退院したあと
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次の日、圭くんとお泊まりする前のようにいつもの生活が戻った…
朝早くから基は仕事に行き朝ごはんを用意してくれていたが、退院してから食欲が湧かず
作ってくれて申し訳ないが捨ててセーラー服に袖を通し、ボルドー色のボタンが付いたカーディガンを上から羽織ると家を出た
学校に行くとパーちんとタカくんが居たので走って体当たりした
「おはよ!パーちんタカくん!」
「いっちん!元気そうだなぁ、心配したんだぜ」
「お!いっちん、おはよ!」
「パーちん、元気だよ!今日からまたよろしくね!あ、菜々だ!じゃまたな」
2人に手を振ると目の前に居た菜々に抱きついき、おはようと挨拶をした
「樹…無理してるんじゃないの?」
「大丈夫だって、ちゃんと学校も来てるし。みんな心配しすぎ!」
教室へと入るとクラスのみんなが私を見て小さな声で喋り始めた…
「血のハロウィンで神水流の彼氏死んだってよ!」
「あの抗争にあいつも居たんだって!」
「彼氏死んでんのによく平気で学校来てんよな」
クラスの話題はどうやら10月31日の抗争の話で持ちきりのようだ
「言いたい放題言っちゃって!!許せない」
「菜々、いいから。言わせておけばいいの、ほっときな」
見かねた菜々がキレて噂話をしている男に突っ掛かって行こうとしたが、私が腕を掴み辞めさせた
「だけど樹!!」
「菜々がキレる事ない、ほらチャイム鳴ってるよ?席つかないと!」
タイミングよくチャイムが鳴り渋々菜々は席につき、いつも通りの授業中が始まった…
ボケーっとしつつも頭は偉いので先生に当てられてもきちんと答え出していた
あっという間に昼休みになり、菜々がお弁当を持ってきたのでいつものように一緒に食べることにした
私が野菜ジュースを飲んでいたらお弁当を食べていた菜々が卵焼きを私の前に出してきた
「樹、もしかしてジュースだけなの?ちゃんと食べなきゃ、ほらあげるからアーンして?」
「菜々ありがとう、でもこれしか今身体が受け付けないんだよね。気持ちだけ貰っとく、ありがとう!」
「ただでさえ細いんだから、それ以上は痩せない事!」
菜々は無理意地する事なく卵焼きを自分で食べた
ホームルームが終わると菜々は手芸部に行き私は帰るため靴箱へと降り、ローファーを履くと門には何故か半間が怠そうに煙草を吸いながら待っていた
私に気づいた半間は煙草を消し、無視して門を通り過ぎようとすると私の腕を掴んだ…
「なーに無視して帰ってんの?樹…オレのメールも無視してんだろ」
「あ?触れんなや。稀咲鉄太とお前繋がってんの知ってんだからな!!一虎くんを稀咲が上手く言い聞かせて、刺すように仕向けただろ…半間、お前もそれに絡んでんだろ?」
掴まれた腕を払い落とし、半間へと睨んだ
「だがお前に関してはオレは一切手を出してねぇ、それは本当だ。オレはオマエを気に入ってんからなぁ…なぁ、場地いねぇし。オレの女になんねぇ?」
「圭くんを裏で殺すように仕向けた奴の仲間の女になる訳ねぇだろ…頭イッてんのか?死ね!」
苛立った私は半間の顔面を殴ると受け止められ、引っ張られた私は半間にキスされた
「いっちんにちょっかいだすなや、半間!」
「学校に三ツ谷とオレがいんの知ってて喧嘩売ってんのかぁ?」
タカちゃんが半間から私を引き離し抱きしめると、ぺーやんが半間に睨み私を守るように立ちはだかってくれた…
「東卍に喧嘩売るために来たわけじゃねぇよ、樹に会いに来ただけだ。でも二匹も怖い狂犬に邪魔されたからなぁ、今日は帰んわ。樹、オレは冗談で言ってんじゃねぇからな」
バイクに跨ると半間はエンジンを掛けその場から立ち去った…
「タカくんぺーやん助かった…悪りぃ」
唇をセーターでゴシゴシ拭き取るとタカくんとぺーやんに謝った
「いっちん大丈夫か?部室から半間の姿が見えたから急いで来てみたらいっちんに絡みやがって…」
「帰ったら口洗えよぉ、いっちんめんどくせぇ男ばっか好かれてんな」
「はぁ…お祓いでもいったほうがいいかな。2人ともありがと、帰るわ!」
タカくんとぺーやんに手を振ると真っ直ぐマンションへと帰った…
制服を脱ぎマキシワンピースに着替えると部屋を掃除し始めた
ベランダに干した洗濯物を片付け早めにお風呂へと入ると、時計の針は20時を過ぎていたので晩御飯を作る時間だが…
入院してから食欲が全然湧かないのでコーヒーを淹れソファーに座りテレビをつけた
お笑い番組が映っているが耳に入ってこず、ボケーっと眺めていた…
基もいないので私1人では新しい部屋は広く感じた…
こないだまで圭くんと一緒にいる生活が当たり前だった私には、1人の時間は少し辛過ぎた…
テレビを消してソファーに寝込んだ目を閉じるが眠れず時間だけが過ぎていった
ふと時計を見ると0時を指していて私はマキシワンピを脱ぐと黒のオーバーサイズのパーカーを着てボルドー色のショートパンツとニーハイソックスを履くと、ブーツを履き鍵と携帯と財布をショルダーバックに入れ部屋を出た
あの部屋で1人でいると圭くんを思い出すし、1人では眠れないと気づいたのでとりあえず外に出ることにした…
東京の街はこんな時間でも賑やかなので今の私にはこの街が心地よかった…