退院したあと
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またいつものように学校で寝てお昼を野菜ジュースで済ませていた私に遂に菜々が口を開いた
「樹…また痩せたでしょ。部長とか今のこの状況知ってるの?」
セーラー服を着ているが前より細くなっているのが自分でも実はわかっていた…
「タカくんもぺーやんも知らないよ、大丈夫ちゃんとサプリメントで補給してるから」
薬ケースを菜々に見せると何種類ものサプリメントが入っていた
「ご飯やお肉食べてないわけ?」
「基がいた時は作るから食べるけど、食べたら吐く。ご飯受け付けない身体になってんだよね…」
「それ重症じゃない…部長に伝えなきゃ」
「タカくんには言わないで、ちゃんと学校も来てるんだしいいでしょ?」
「樹身体が悲鳴をあげてるのよ、話すべきだわ。部長になら頼ってもいいんじゃない?」
頑なに頼らない私に菜々はため息を吐き、いつもならすぐに手芸部に行くのに今日は菜々も引き下がることをせず私は帰れずにいた
「俺がどうしたって?」
「タカくん…」
タイミングよくタカくんが私のクラスを覗きに来ていた
「部長!今日部活は私たちだけで大丈夫なんで樹看病してあげてください!この子大丈夫なフリして身体も精神的にも限界がきてます、私じゃだめなんで。部長!任せました!」
菜々は私を無理矢理押し、バランスを崩した私はタカくんの胸元に飛び込む形になってしまった…
バランスを崩した私をタカくんは受け止めてくれて、向かい合って抱きつく形になった
「部活のみんなにはちゃんと説明しとくんで、樹をお願いします!夜1人だと寝れてないみたいなので任せましたよ!じゃ、行ってきまーす!」
言うだけいって手芸部へと行ってしまった…
「さっきの話し本当なのか?ただでさえ細かったのに前よりめっちゃ痩せてんじゃん…場地が死んでから食べれてないのか?」
タカくんは私のお腹周りを撫でると私の腕を持ち上げカーディガンの袖を捲った
「うん…でも大丈夫!ちゃんとサプリメントで補ってるし、睡眠だって学校で寝てるから取れてる」
「いっちん…こんなに細くなるまで気づいてやれなくて悪い。いっちん!今日オレんち泊まれ!妹達も喜ぶしさ」
「タカくんに迷惑かけちゃう」
「迷惑じゃねぇよ、鞄持ってやるから行こうぜ!」
私の鞄を肩にかけると手を繋ぎ、強制的に私の返事も聞かずに靴箱へと行き学校を出た…
「タカくんわかったから、とりあえず家行って着替えとか持ってきていい?」
「そうだな取りに行こうぜ!」
タカくんと手を繋ぎマンションへと向かった
引っ越しをしたことを伝えてなかったのでボロアパートから綺麗なマンションへと変わったことにタカくんは驚いていた
「いっちん引っ越ししたのか、オートロックだったしめっちゃ綺麗なマンションだな」
「まぁいろいろあったからね…
基が女の子1人はあのボロアパートじゃ危険だからってセキュリティーがしっかりしたとこに私が入院してる間に引っ越したらしいよ」
バックに下着やパジャマを詰めて圭くんの特攻服を大切に入れて、ルナマナちゃん達が喜びそうなお菓子も大量に詰めた
風呂場でセーラー服を脱ぎゆったりとした黒のニットワンピースにチェック柄のマフラー
を巻き、ベージュのダッフルコートを羽織ると薄手のタイツを履いてバックを持った
「お待たせ!タカくんち行こっか」
「いっちんその格好似合ってんな!」
ありがとうっと笑い黒のロングブーツを履くと鍵を閉め、地下の駐車場に行きバブのエンジンをかけた
「基がバブ乗っていいって鍵貰ったからタカくんちまでこれで行こう」
「ワンピースでバイク跨って大丈夫なのか?」
「大丈夫!タイツはいてるし!タカくん鞄だけ持ってて」
私から鞄を預かると肩にかけて後ろに座ったのでタカくんにヘルメットを渡してグリップを握りバイクを走らせた
タカくんちに着きバイクを止めて部屋へと入り、鞄から圭くんの特攻服を出してタカくんに手渡した
「圭くんの特攻服…ちょっとおっきいから私のサイズに直して欲しいんだけど。タカくんお願いしていい?」
「場地のか…いいぜ!いっちんのサイズに直してやる!」
「ありがとタカくん!」
「保育園まで時間あるから今してやる」
ミシンと裁縫箱を取りに行ったので私はその場でコートと服を脱ぎ、圭くんの特攻服を着た
ミシンと裁縫箱を持って戻ってきたタカけんはでけぇなっと呟き、袖とズボンの裾を私の長さに合わせまち針を刺した
「これでよしと!あとは裾上げだけだから脱いでいいぞ」
