聖夜決戦 12月25日
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あれ?
私…タカくんがイヌピーに殴られそうだったから庇って、その後どうなったんだっけ?
てかここ何処?
目を開けると先ほどまで教会で大寿とヤリ合っていた筈なのに誰もおらず、只々真っ白な世界だった…
樹
樹!!
圭くんの声が聞こえたので振り返ると、髪をおろした圭くんが笑って私に手を振ってくれていた
「圭くん!?」
樹!いつまで寝てんだ?
三ツ谷と千冬とタケミっちがボコボコになってんぞ!
柚葉と八戒を大寿から助けるんじゃなかったのか?
「そうだ、その為に教会に来てたんだ。圭くん、私をわざわざ起こしに来てくれたの?」
あぁ
気失ってるから来てやった
もう大丈夫だな
マイキーのこと頼むぞ
あいつは心に深い闇を抱えてる…
樹
アイツを頼むぞ
「圭くん…任せて!またね」
消え去っていく圭くんに手を振り、私は目を閉じた
目を開けると教会の椅子に私は寝かされていて、どうやらイヌピーに殴られて気を失っていたようだ
頭から流れる血を袖で拭き立ち上がると、ボコボコにヤラれているタケミっちーの側で八戒が泣きながら助けを求めていた
「八戒、オマエの守りたかったモノ…柚葉は俺が守る!!」
「タケミっちーやるじゃん!意識失ってる間にみんなボコボコじゃん、これは圭くんが心配して私を起こしに来るはずだわ。タケミっちー、大寿相手に頑張ったね、次は私の番だね。任せて!」
「いっちん!意識戻ってよかった」
ボコボコにヤラれているタケミっちーの肩を叩き、私は前に出た
「違うんだタケミっち、オレ…オレの顔アザ1つねぇだろ?…柚葉は、柚葉はボロボロなのに。守りたかった。家族を…柚葉を守りたかったけど大寿に逆らう度胸なんてオレにはなかった。逆だ…オレはずっと守られてきたんだ。…あれ嘘なんだ、オレを…家族をずっと守ってきたのは柚葉なんだ」
八戒は泣きながらタケミっちーに本当の事を話し始めた…
「八戒…じゃあオマエはずっとずっと守られてきたって事か?"守ってきた,っていうのは全部嘘なのか!?」
「オレは柚葉のしてきた事をさも自分がした事のようにオマエらに話した」
「…オマエそれって最低じゃん」
黙って聞いていた千冬が驚きながら言い、イヌピーは"ダッサ,っと八戒に言い放った…
「もう言うな…八戒!」
柚葉も起きたのか八戒の話を聞き、椅子から立ち上がっていた
「若ぁー女に守られてただけでもダセェのに守ってきたなんて嘘どのツラ下げて言えんだ?」
ココはバカにした言い方で八戒へと言い放った
「オマエらに関係ねぇだろ!?アタシが自分で決めたんだ、八戒は悪くない!!」
「1人で頑張らず、友達の私に相談してよね。柚葉…」
「いっちん…」
私は柚葉を優しく抱きしめた…
「オレを許してくれタケミっち、こんな事になったのは全部オレのせいだ。オレの嘘でみんなを巻き込んだ、本当は只々大寿が怖くて刺すしかなかった。自分の弱さから逃げる為に…」
「八戒オマエはダセェ!!でもなぁダセェのはテメェだけだなんて思うなよ?オレはもっとダサかった」
顔から血を流し腫れ上がった顔でタケミっちーは笑った
「八戒がダセェなら私も同じだよ、圭くんが死んだあとみんなには死なないって言っときながら食べる事、生きることに興味がなくなりどうでもよくなってた。でも大好きな仲間のタカくんが助けてくれた…」
柚葉から離れて八戒の頭を優しく撫でた
