゃん。ホラもう会えねぇと思ってたからさっ、うーん。オレ何すればいいのかわかった気がする、マイキー君をぶっ飛ばす」
倒れていたオレの側に座っていた千冬の言葉にオレは起き上がって"は?何言ってんだオマエ?殺されるぞ?,っと普通に返してしまった
「うん殺されたんだろ?オレ。だってムカつくじゃん、黙って殺されるなんてさ。マイキー君は強すぎるから本気でぶつかってくれる奴がいなかったんだよ、そして本気でぶつかれる奴はきっと東卍といっちんしかいなくね?」
千冬の言葉にオレは泣き止みずっと降っていた雨も止み、オレのモヤついていた心も吹っ切れた…
「…ありがとな千冬、なんか吹っ切れた。"マイキー君は強ぇから誰も本気でぶつからない,…か。オレ…もう何もできないって思い込んでた、マイキー君は別次元の人でオレとは違うって」
「ハハわかる」
「でもそうじゃないよな、あの人は"仲間,なんだ」
「…うん」
「マイキー君言ってた"オレの人生は苦しみだけだった,って、苦しんでんだったら全力で支えて。間違えてんなら本気でぶつかる、オレはマイキー君とそういう仲でいたい。決めたよ千冬、オレはもう東卍のトップになるまで未来にな戻らなねぇ!!これがオレの最後のリベンジだ。よーしやってやる!!」
「ついてくぜ相棒」
雨でびしょ濡れになったオレと千冬はとりあえず銭湯へと向かった
髪を洗いながらオレは千冬に話しかけた
「だってさぁー納得いかなくねぇ?12年で人ってそこまで変わるの?」
「うーん…それだけ心に抱えた闇が深かったって事じゃない?わかんねぇけど、何か変わっちまうきっかけはあったって事だろ?」
「きっかけ…稀咲は?」
「え!?」
「そもそも今回1番変わった事といえば、稀咲が東卍を追放されたって事だし」
「それって…稀咲はマイキー君に必要だったって事か!?」
千冬の言葉にオレは返事をすると、"んなワケねぇだろ、あんなクズ!,っと言い返された…
「…でも、前の現代では稀咲が東卍の闇の全てだったんだぜ?稀咲の東卍離脱はマイキー君が変わるきっかけの一つだったのかもしれないじゃん!」
「マイキー君の隣には場地さんの女だったあのいっちんがいるだろ?あの人は唯一マイキー君と面と向かって戦えて叱ってくれる人だ、いっちんいるのになんで闇に染まったんだろな…」
「そういや…現代のマイキー君の口からオレが殺したとは言ってなかったな…でも死に際に"これでやっといっちんの元に逝ける,って言ってた!マイキー君の彼女だったいっちんは誰に殺されたんだろ…」
「いっちんは場地さんといるときから稀咲に狙われてたからな…稀咲なら何か知ってるかもしれないな…」
身体を洗い流したオレ達は脱衣所に行き服に着替えて銭湯から出た
「あれー?千冬にタケミっちーじゃん!お前らも銭湯入りに来てたの?」
銭湯の外のベンチでお風呂上がりのいっちんがコーヒー牛乳を飲みながら手を振っていた
「いっちーん!!!!」
現代では死んでいなかったいっちんが過去では元気にしているのを見て、思わずオレは泣きながら抱きついた
「ちょッ!タケミっちー!?どうした?千冬、なんで泣いてんのこの子…」
ドン引きしたいっちんだが、優しい人なので泣いているオレの背中を優しく摩ってくれた
「いっちん悪い、タケミっちー最近情緒不安定なんだ。許してやってな!てかいっちんも銭湯入りに来てたのか?」
「あぁ、前のボロアパートのときに毎日入りに来てた名残りで久しぶりに来てたんだよ」
「樹さん、そのガキいつまで抱きつかせとくんですか?」
スーツ姿の顔は笑っている獅稀さんだがドス黒いオーラを醸しながら歩いてきて、タケミっちーは真っ青な顔になり飛び退き、"すみませんでした,っと何回も頭を下げていた
銭湯の側に車を止めて待っていたはずなのに、どうやら見かねて車から降りてきたようだ…
「獅稀さん怖がらせちゃダメだって、タケミっちービビりなんだからね」
「あぁ、貴方が花垣武道君ですか。樹さんのお気に入りの方ですね、東京卍會壱番隊隊長花垣武道。そして後ろにいるのは壱番隊副隊長松野千冬君、いつも樹さんがお世話になってます。私は神羽会会長である樹さんの曽祖父の親父に仕えている、加茂灘 獅稀(かもなだ しき) です」
