退院したあと
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検査の結果、次の日に無事退院した私は基と一緒に新しいマンションへと帰ってきた…
今までとボロアパートと違い凄く綺麗なマンションで、エントランスは大理石の床だった…
オートロックなので自分の部屋のボタンを押し暗証番号を押すとエントランスのドアが開き中へと入れるようになっているようだ…
部屋の玄関に着くとキーをタッチすると鍵が開き扉が開いた…
中は今までのボロアパートとは違い凄く綺麗な部屋だった
「ここが新しい家だよ♡ どう気に入った?」
「基…めっちゃ家賃高いんじゃないの?」
「大丈夫!半額で住まわせてくれるから問題ない!」
「心配だからこれ渡しとく…」
バックから通帳とカードを基へと渡した
「これパチ屋で勝ったお金、変なバイトして貯めた訳じゃないから。1000万あるからとりあえずこれ渡しとく。まだ貯めてるお金あるから何かあったら言って…」
「樹…ありがとな。てか女の子がパチンコなんて行っちゃダメでしょ!!野郎ばっかなんだからね、変な虫ついちゃうよ!!」
「大丈夫。てか私が入院してる間、ずっと仕事休んでくれてたんでしょ?明日から仕事行って大丈夫だから、私も学校行くし」
「樹、1人にさせるのは心配だな…圭介のこともあるし…」
「大丈夫だから、後追って死ぬなんてことしない。前みたいに基居なくてもちゃんと生活するから安心して」
私の言葉を聞いた基は渋々納得し、明日からまた仕事に行くことになった…
ポケットに入れていた携帯が鳴ったので画面を開くと八戒の姉の柚葉からだった
「もしもし、柚葉どうした?」
「どうしたじゃないっての、退院したんでしょ?おかえり。いっちんが入院してるって聞いたときは驚いたんだから…前は男として会ったけどさ、今度は本当のいっちんと会って遊ぼ?退院したばっかだから、落ち着いてからでいいからさ」
「そっか、柚葉と海行った時は男だったもんな!うん、遊ぼうな!メールと電話ありがと、心配かけちゃったね」
「八戒も心配してた…女の子にフリーズしちゃうけど男装してたいっちんとは話せたから、女の姿でもいっちんなら八戒話せるかも!」
「あんだけイケメンなのに八戒って女と話せないシャイな男の子だったの!?それが1番びっくりなんだけど!」
「また会っていっぱい話そう!じゃあね」
柚葉との電話を切ると、基がバブの鍵を投げて来た
「樹にあのバイクあげる!事故にだけは気をつける事!それを守れるなら乗っていいよ」
「親が娘に無免許で乗るの許すってどうなの…まぁ乗り方は基から教わってるし、問題ないよ。ありがとう」
「また明日から仕事でしばらく家に居ないけど…樹大丈夫…?」
「心配しすぎ、問題ないから!バイク早速乗らせて貰う…」
マキシワンピを脱ぎ基のことなど気にせず下着姿になると、黒のスキニーパンツを履き黒の長袖のトレーナーに袖を通しバブの鍵を持ち玄関に行きブーツを履き玄関の扉を開けた…
「圭介んち…行くのか?」
「うん…圭くんのお母さんに謝らなきゃ…圭くんち行くから、もし遅くなったら先に晩御飯食べてていい」
「わかった…気をつけて行くんだぞ」
基に手を振るとマンションから出て地下駐車場に停めてある基のバブに跨りヘルメットを被るとエンジンを掛け圭くんの団地まで向かった…
バイクで走りあの団地に着き階段を上がり、5階の圭くんちに着いた…
チャイムを鳴らすと圭くんのお母さんが玄関を開けてくれた
「樹ちゃん…今日退院したのね、意識が戻ってよかった!来てくれてありがとう、さぁ上がって!」
圭くんのお母さんは泊まっていたときのように優しくいつもの様に私を部屋へと迎え入れてくれた…
お邪魔しますと言い私は部屋へと上がり、圭くんのお母さんが通してくれたのは圭くんの部屋だった…
私は部屋の中へと入ると瞬時にお母さんへと土下座をした
「側にいながら圭介さんを守れなくて申し訳ありませんでした!!」
涙が出るのを必死に抑えつつ圭くんのお母さんに謝った…
「樹ちゃん頭を上げて、あの子が死んだのは貴方のせいじゃないんだから。むしろあんなバカ息子を好いてくれて嬉しかったの、死ぬ間際に彼女の樹ちゃんが居てくれて…あの子は幸せ者だわ。
お通夜とお葬式で樹ちゃんのお父さんが来てくれてね、貴方と同じように頭を下げてくれたの。
2人ともそんなことしないで!