「ホント…ダセェな八戒、"生まれた環境を憎むな,なんてカッコつけてあれだけどよ、オレも本当はすっげぇ憎んだ。一度何もかも嫌になって妹2人残して家出してさ、次の朝帰ったら母ちゃんに思いっきりぶん殴られた。ダセェだろ?その後母ちゃんオレの事抱きしめて"いつもごめんね,って泣いてた。八戒、逃げてんのはオマエだけじゃねぇ。みんな弱ぇだから家族がいる」
タカくんは私の隣に立ち大寿に向かい立った
「そんな嘘でオマエを見捨てねぇ!!それが東卍だぁ!!!」
タケミっちーの言葉に八戒は泣きながら大声で叫び、黒龍の特攻服の上着を脱ぎ捨てた
「みんな下がってくれ。タカちゃん千冬タケミっちいっちん、オマエらボロボロじゃねぇか。…ありがとう、もう怖くねぇ。二度と黒龍の特攻服は着ねぇ!!」
恐れていた筈の八戒は気持ちが吹っ切れたのか大寿の目の前に向かい合った…
「乗せられて強くなったつもりか!?あ"!?家族だと!?本当の家族はどっちだ!?オレだろうが!!テメェはずっと柴家を守ってきた長男に逆らうのか!!?」
「やめろ大寿、八戒に手ぇ出すんじゃ…」
ブチギレた様子の大寿は八戒を殴ろうとしたが、八戒が先に大寿の顔面を殴った
「東京卍會 弐番隊副隊長 柴 八戒!!柚葉を!!仲間を!!家族を守る為にテメェをぶっ飛ばす!!!うらあああああ!!」
大寿にビビっていた筈の八戒が兄に立ち向かい始めた…
「八戒が変わった"殺す,じゃなくて"ぶっ飛ばす,って。タケミっち未来が変わるぞ!」
絶望にまみれていた千冬の瞳が輝いていた
だが大寿が強すぎる為、八戒はボコボコにやられていた
「神は…まだ私に試練を?私はッ2人も家族を殺めなければならないのですかぁ!!?こんなにも愛しているのに!!?残念だ八戒…テメェらも生きて帰さねぇ、逃げようとしても無駄だぞ!この教会は黒龍の精鋭100が囲んでる」
「へぇー、なら大寿さっさと倒して外の100人私が倒してやんよ!こないだの腕のケガ、まだお返ししてないしね」
手の骨を鳴らしながら倒れている八戒の隣に私は立った
「そもそも逃げる気はねぇ、千冬…黒龍を潰さねぇと未来は変わんねぇ!!」
「そうだなタケミっち!同感だ」
「こりゃ死ぬな」
「タカくん私がいるから死なせないけど?とりあえず5秒だけ大寿相手してて欲しいんだけど、先にココとイヌピー瞬殺してくるからさ」
「んじゃいっちんがあの2人を倒すまで足止めすっか!」
タケミっちーは了承し、私は笑いながら言うと柚葉が"オマエら…何笑ってんだよ?,っと怒った顔で言ってきた…
「冗談じゃねぇんだぞ!?本当に死ぬかもしれねぇんだぞ!!?」
「…ごめんな"その期待が人を苦しめる事もある,オレの期待が八戒を苦しめた。"兄貴,失格だな」
「…三ツ谷」
「オマエは1人で八戒を守ってきたんだな…柚葉。マジ尊敬する、今度はオレらの番だ」
タカくんは柚葉の頭を優しく撫でた
「八戒を守んぞ!!!」
タケミっちーの言葉を合図に私はココを瞬時に蹴り飛ばし教会の壁に吹き飛ばすと、イヌピーに向かった
「イヌピー、さっきのはマジで痛かったんだけど?お返しな♡」
「ココを簡単に倒しやがった…」
素早くイヌピー腹に3発殴ると顔面を蹴り、床に叩きつけた
大寿を相手していたタケミっちーが殴られたが、八戒が受けとめ助けていた
「大丈夫か!?タケミっち」
「オウ!サンキュ!」
ココとイヌピーを倒した私はタケミっちーと八戒の肩を叩いた
「5秒たったからみんな休憩!後は私に任せて…大寿は私が倒す」