関東一の勢力の神羽会のヤクザを目の前にしたタケミっちーはビビりすぎて固まっていた
「いやこっちがいつもお世話になってるんで、もしかして稀咲からいっちんを守ってくれてる1人ですか?」
「そうですね、松野さん。まぁ手っ取り早く稀咲鉄太を殺したら問題解決なんですが、うちの樹さんは"ガキ同士の喧嘩にヤクザが関わるな,って親父達にも私達にも言い聞かせてくれちゃいましてね…なので護衛だけはさせて貰ってます」
千冬はサラッと獅稀さんの口から"殺し,っという言葉を発した獅稀さんの顔を見て、若干引いていた…
「ちなみに東卍の新年の集まりの時にマイキーが持ってた写真はこの獅稀さんのおかげなの!稀咲追い出す為に一役買ってくれたんだからね」
「あのときの写真はいっちんの組の人が証拠だしてくれたのか!ありがとうございます!!」
「あれぐらい簡単なことですから、ハッキングすれば簡単ですよ」
"やはりヤクザだ、怖ぇ…,っとタケミっちーも千冬も同じことを思っていた
「おばちゃん、ごちそうさん!」
飲んだ瓶を銭湯にいるお婆ちゃんに渡すと、オーバーサイズのトレーナーを着て紺色のスキニーパンツを履いたいっちんが歩いてきた
「せっかくだし、タケミっちーと千冬乗ってく?タケミっちー両手ケガしてんじゃん、私の家で消毒してあげる」
「えっ、いいよ!舐めときゃ治るから」
「タケミチ君…樹さんがせっかく言ってくれているのに…車乗らないんですか…?」
獅稀さんの満面の笑みの裏側にあるドス黒い何かが見えたタケミっちーは、瞬時に黒塗りの高級車の後部座席に座り込んだ
「獅稀さんの笑み怖いからやめなって…千冬も乗って!新しいマンション来るの初めてだろ?遊びに来なよ」
「そういやいっちんの引っ越したマンション、行ったことないや!タケミっち乗ったし、オレもおねがいします」
千冬を後部座席に乗せドアを閉めると助手席に乗り、獅稀さんの運転で私のマンションまで向かった
獅稀さんは隣の部屋なので乗せてきて貰ったお礼を伝え、鍵を開けると部屋の中に2人を入れた
「基仕事でいないから、うるさくないよ。ソファーにでも座ってて、飲み物ジュースでいい?」
「なんでもいいよありがとう、いっちん」
タケミっちーは千冬とソファーに座り部屋を見回していた
「セキュリティーしっかりしてるマンションだし、お隣にはさっきの組の人がいるなら場地さん安心だ」
「千冬…でもこの部屋から出たら獅稀さんが監視カメラハッキングして監視されてるんだからね…まぁ天国にいる場地くんは安心だろうけど、天国で何してんだろうね。マイキーのお兄ちゃんとバイクで走り回ってんのかな…」
お盆にコーラとお菓子を持ってきてタケミっちーと千冬に出し、救急箱から消毒液と包帯を取り出した
タケミっちーの手を取り消毒し、傷口にガーゼを貼ると包帯を巻いた
「ありがとう、いっちんさ…マイキー君の事どう思う?」
「ん?マイキーか…まぁ"無敵のマイキー,って言われてるけど私から見たらただの甘えん坊な男かな、あんな強いけどやっぱり年相応の学生だからね、まだ大人じゃないからマイキーも心は弱いよ。私も圭くん死んだときは弱ってたか人の事は言えないけどね!圭くんにマイキーと一虎くんを託されたからね…一虎くんとは毎日手紙書いて、面会も行ってる。なんか弟できたみたいで楽しいよ!」
タケミっちーは黙って聞きいると、いきなりソファーからおりて私の両手を握りしめた
「いっちんには清正君の喧嘩賭博のときからドラケン君が刺されたときも場地君のときも八戒のときも…ずっとずっと助けて貰ってばかりだった…マイキー君の隣にいるいっちんに聞いて貰いたいことがあるんだ!!」
「タケミっち、いっちんに話すのか!?」
千冬の言葉にタケミっちーは頷くと
「いっちん、オレは未来から来たんだ。さっきまで12年後の今にいた…」
「…タケミっちが未来から来た?マジな話しなワケ?」
