関東一の極道 神羽会神水流組
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あれからタカくんのおかげで前みたいにごはんを食べることができて、少しだけだが夜も1人で寝れるようになってきた
久しぶりにあの環お爺ちゃんが連れてってくれたバーへとふらっと行ってみる気になり、扉を開け店の中へと入った
「いらっしゃいませ、お久しぶりですね樹さん。どうぞこちらにお座りください」
バーテンダーのお爺ちゃんが席に座るように促してくれたので黒のコートを脱いで椅子へと座った
ボルドー色のニットに黒のタイトスカートを履いて少し大人っぽい服装でお店に合わせて来てみていた…
「今日はこの前とは違い、そのお姿もお似合いですよ」
「ありがとうございます、今日は環お爺ちゃん来てないんですね?」
「今日はまだいらしてないですね、ヘレナをお作りしました」
淡いサーモンピンク色のカクテルを作ってくれた
飲んでみるとカシスのほのかな甘みとグレープフルーツのさっぱりさと爽やかさが口に広がった
「カシスとグレープフルーツの組み合わせ美味しいです!カクテル飲みやすくて好きです」
「喜んでいただき嬉しいです。樹さん、この前より顔色がよくなりましたね。少し心配だったので、安心しました」
「私そんなに顔にでてたんだ…少しずつ体調も戻ってきてるんで大丈夫です」
バーテンダーのお爺ちゃんと話しながらヘレナを飲んでいると店の扉が開き、着物を着た環お爺ちゃんと見たことないスーツを着た男の人とあのインテリ眼鏡が入ってきた
環お爺ちゃんは私に気がつくと抱きついてきた
「樹ちゃん!あれから来ないから儂…寂しかったんだぞ!」
「環お爺ちゃんすみません…」
「前より体調よくなったようだから許そう。今日はもう1人連れがいてな、儂の息子の瑞稀(みずき)じゃ。」
環お爺ちゃんの後ろにいたイケメンな男性が頭を下げて私に挨拶をしてきた
「はじめまして樹ちゃん。私は神羽会(しんわかい)会長 神水流環(かみづるたまき)の息子で神水流組組長、神水流瑞(かみづるみずき)だ。親父の命を守って頂いたみたいで礼が遅くなってしまい申し訳ない」
「神水流樹です。偶然チンピラを倒しただけなんで!本当に頭上げてください!!」
ひぇー!!
環お爺ちゃんの息子って神羽会時期会長ってことでしょ!?
神水流組組長さんが頭下げてるよ…
ヤクザの1番偉い人が2人も目の前にいるんだけど!?
「親父に聞いた通りの女の子だ…勝手ながら樹の怪しい男達が鍵回っていたから捕まえたんだが。この男達に見覚えはあるかい?」
インテリ眼鏡の獅稀さんがノートパソコンを私の前に出し、画面を見ると10人の男達が血を流しボコボコに正座させられていた…
さすが本職のみなさん…チンピラどもボコボコじゃん…
全員見たことない奴らだけど、最近稀咲が操ってる奴らから襲撃がないからなんでだろうと思ってたけど…
環お爺ちゃん達のおかげだったのか…
「この男達は見覚えないです、でも狙われているのは知ってます。助けていただきありがとうございます!
ですが、ガキの喧嘩に本職の環お爺ちゃんや瑞さんが手を出す事ではないはず…
自分の身は自分で守れますので心配なさらないように…」
環さんと瑞さんに頭を下げ守ってくれたことに対して礼を述べると、瑞さんは額に手を当て溜息を吐いた…
「親父…どう育てたらあんなクソガキからこんないい子になるんだ?樹ちゃんは美人だし性格もいい、それに女でありながら肝が据わっている。申し分無い!!」
「ハハハハッ!いい子じゃろ?樹ちゃんは!」
環お爺ちゃんは豪快な笑いに私は2人の会話についていけず乾いた笑みを浮かべた
するとポケットに入れていた携帯が鳴ったので画面を見ると基から電話だった
「もしもーし!樹♡今回は早く仕事終わったからもう帰ってるからね♡樹不足でもう無理…今山梨で休憩中なんだけど樹は何してんの?」
「基明日には帰ってくるんだ、今回早いね。えーっと今は…知り合いとお茶してる感じかな…」
「なんで疑問系なわけ?もしかして…変な男とでもいるんじゃないの?万次郎達は許しても他の不良達はパパンは許しません!!」
電話越しに覚めた表情で話していると瑞さんが代わってっと口パクで笑顔で言ってきた
「樹ちゃんのお父さんにもお礼が言いたいから…ねぇ?」
「えーっと…基と話したいみたいだから代わるね」
瑞さんの笑顔の下の有無を言わさない圧力に私は仕方なしに携帯を渡した
「あ?お前何様な訳?俺の大事な樹とお茶すんなんて百万年早いわ!」
「こんばんは、樹ちゃんのお父さん。おたくのお嬢さんが私の親父を助けてくれてね…今日は私も一緒にお茶させてもらっているのだよ。それにしても…本当できた娘さんだね」
「その声…テメェがなんで樹と一緒にいんだよ!?」
「クククッ、私の声がわかったのか…久しぶりだな。まさかお前が子を作り親になってるとはな…基と違っていい子じゃないか」
瑞さんと基の会話を聞いた私はどうやら2人が知り合いだったことに気がついた
「クソジジィ!!樹に何かしやがったら殺すぞ!!」
「クソガキが…親の私を殺す?寝言も大概にしろや。今山梨なら3時間後には東京に帰って来れるな?樹ちゃんは私の家に泊まるから帰ってこい」
「はぁ?何勝手に」
基の話の途中で瑞さんは電話を切ると電源を切り私に携帯を返してくれた
「えーっともしかして…瑞さんって基のお父さんですか…?」
「そうなんだよ、だから樹ちゃんは孫娘♡あんなクソガキからこんな可愛い子ができるなんて信じられないよ!君のお爺ちゃんだよ♡でも基みたいに名前で呼んで欲しいから瑞って呼んで!」
先程までの基との会話から想像できないぐらい満面の笑みで私に抱きついて頬を擦り寄ってきた
うわぁ…
マジ親子だ、さっきまで大人しかったのは演技でこっちが本当の瑞さんな訳ね…
いや、マジで基そっくりすぎてびっくり…
「さすがに呼び捨ては…瑞さんで。で、お二人は私が基の娘だって知ってたわけですか?」
少し警戒しながら聞くと環お爺ちゃんが口を開いた
「君が孫の基の子だとわかったのは儂とここで出会ったときだよ、最初からわかって近づいた訳ではないんだ。本当に偶然が重なったのだよ」
「基と私の話は長くなるからね、話は家に着いてからにしよう。樹ちゃんは今日は私も家に泊まるからね、なーにとって食いはしないよ」
まぁ…ここで行くの拒否して無駄なんだろうな…
まさか自分の父親の実家が関東一の極道だったとは…
「拒否権ないんでしょ?家ついたら…話してくださいね」
「もちろんだよ、樹ちゃん♡」
優しく私の手を握ると笑った顔は確かに基と少し顔つきが似ている事に気がついた
マイキーと出会ってから…
なんか私のスローライフが遠ざかるわ
瑞さんは私のコートを背中にかけると肩を回して店を出て、黒塗りの高級車へと私を乗らせ自分も乗り込んだ
環お爺ちゃんと獅稀は後ろに止まっているもう一台の車に乗り込んだ
車は東京の街を走り関東一の勢力を誇る神羽会神水流組の屋敷へと車は向かった