「樹、女のオマエじゃ無理だぜ?」
「大寿…お前の中で昔何かあったかは私は知らない。だけど柚葉と八戒に間違った愛し方をしてるのは理解できるか?家族を大切にしたいなら、今の大寿のやり方は間違ってる!まだ大寿もやり直せる所にいる」
「うっせぇんだよ!!」
大寿が顔面目掛けて殴ってきたが左手受け止めると腹に1発入れ、体勢が崩れた瞬間顔面に蹴りを入れ壁へと蹴り飛ばした
大寿は壁に吹き飛ばされ意識を失っているのか動かなかった…
血を流し倒れた大寿を見てタケミっちーと千冬タカちゃんと八戒は声を上げて喜んだ
「いっちん凄え!!あの兄貴を簡単に倒しやがった!」
私はマイキーのバイクの音が聞こえたような気がして耳を澄ませた
「この音は…マイキーのバブ…」
すると教会の扉が開きマイキーが本当に現れた…
「メリークリスマス、こんな日に何やってんだよオマエら。…黒龍」
壁に吹き飛ばした大寿が血を流し、フラつきながら立ち上がったのをマイキーの目に入った…
いっちんが倒したと思ったが立ち上がった大寿にオレは驚き、横にいた千冬も驚きを隠せないでいた
「マイキーすまねぇ、オレのせいでこうなった。自分で作った和平協定自分で破っちゃ世話ねぇよな、見ての通り黒龍とモメちまった」
タカくんはマイキーに頭を下げ謝っていた
「兄貴が気付いたんだ、オマエといっちんのインパルスとバブの音に…兄貴が基のバイクだって。そしたら場地がね、こんなコールがうめぇのは絶ッ対ェ三ツ谷だ!って…2人がここに導いてくれた」
「…マイキー…?オマエ…何言ってんだ?」
タカくんはマイキーの言っている意味がわからず困惑していた
「アイツらがオマエの敵だな?」
「ッ…樹…オマエ本当に女か?痛ェッ…ちッ、テメェが"無敵のマイキー,か!?」
「マイキー、大寿は私がやる」
マイキーは頭から出てる血を触ると、私を後ろに下がらせた
「…いっちん血でてんじゃん、下がってな。なんで邪魔すんだ?また"みんな,で走りてぇだけなのに、三ツ谷がいなくなっちまったら兄貴も場地も悲しむだろ!?」
大寿がマイキーの顔面を殴り床へと叩きつけ、その瞬間聖夜の鐘が教会に鳴り響いた
「聖夜の鐘までオレの勝利を祝福してる!!無敵のマイキー破れたりぃぃ!!!」
「大寿…マイキーはワザと食らったんだよ」
「あ?」
私の言葉に意味がわからないと言う表情をした瞬間、倒れていた筈のマイキーが立ち上がったのを見て大寿は驚いていた
「聖夜は終わった」
「もう止めとけ佐野万次郎、テメェと大寿じゃあレベルが違う。オマエは大寿の覇道に転がってる小石にすぎねぇ」
私に倒されていた筈のイヌピーが腹を押さえながらマイキーへと口を開いた
「今日1番の力でぶん殴ったんだけどな、さすがに1発じゃ沈まねぇか。無敵のマイキーはこんなモンか!?残念だ」
「1発もらったのは自分への戒めだ」
一瞬飛ぶとマイキーは大寿の顔面を蹴り地面に叩きつけた
「大寿!!!」
「嘘だろ!?あの大寿が瞬殺…これが"無敵の,マイキー!!!」
ココとイヌピーはまさか自分達のボスが負けるとは思っていなかったようで驚いていた…
「あーあ、マイキーに美味しいとこ持ってかれた」
私は笑い、マイキーは圭くんのお守りを首からかけて取り出しタケミっちーに見せた
「クリスマスはね、兄貴と場地と走るってきめてたんだ。兄貴のバブに乗って場地のお守り持ってさ、雪の中走ってたら一緒にいる気がして…兄貴も場地もオマエらもみんなオレの心にいる、だからオレは強くいれる。さあオマエら!クリスマスは終わっちまったけどみんなで走るぞ!」
