血のハロウィン
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樹
圭くんの声が聞こえる…
あたり一面白い霧に包まれて周りが見えなかったが私の背中を大好きなあの人が抱きしめてくれた…
樹一緒にいてやれなくて悪りぃ
一虎とマイキーを頼む…
樹はいい女だから、オレよりもっといい男と幸せになれよ
その言葉に私は泣きながら無理だよっと言い放った…
樹と付き合った時間は短かったけど幸せだった…
大好きだったぜ
オレのことは忘れて幸せになれ
「やだ!まだ私の側にいて!!」
抱きしめてくれていた腕が離れたので振り返ると、マイキーのお兄さんの真一郎くんと圭くんが笑い手を振っていた
基の娘悪りぃ、コイツはオレと一緒に逝くからオマエは基んとこ帰れ
私は泣きながら圭くんの名を叫んだが、再び白い霧に包まれてしまった…
目を開けると何故か私は病院のベットで眠っていた…
どうやら先程のことは夢の中の出来事だったようで、瞳からは涙が溢れていた
「樹!!目が覚めたのか!よかった!」
基がいつの間にか私の右手側に立っていて意識が戻った私を見て泣いて抱きしめてきた
「基おかえり…今何日…?」
「今日は11月4日だ、31日に仕事が終わって家に帰る途中で万次郎から電話があったんだ。樹が40度の高熱をだして病院に入院してると…万次郎から全部聞いた、圭介のことも…」
寝ていた私は起き上がると基が再び泣きながら抱きしめてくれた…
マイキーが私を気絶させたあと熱が高い私を病院に連れて行ってくれたのか…
お礼言わなきゃな…
「さっき夢で圭くんと真一郎くんに会った…オマエは基んとこ帰れって言われちゃった。あれから四日目ってことは、圭くんのお葬式とか終わった感じか…」
「お通夜もお葬式もちゃんと俺が行った…圭介の部屋に置いてあった荷物も持って帰ってきた。これは圭介の母親が樹が持ってたほうがいいからって預かってきた」
基は私に圭くんにあげた十字架のネックレスを渡してきた
「息子と付き合ってくれてありがとう、樹のことはあの子も私も大好きだったから本当の娘になって欲しかったって言ってた…」
その言葉を聞いて私の目からは涙が溢れ出た…
「圭くんのお母さんには申し訳ないな…圭くんの側にいたのに守れなかった…初めて恋して付き合って…本当に大好きだった…」
涙を拭くと圭くんが付けていたネックレスを首に付けた
「死ぬ前に圭くんに一虎くんとマイキーを託されたからね…めそめそしてたら笑われちゃう!もう泣くのはやーめた!んで私もう今日退院していい感じなわけ?」
「さすがに今日は無理ですよ、樹さん。意識が戻ってきたよかったです。」
白衣を着た先生が病室に入ってきて私の顔を覗き込んできた
「君40度超えてて意識ないし、しかも肋骨ヒビがいってたんだからね。今日診察して問題なかったら明日帰れるよ。」
「先生お世話になってすみません」
基が先生に深く頭を下げると部屋から出ていった
「樹が寝てる間に新しくマンションに引っ越したんだ!俺の仕事場の社長が持ってるマンションなんだけど、特別な家賃半額で住まわせてくれることになってさ!オートロックマンションだぜ!2LDKで風呂あり!退院したらすぐ住めるようにもう荷物も移動してあるからな!」
「それ家賃大丈夫な訳?基の給料大丈夫?」
きっとあのアパートで稀咲に狙われたのもあるし、圭くんが死んだのもあって…
基なりに私のこと心配してくれてんだろうな…
「貯めた金もあるし、心配しないでいいよ。だから樹は安心して帰ってこい。」
「ありがと、基…」
すると勢いよく病室の扉が開き、親友の菜々泣きながら部屋へと入り私と目が合うなり号泣し始めた
「樹!!生きてるぅ!!」
「ちょっ、落ち着いて!いっちん意識戻ったのか!よかった!」
号泣する菜々は私に抱きつき、なんとか落ち着かせようとタカくん宥めていた…
「部長から樹が入院してるって聞いて毎日お見舞い来てたけど、目覚めないからさ!!本当に心配したんだからね!!」
「ごめん菜々…心配かけて。タカくんもごめんね…」
泣き叫ぶ菜々の背中を優しく落ち着かせるように撫でた
「警察来るのにいっちんが場地から離れねぇから無理矢理マイキーが気を失わせてその場を去ったんだ。抱き上げたらいっちんの体温が高いことにマイキーが気づいて病院に運んだんだ、そしたら40度超えの高熱だからさびっくりした…あんな高熱出てる中、あのマイキーとやり合ったんだからな…」
タカくんの話を黙って聞いた私は一虎くんの事が気になった…
「一虎くんは?」
「一虎は捕まったよ…」
「そっか…退院したら会いに行かなきゃ、圭くんに一虎くんの事任されたからね…私1人じゃマイキーを止められなかった…タケミっちーのおかげ。喧嘩弱いのになんかあの子は不思議な子なんだよな。今回も助けられちゃった、お礼言わなきゃな…」
「オマエら似た者同士だな、タケミっちはいっちんに感謝してたぜ。いっちんがいなかったら止められなかったってよ!」
その言葉を聞いた私は何だそれっと笑った…
携帯が光ったので開くとタクヤや日向ちゃん、エマちゃんに柚葉からメールが何通も届いていた