言われた通りにその場で脱ごうとボタンを開けるとタカくんは驚き私から目を逸らして見えないように反対方向を向いてくれた
「いっちん、オレ男だからな…」
「ワンピースだから全部脱がなくとも上から着れるし大丈夫なのに。タカくん気遣わせて悪りぃ」
ニットのワンピースに着替えた私は特攻服をタカくんに渡すとすぐさまミシンで取り掛かった
それを私は側で座って裾上げができるまでぼーっと眺めていた
ミシンの音が心地よくて私はいつの間にか目を閉じてしまっていた…
「いっちん!できたぞ!」
肩を叩かれて目を開けるとタカくんが私の身体に圭くんの特攻服を当てて、サイズが合っているか確認してくれていた
長かった袖も私のサイズになり完璧だった…
「ありがとう、タカくん…」
圭くんの特攻服綺麗にたたんで鞄の中に入れ込んだ
「あっ、ルナとマナを迎えに行く時間だな。いっちん行こうぜ!絶対ルナとマナ、いっちん見たら喜ぶだろうな」
「お菓子もいっぱい持ってきたからルナマナちゃんの喜ぶ顔、早くみたいな!」
タカくんのアパートから出て歩いて保育園まで一緒に迎えに行った
保育園に着くと靴箱で鞄を持って待っていたルナマナちゃんに手を振ると、2人の目がキラキラ輝き"樹お姉ちゃんだ!,っと叫んで私めがけて走って抱きついてきた
「樹おねえちゃん久しぶり!今日は一緒に遊べるの?」
「遊べるの?」
「うん、今日はルナマナちゃんのお家にお泊まりするからいっぱい遊べるよ!」
「やったー!!早く帰ろ!」
「ルナもマナもいっちん困らせるなよ!」
ルナちゃんは私はの右手を握りマナちゃんは私の左手を握り、仲良く手を繋いでタカくんちへと帰った
ルナマナちゃんは家へと帰るときちんと手を洗ってからお部屋で遊び始めた
「ルナマナちゃんはお利口さんだね!そんな子には…大好きなお菓子をあげよう!」
「うわぁー!お菓子いっぱい!ありがとう!」
「ありがとう!」
ルナマナちゃんは大量のお菓子を見て興奮し、一つだけ選ぶと椅子に座り食べ始めた
「いっちんありがとな、ルナマナよかったな!今日はルナマナが好きなオムライスにするか!いっちんはおじや作ってやっから、2人と遊んでてな」
「タカくん私も手伝うよ?」
「いっちんはお客さんだからいいんだよ、それにルナとマナはいっちんと遊びたいから子守頼むわ!」
わかったと了承するとおやつを食べているルナマナちゃん達の面倒をみることにした…
「ねぇ樹おねえちゃん!今日泊まるさ、ルナとお風呂一緒に入ろう!」
「マナも入る!」
「いいよ、ご飯食べたら一緒に入ろっか!」
やったー!っと2人はガッツポーズして喜んでいる姿を見た私は微笑んだ
タカくんがご飯を作っている間お人形で遊んだりお絵描きをして、久しぶりに素で笑い楽しい時間を過ごした
タカくんがオムライスを作りテーブルに置いたのを見てルナマナちゃんは椅子へと座り、食べる体制へとなった
「できたぞ!いっちんのはコレな。いきなりオムライスは身体がびっくりするから、まずはおじや食べてみな」
「タカくんありがとう」
ルナちゃんの隣に座ると1人だけ違うメニューなのが気になるのかルナちゃんが不思議そうに聞いてきた
「樹おねえちゃんお風邪引いてるの?」
「うーん、元気なんだけど。なんて言ったらいいのかな…心の中がちょっと風邪気味でご飯がたべられなくなっちゃって…心配したタカくんがおじやを作ってくれたの」
「そっか…ならルナがあーんしてあげる!お風邪引いたときはママもお兄ちゃんもこれしてくれるの!あーん!」
小さなルナちゃんがおじやをスプーンですくい、私の口に持ってきてくれたのでそれを口に入れて食べた
「ルナちゃん…タカくんのおじや美味しい、ありがとう。ルナちゃんのおかげで久しぶりにご飯食べれた」
涙を流しながらルナちゃんにありがとうっと伝えるとルナちゃんは私の頭を優しく撫でてくれた
「お風邪引いたときは大人も子供もみんな甘えていいんだよ。樹おねえちゃんも!」
幼いルナちゃんの言葉は今の私には凄く心に響き、涙を袖で拭きタカくんのおじやを少しずつ食べ始めた
「ルナ、ありがとな。いっちん食べさせてくれて」
「樹おねえちゃんは大好きだからね、食べさせてあげたかったの。早く食べてお風呂入ろ!」
「お風呂!お風呂!」
ルナマナちゃんは口の周りにケチャップをつけながらモグモグとタカくんのオムライスを完食した
私は半分食べ残してしまったがタカくんは頑張ったなっと褒めてくれた
