私のお淑やかライフ崩壊
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
あれからマイキーとドラケンと会うことはなく平和な日々が続いている
でもまた会うことになるかもしれないので…
喧嘩賭博の時は簡単に落ちるヘアスプレーで金髪にしていたが、家で自分の頭を金髪に染め学校ではウィッグを被りお淑やかモードを過ごしていた
もちろんタクヤが買い揃えてくれた男の服も常に鞄に入れて持ち歩く事にした
今日も何事もなく終わるのだろうといつもの銭湯の湯に浸かり、タオル一枚でコーヒー牛乳を飲んでいると知らない番号から電話が鳴った
嫌な予感がしながらも電話を取った
「あっ!神水流樹さんですか?俺タクヤの連れのタケミチです!」
「あぁ、タケミっちーね。なんであんたが番号知ってんだ?あ、タクヤの奴からもしかして俺の事を何か聞いた…?」
「タクヤ怒んないでくださいね…女の子なのに男装してマイキー達にバレたらやばいから助けてあげてとお願いされまして。」
「はぁ…私が女だってのも知ってるわけね。タケミっちー、マジで隠しといてね。じゃないと私…親にガチで殺されるほどボコボコにやられちゃうから。」
私の言葉にタケミチことタケミっちーはヒィッと悲鳴を上げた
「んで電話して来たってことは何かあんでしょ、一体何?私今お風呂から上がったばっかでタオル一枚だから着替えたいんだけど。」
「えーっと…今から多摩川の武蔵神社に来いと連絡がドラケン君から呼び出しがありまして。いっちんこと樹さんもくるように伝えろと言われちゃいまして…
お願いですから、来てくれませんか!!?」
タケミっちーはマジで泣いているようで、うるさいぐらい泣き叫ぶ声が耳に入ってきた
「言ったよね?族とは関われないの、悪いけど無理。それに私のお淑やかスローライフが壊れてく予感がするし…まぁ、頑張って♡」
タケミっちーとの通話を切ろうとボタンを押す手前でタケミっちーが来ないとタクヤにも被害が…と呟き私の手を止めさせた
「タケミチ君…まさか、タクヤを出しにして私を脅してるわけ…?」
「脅してるわけないです!お願いですから来てください!」
深い溜息を吐くとコーヒー牛乳を飲み干してタケミっちーにわかったと答えるとやったー!!と電話の向こう側ではしゃいでいる姿が簡単に想像できた
「着替えたらすぐ行く。タケミっちー、今度私を脅したら…マジで張り倒すからね。」
ヒィッっとタケミっちーの叫び声を聞くと電話を切った
サラシを巻きその上からタンクトップを着てオーバーサイズの黒のTシャツにデニムを履き、首元はペイズリー柄の青いストールを巻くとサンダルを履き着てきた服をバックに入れた
「樹、多摩川の武蔵神社行くんでしょ?さっき聞こえちゃった。あたしそっち方面が家だから連れてってあげる。」
「マジ!紅花さんあざーす!今度大好きな苺牛乳奢るね!」
「樹は妹みたいな感じだし、子供なんだから気使わないの!」
マッサージ機に座っていたキャバ嬢の紅花さんはいつもバイクで銭湯に来ていたので、神社まで乗せて行ってくれることになった
ヘルメットを被り紅花さんの後ろへと乗ると腰に手を回し、落ちないように乗り込んだ
風呂上がりだったのでバイクに乗って当たる風は凄く気持ちよくて心地よかった
夜のネオンの光が星のように輝き綺麗な景色に私は見惚れていた
基もバイク持ってるから仕事から帰ってきて時間がある時は後ろに乗せて走ってくれたな…
黄昏ているとあっと言う間に武蔵神社に着いた
神社の階段前には数え切れない程のバイクが溜まっており、厳つい男達は特攻服に身を包んでいた
あーぁ、最悪…
これ東京卍會の集会に呼び出された感じじゃんか…
タケミっちーにやっぱ一発ビンタ決定!
バイクから降りると紅花さんに基には秘密にしてねとお願いをすると女同士の秘密だねっと耳元で囁き頬にキスをして走り去った
特攻服を着ているからこの中からタケミっちーを探すのは簡単だった、制服姿の男子はただ一人だったから…
そしてなぜかタケミっちーの隣に可愛らしい女の子が立っていた
マジかよ、タケミっちー族の集会に彼女連れてきてるし…バカなのか?