貴方にこれを渡したいの…」
圭くんのお母さんは私の身体を上げるように肩を叩き、テーブルに圭くんの東卍の特攻服とバイクの鍵を置いた
「私は貴方に渡すべきだと思ってね。そのネックレスも付けてくれてるのね、嬉しい。
でもね樹ちゃん。貴方は今を生きているの…今はあの子のことが忘れられなくても。私もあの子も樹ちゃんには幸せになってもらいたいの!
だから、新しく好きな人を見つけて付き合って…大人になって結婚し子供を産んで幸せな人生を歩んで欲しいの。
どうか道を踏み外したりはしないで…
樹ちゃんは私にとって、本当に娘みたいな存在だから…」
「圭くんのお母さん…ありがとうございます…」
正座をして俯いたまま私は涙を流して泣いた…
「あの子の骨はもうお墓に入れてるの…だからまたお墓に遊びに行ってあげて。仏壇はここに飾ってるの」
顔を上げると圭くんの仏壇がシルバーラックの上に飾ってあった…
私は涙を服で拭き立ち上がると手を合わした…
「初めて異性を好きになるって気持ちを教えてくれたのは圭くんでした…短い時間だったけど、場地圭介の彼女で私は幸せでした!!私を愛してくれて…ありがとう!」
圭くんのお母さんは私の言葉を聞き泣くと優しく抱きしめてくれた…
「圭くんのお母さん…お世話になりました」
「樹ちゃん、バカ息子の分まで生きてね。後なんか追っちゃだめなんだからね!」
頷くと涙を拭き圭くんのお母さんから離れ、特攻服と鍵を持つと部屋を出て玄関へと向かった…
「圭くんのお母さん、バイクは千冬に渡してもいいですか?アレは相棒であるあの子が持つべきだと私は思ってるんで…」
「貴方の物なんだから誰にあげてもいいわよ、樹ちゃん元気でね」
「ありがとうございます!圭くんのお母さんもお元気で…さようなら…」
深く頭を下げてお礼を言い玄関を出た…
私は圭くんの特攻服と鍵を持って、同じ団地の2階に住む千冬の家を尋ねた…
チャイムを鳴らすと目を腫らした千冬が出て来て、目の前にいる私を見て驚いていた
「いっちん!?どうした?」
「千冬に渡したい物があってさ、これは相棒である君が持つべき物だと思う。大切に使って」
先程圭くんのお母さんから預かったバイクの鍵と特攻服のタスキを渡した
「いっちんが持つべきだろ!場地さんのバイクの鍵と大事なタスキじゃねぇか!!」
「特攻服だけ私にくれる?ゴキとタスキは圭くんが信頼していた千冬が持つべき、受け取って!」
千冬は目に涙を浮かべ私から鍵とタスキを受け取り、大切に抱きしめると"ありがとう,っと礼を述べた…
「圭くんが居ない壱番隊を千冬…頼むね!千冬がなってもいいし、圭くんが託したタケミっちーでも私はどちらでもいい。2人なら圭くんがいた壱番隊を大事にしてくれそうだから…じゃまたね!」
「いっちん!ありがとな!」
圭くんの特攻服を握りしめると私は階段を駆け降り、バブへ跨りエンジンを掛けると大事な特攻服を落とさないように左手で持ち
右手でグリップを握りバイクを走らせ、基の待つマンションまで帰った…