「私が寝ていた間にみんなに心配かけちゃったみたいだね、ごめん。なんも異常なかったら明日には退院するからさ!また菜々も学校で会おうな!」
菜々は泣き止みうんと返事をした…
「基のことだからずっとここに居んだろ?私は大丈夫だから!悪いけど菜々、基を連れて帰ってくんない?」
「えー!樹といたいのに!!」
「タカくん悪いけどこの駄々っ子よろしく、お見舞い来てくれてありがと!ほら、帰って家で休め!」
居座ろうとする基をタカくんに押し付けると、菜々は任せて!っと言って基を無理矢理病室から連れ出してくれた…
私は携帯を持ち病室からでると屋上へと行きベンチに座った
心配してくれてメールをくれていたみんなに返信をした…
するとマイキーから着信がきて電話を取った
「いっちん?見舞いに来たらいないんだけど!てか意識戻ったのか!」
「あぁ、今起きて屋上で日光浴してるとこ…
マイキーが病院運んでくれたんだって?タカちゃんから聞いた、ありがとな」
「今目覚めたばかりで動いちゃダメだろ!何してんの!?」
携帯で話しながら息を切らしたマイキーとドラケンが走って屋上へと現れた
私は驚き通話を終了するとマイキーとドラケンに手を振った
「このバカ!!部屋で大人しく寝てろ!」
「いっちん、熱やばかったのにあれであんなに動けるとかマジヤベェからな!」
2人は怒りながらも私に抱きつき涙を流していた…
「2人にも心配かけちゃったみたいだな…悪りぃ。マイキー止める為とはいえ殴って悪かった…」
「オレも女のいっちんに手出してごめん…」
「いっちん、マイキーを止めてくれでありがとな、オレには止められなかった…」
「礼ならタケミっちーに言いなさいよ、あの子がいなきゃ止められなかった…」
抱きついてきた2人から離れて、両隣に2人を座らせた…
「まぁ圭くんのおかげでマイキーも一虎くんも仲直りできたからよかったじゃん!キレる前にちゃんと人の話は聞くことだね、マイキーの蹴りマジ痛かったんだからね!」
「高熱でてる状態であの力はいっちんマジヤバかったからな!女と思えなかったもん!」
「あ?それどう言うこと?喧嘩売ってんの?」
私はいつものようにケラケラ笑うとマイキーもドラケンも少し安心した表情をした…
「圭くん死んじゃったから…気にして屋上まで来てくれたんでしょ?大丈夫、私は後を追って死ぬような女じゃない…それにマイキーと一虎くんを任されちゃったからね」
澄み切った空を見上げて、太陽の光が眩しくて目を閉じた…
「問題児2人のお姉ちゃんしないといけなくなったのか、そりゃいっちん大変だな!」
「年齢的には私一つ下だからね?まったく…圭くんもこんな事任すなんて酷すぎ、文句言わなきゃな」
「いっちん…あんな事あったけどさ…また前みたいにオレ達の側にいてくれる…?」
「あったりまえだよ!!マイキーとドラケン達、東卍のみんながいいならまた側にいるよ!」
その言葉を聞いたマイキーは嬉しそうに笑い、再び抱きついた…
3人で病室前まで戻ると、エマちゃんと日向ちゃんタケミっちーの3人がお見舞いに来てくれていた
エマちゃんは私を見るなり泣きながら走り私に抱きつき、受け止めた私は廊下に倒れた
「いっちん!意識戻ってよかった!場地くんの事あったからさ…心配だったの!!」
「エマちゃん…心配してくれてありがとう…大丈夫だから」
泣きじゃくるエマちゃんの背中を優しくトントンし、見かねたドラケンが私からエマちゃんを引き離してくれた
「樹元気そうでよかった、これお見舞いのお花」
「日向ちゃんありがとう!めっちゃ綺麗…」
かすみ草とガーベラの花束を受け取るとタケミっちーと目が合った…
「いっちん…」
「ドラケン、悪いけどこれ病室に飾っといて。ちょっとタケミっちーと話しあるから…」
私とタケミっちーは少し離れた廊下で話し始めた
「場地くん助けれなくてごめん!!」
「なんでタケミっちーが謝るの?むしろこっちがお礼言わなきゃな、マイキーを止めに入ってくれてありがとう!私1人じゃ無理だった…今回の件は一虎が悪いわけじゃない。裏で唆し操ってた…稀咲鉄太が原因だ…東卍に限り、またこんな事が起こると思う…タケミっちー、気をつけて。あいつは頭が回りすごく計算高い男だ…危険だ…」
「いっちんは場地くんと一緒でわかってたんだな…」
「あぁ…それにアイツに何故か狙われてたしね。あ、タクヤには秘密な!心配かけたくないからさ…タケミっちーは喧嘩弱い癖に、人の心を動かす力がある…圭くんも…そんなタケミっちーに惹かれて託したんだよ…千冬のこと…頼むね!」
「千冬は相棒だからな、任せて!」
「タケミっちー、日向ちゃん泣かすなよ…圭くんみたいに女泣かせちゃダメだよ…」
涙目のタケミっちーはうんうんっと頷き泣かせないっと言った…
タケミっちーの肩を優しく叩き病室に戻ると何故かマイキーがベットに寝転び、それをドラケンとエマちゃんが怒り側で日向ちゃんが笑っていた
「何この状況…日向ちゃんタケミっちーと来てくれてありがとね!さぁ2人は今のうちに帰りな」
「元気な樹ちゃんにまた会えて嬉しかったよ!退院したら遊ぼうね!」
「可愛い日向ちゃんなら毎日遊びたい!彼氏に悪いからな、タケミっちー!日向ちゃんと仲良くな」
「うん、いっちんまたな!」
2人を見送るととりあえずマイキーを止める為頭にゲンコツをお見舞いした