「待てやコラぁあ!!まだ終わってねぇぞ東卍!!ココ!!外の兵隊呼んでこい!!外にいる黒龍精鋭100人が相手だ、テメェら全員ここから帰さねぇ!!!ここで終わりだ、オレは誰にも負けねぇぞコラぁあ!!」
イヌピーに支えられながら大寿は叫んだ
「…大寿、黒龍は強いよ。でも時代は創れねぇ、オマエは喧嘩は強えぇだけ。心がねぇ、東卍は時代を創る。黙って見とけ」
マイキー…
東卍は時代を創るか…
圭くんが創設した時に言ってた言葉だね…
首にかけてある十字架のネックレスを握り、私は圭くんを思い出していた
「オイココ!!何してる!!?兵隊はまだか!!!早くしろ!!」
「ボス…オレらの負けだ」
放心状態で立っているココを見た大寿はイヌピーが支えてくれていたのを払い除け、外を見るとそこには黒龍の精鋭部隊達が全員倒れていた…
「お?そっちはもう終わった?マイキーに伝えてくんない?こっちは終わったって」
返り血を浴びたドラケンが階段に座り、どうやら1人で精鋭部隊100人を倒してしまったようだ
「マイキー!!外の黒龍は全員ノシた!マイキーに負けて兵隊も失った柴大寿はー戦意喪失」
ドラケンの言葉を聞いたタケミっちー千冬タカくん柚葉に八戒は教会を取り出した
「黒龍はもう死んだ!東卍の勝ちだ!」
教会の外には黒龍の精鋭部隊100人が倒れていた
「ドラケン!私今回出番少なかったから、外の奴ら倒そうと思ってたのに!」
「あ?いっちん怒んなって!」
軽くドラケンにパンチすると手を合わせながら謝ってきてくれた
「結局東卍のトップ2人が1番のバケモンだな、まぁ大寿を蹴り飛ばしたいっちんも同じだな」
「タカくんバケモン扱いは嫌なんだけど、まぁ2人が来てくれてよかったね」
タカくんへと笑うと''あぁ,っと言い笑い合った
「ヤベぇ鳥肌立つー!!なぁタケミっち」
「ミッションコンプリートだ」
千冬が"だな,っと言うとタケミっちーは限界だったのか倒れて、タカちゃんが背中に乗せて"ありがとなタケミっち,っとお礼を言った
「マイキー…ドラケン、いっちん。オマエらのおかげで黒龍に勝てた、でも今日の一等はタケミっちだ」
「タカくんの言う通りだね、タケミっちーカッコよかったよ!」
気を失っているタケミっちーの頭を私は優しく撫でてあげた
「…終わっちまったな」
「大寿ここでお別れだ、短く儚ぇ…いい夢だった…オマエはどうする?ココ」
「当然オマエについていくよ、じゃーなー大寿」
イヌピーとココは大寿に別れを告げるとその場を去って行ってしまった
「どうだ?初めての負けの味は?アンタは強えぇ、すぐ立ち直れるさ。でもオレら姉弟は2度とアンタに屈しない、アンタを殺そうとしたのはオレの間違いだ。アンタが家族に暴力を振るい続ける限り…オレは戦い続ける」
「こんな事があっても変わらないなら兄貴はバカだ…ママが死んでからずっと兄貴はママの話をしなかった。自分を追い詰めて塞ぎ込んで、兄貴はあの頃からずっと独りだった。アタシも同じ独りだと思ってた、家族ってなんだろうね?死んで欲しいほど嫌いだけど愛してる」
八戒と柚葉は大寿にそう伝えて階段を降りて行った
「大寿、2人に愛されてるじゃん。暴力を振るうのは間違ってることに気付けたんじゃない?君なら変われるよ、また相手してね」
戦意喪失した大寿の肩を叩き階段を飛び降りると、私はみんなの元に走った…