次元の違う話に思わず私は聞き返してしまった
するとタケミっちーは死んだ日向ちゃんを助ける為に東卍に入った事、12年前の今日にしか戻れない事…
ドラケンがあの内部抗争で本当は死亡していたことや、私が死んでいたが過去を変えたことで神羽会神水流組の組長として生きていた事…
先程帰っていた現代では東卍のみんながマイキーの手で殺されていたこと、現代の私はマイキーの手ではなく誰かに殺されていた事…
そしてマイキーが死んだ事…
信じられない話をタケミっちーから聞き、私は黙って頭の中を整理していた…
「いっちん…助けられたはずなのに…場地くんを救えなくてごめん!」
私はタケミっちーに抱きつき、頭を優しく撫でた…
「タケミっちー、もうその件は謝らない約束だろ?圭くんが死んだのは誰のせいでもないんだから…
そっか…なんか話聞いて納得いった!ドラケンとマイキーがパーちんの親友の彼女さんの病院であんなに必死になってドラケンの側にいてって頼んできたときから、なーんか隠してると思ってたんだよね…
タケミっちは喧嘩弱いけど凄いね!日向ちゃんだけじゃなくて、みんなを救うために1人で頑張ってくれてたんだ…
ありがとう、タケミっちー!!」
私の言葉を聞いたタケミっちーは子供のように泣き叫び、ソファーに座っていた千冬も目に目に涙を浮かべていた…
「いっちん、こんな嘘みたいな話、信じてくれるのか?」
「タケミっちーが私を騙すためにそんな嘘つく必要ないじゃん、信じるよ。そっか…マイキーにみんな殺されちゃうんだ、未来の私を殺したのは稀咲だと思うけど」
タケミっちーから離れて二人に出したお菓子の中から棒付きキャンディーを舐め始めた
「でも稀咲は未来では死んでた!」
「本当に稀咲が死んだのか?あの男は頭が回るから…もし私が稀咲なら替え玉を使い死んだとみせかける、犯罪組織としての東京卍會にアイツは居座るだろうからな…まぁ私の予想だけどね、未来のマイキーを堕ちさせた原因は私にあるかもしれない。マイキーの隣に私がいたらそんな事絶対にさせない!東卍を犯罪組織なんて…圭くんの描いた東卍じゃない…」
ガリッと飴を砕くと棒を口に咥えてタケミっちーと千冬の手を握った
「タケミっちー、千冬、今の稀咲は東卍を除名された。けど集会の時の稀咲の話を聞いてあの野郎はマイキーに心酔している、マイキーを自分のものにする為ならどんな手段も選ばない。きっと近々…何か仕掛けてくるはず。東卍じゃないけど何かあったときは私も力になる!私も未来を変えさせて!!」
「いっちん…ありがとう!!」
鼻水を垂れ流しながらまたタケミったーは泣き出した
「タケミっち、泣きすぎだ」
「千冬も相棒が泣き虫じゃ大変だね、とりあえず拭いて」
箱ティッシュを渡すと"ありがとう,っと言い鼻をかんだ
「タケミっちー、考え込むのもわかるけどさ。とりあえず今はこっちにいるんだし、彼女の日向ちゃんのことも相手しないとダメだよ!日向ちゃんには今しかないんだから、彼氏なんだから大切にしな」
「いっちん!やっぱ場地君の言った通り最高な女だ!!」
「うわぁ!」
タケミっちーが飛びついてきたので床に押し倒された状態になって、タイミングよく玄関が開いて獅稀さんとケーキを持った裕翔くんと目があった
あ…これヤバいやつかも…
気付いたときには獅稀さんと裕翔くんが部屋に入り、胸元のポケットから銃を出しタケミっちーの頭に銃口を向けていた
「花垣武道君…一体君は樹さんにナニをしているんでしょうか?」
「クソガキ、お嬢に手出す前に天国逝かせてやんよ!」
「ずみまぜん!!!何もしてないです!」
2人に銃を向けられたタケミっちーは瞬時に私から退いて泣きながら土下座していた
「2人とも銃を下ろして、何もないから。ねぇ千冬?」
「ただ飛びついて倒れただけっすから」
千冬の言葉を聞いた2人は下ろしかけていた銃を再びタケミっちーの頭に向けていた
見かねた私が2人に丁寧に説明すると理解したのか銃を下ろしてくれて、裕翔くんが作ってくれたケーキをみんなで仲良く食べた
もちろんタケミっちーは震えながら食べていたけどね…