ルナマナちゃんは手を合わしてご馳走さまをすると食べ終えた食器をちゃんと持って行き流しの中に置いた
「タカくん残しちゃってごめんね、ごちそうさまでした。おじや美味しかったよ!食器ぐらいは洗わせて!」
「ルナとマナがいっちんとお風呂入りたいの待てないみたいだからさ、悪いけど妹達任せるわ。食器は俺が洗うよ。お風呂入れてるから入ってこいよ!」
「樹おねえちゃん!行こうよ!もうルナ達準備できてるよ!」
「できてるの!」
「タカくん先にお風呂入らせて貰うね」
ルナマナちゃんはお風呂のおもちゃとパジャマセットを持って待ち構えていたので、鞄から下着と部屋着を急いで手に持ちお風呂場へと向かった
風呂場の扉の前でルナマナちゃんは服を脱ぐとお風呂の扉を開けて入り、私も裸になると一緒にお風呂へと入った
お湯をかけルナマナちゃんの頭を洗って身体を洗うと抱き上げて湯船に浸からせた
玩具で遊んでいる間にパパッと髪と身体を洗うと湯船へと浸かると、ルナマナちゃんは私の胸をガン見してきた
「樹おねえちゃんママよりおっぱいおっきい!」
「本当だ!おっきい!」
「ルナマナちゃんのママも昔はおっきかったと思うよ、ルナマナちゃんが赤ちゃんの時にいっぱいミルク飲んじゃったから小さくなったんだよ」
私の言葉に2人は納得し、私の首につけているネックレスとピアスに目が入ったようで触ってきた
「これおんなじだ!可愛いね!」
「可愛い!」
「ありがとう、これは大切な人とお揃いで持ってたアクセサリーなんだ」
「彼氏?」
「ルナちゃんはおませちゃんだな、彼氏なんて言葉知ってるの。彼氏とお揃いだったけど、もういないの…さぁルナちゃんマナちゃん!肩までちゃんと浸かって!寒いから風邪引いちゃうよ!」
2人を肩まで浸からせると10秒数えて湯船から出て、バスタオルで拭いてあげた
濡れた身体を拭き巻きつけると、とりあえずルナマナちゃんを先に着替えさせようと下着を手にした瞬間
ルナマナちゃんはバスタオルも巻かずに"逃げろ!,っと風呂場から逃げて、驚いた私は2人の下着とパジャマを手に持ち追いかけた
「こら!風邪引いちゃうからパジャマ着て!」
「ルナマナ、いっちん怒ってんじゃんか。えっ!?待て待ていっちん!!オマエも服着ろ!!」
バスタオルを巻きつけた格好でルナマナちゃんを追いかけていた私にタカくんは驚き顔を真っ赤にしていた
「こら!捕まえた!!」
追いかけ捕まえた私は2人を抱き上げタカくんへと渡し、パジャマセットも手渡した
「ルナマナちゃんが裸で逃げるから焦った、あとは任せた!私も着替えてくるね」
「目のやり場に困るから早く着替えて…」
タカくんは真っ赤な顔でルナマナちゃんの服を着せ始め私は風呂場に戻り、持ってきたブラとパンツを履くと楽な長袖のマキシワンピへと着替えた
部屋へと戻るとパジャマに着替えたルナマナちゃんがタカくんとお布団を敷いてくれていた
「樹おねえちゃんも一緒に寝るんだよ!」
「寝るんだよ!」
「一緒に寝よ!タカくんお風呂入ってくる?ルナマナちゃん達寝かせてるからさ」
ルナマナちゃん達に引っ張られて布団の中へと潜り、2人も布団へと入ってきた
「悪いないっちん、風呂入ってくるわ!」
お兄ちゃんにおやすみなさいっと言いルナマナちゃんは目を閉じたので寝れるように優しくお腹をトントンしてあげた…
2人はグズルこともなく夢の中へと入り眠ってしまったようだ
布団の中からでて座って2人の寝顔じーっと眺め、可愛すぎてずっと眺めていたくなる光景だった…
「あれ?2人とももう寝たのか、今日は珍しく早かったな」
風呂から上がったタカちゃんがスウェットを着て部屋へと入ってきた
「2人とも可愛いね…寝顔天使だね!」
「次はいっちんの番だな…」
座っていた私を抱き上げるとルナマナちゃんが寝ている反対側の布団の中に寝かして、毛布と布団をかけて一緒寝る体勢になっていた…
「オレがついててやるから寝ろ」
ギュっとタカくんは優しく私を抱きしめ子供を寝かすように背中をトントンしてくれた
「タカくん…ありがとう…」
私もタカくんに抱きつき胸元にに顔を押し当て心臓の音を聞きながら目を閉じ、いつもは眠れないのに今日はタカくんがいてくれるからか夢の中へと入りいつの間にか寝てしまっていた…
寝たのを確認したタカくんはそっと私のおでこにキスをした
「やっぱ場地の死はいっちんの心に突き刺さってんのか…強くても女の子だもんな…場地…泣かすなって約束、オマエが破ってどうすんだよ…」
寝ているいっちんをギュッと抱きしめたままオレも目を閉じていつの間にか寝てしまった…