向こうも私に気がつき腕を大きく振っていっちんさん!!と叫んでいた
「お前バカだと思っていたが、マジで大バカ!族の集会に彼女連れて来てどうすんの…あとさん付けすんな同い年だろ、このバカ。」
ヒィッ!すみません!とペコペコ謝ってきたので一発ビンタを喰らわして許してあげた
「タケミチ君、このイケメンさんは誰?」
「俺は樹。初めまして、タケミチ君の彼女さんですよね?いつもタクヤがお世話になってます。俺はタクヤのお兄ちゃん的存在で、なぜかタケミっちーにも気に入られちゃって…仲良くさせてもらってるんですよ、よろしく。」
タケミっちーに話を合わせろとアイコンタクトを送ると理解したのかそうなんだよねーっと彼女に教えていた
「山本タクヤ君のお友達だったんだ!私は橘日向。同い年なら敬語なしにしよ、よろしくね!」
タケミっちーの彼女はお淑やかな女の子で菜々みたいに可愛らしくて、私は思わずキュンときてしまった
タケミっちーには勿体ない彼女さんだな…
日向ちゃんに見惚れていると東京卍會の特攻服を着てパンチパーマの男が私達に向かって見せモンじゃねーゾ!どっか行け!!と吠えてきた
あまりのうるささに耳を塞ぎ、棒付きキャンディーを口に入れた
おらび声で私達に気づいた何人かが睨み威嚇し集まってきた
「なんだテメーコノヤロー殺すゾボケェ!!」
タケミっちーは日向を守るように背中へと下がらせた
へぇー、やるじゃんタケミっちー。
「いやボクらはただここに呼び出されて…」
「は!?ココは東卍の集会所だ、誰がテメェなんか呼ぶか。コラッ!」
パンチパーマがタケミっちーの胸倉を掴みかかってきたので、さすがの私も黙って見過ごすのはできないので
パンチパーマの腕を掴みタケミっちーの胸元から引き離した
「東卍は人の話も聞けないのか…バカの集まりだな。お前もういっぺん小学生からやり直して来たら?」
私の挑発にキレたパンチパーマは掴んでない腕を振り上げ私の顔を殴ろうと掛かってきたので簡単に受け止め、棒付きキャンディーの飴を砕いた
余裕の笑みで受け止める私に見ていた東京卍會の族達がすげぞコイツ!と騒ぎ始めた
「ん?オマエらもしかしていっちんとタケミっち?」
私がこないだお世話になった手芸部部長の三ツ谷隆先輩が、なぜか東京卍會の特攻服に身を包んで私達の前に現れた
驚きすぎてパンチパーマの受け止めていた手を離すと、三ツ谷先輩は男の尻に軽く蹴りを食らわしていた
「総長の客何脅かしてんだよ。ついてこいよ。」
なんで手芸部部長さんが東京卍會の集会にいるんだよ…
特攻服に身を包んでるってことは、暴走族決定!
ルナマナちゃんと遊ぶ約束したのにマジかよ…
最悪だ…!
なるべく三ツ谷先輩にバレないように離れて歩き、目を合わさないように注意した…
「よういっちん、タケミっち。悪ィな急に呼び出して。」
マイキーこと東京卍會総長がホンダのCB250T 通称バブに乗っていた
へぇー…マイキーいいバイク乗ってんじゃん
棒付きキャンディーの棒を袋に入れ鞄に仕舞い込んだ
「オマエ何彼女なんか連れて来てんだよ。」
「ドラケン、それ俺もツッコんだからなしな。」
「いっちん、オマエ三ツ谷と同じ制服だったから遊びに行ったのにいねぇじゃん!」
「あれは知り合いの制服をたまたま着てただけで…あそこの生徒じゃないからな。それに俺学校行ってないしー、遊びたいなら電話してこいよ。」
勝手に学校来られるぐらいなら、こいつらに携帯の電話番号教えた方が安心だわ…
「あとで教えろよ!あっヒナちゃんこの前はゴメンな、タケミっち試す為とは言え脅かして。」
「あっいえ全然大丈夫です!!」
「オイ!エマ!!」
「ハーイ」
エマと呼ばれた女の子は今時のギャル系な女の子だった
日向ちゃんとはまた違って可愛い子がでてきたな…
「このコタケミっちの彼女だから、しっかり守っとけ。」
「りょ〜か〜い、あっ。よっ!いくじなし君♡」
エマとタケミっちーはどうやら初対面ではないようで、それに気づいた日向とドラケンはイラッときたようだ…
「いくじなし君♡ってどーゆー事ですかぁ?」
「エマの下着姿見たくせに逃げたー、いくじなし。」
その言葉を聞いた日向は何処からかバッドを拾い、タケミっちーの顔をボコボコになるまで殴った
タケミっちー…
お前こんな可愛い彼女がいるのに何やってんだよ
自業自得だな…
マジでバカっとタケミっちーに放ちドラケンの側にでタケミっちーと立つと
「オラ!!集まれテメーら、集会始めっぞ!!」
ドラケンの掛け声に暴走族達は綺麗に横1列に並び、その間をマイキードラケンタケミっちー私の順番で歩けば
みんな頭を下げお疲れ様です!!総長!!!っと叫んだ
「今日集まったのは愛美愛主の件だ、ウチとぶつかりゃでかい抗争になる。ぶつかるなら武蔵祭りのタイミングだ。じゃあみんなの意見を聞かせてくれ。」
へぇ…
東京卍會は総長がちゃんとみんなと話し合いをしてから決めるのか…
変わった暴走族だけど
私はそんな変わった暴走族は嫌いじゃないな
ドラケンが三ツ谷先輩に指示し、私とタケミっちの愛美愛主がどういう暴走族なのか教えてくれた
東京卍會は渋谷をテリトリーにしてまだ出来て新しいチームなんだ…
黙って聞いているとタケミっちーの背後に蹴ろうとしてる奴がいたので、巻き込まれないようタケミっちーから離れた
パーちんと呼ばれた男がタケミっちーを蹴り飛ばした
「総長の客に手ぇ出すなやパー。キヨマサの件はアイツが勝手に東卍の名前使って喧嘩賭博なんてやってたのがナシって話だろ?」
「あ!?オレぁバカだからわかんねーんだよンなコト」
「わかんねーなら出しゃばんなボケ」
三ツ谷先輩優しい一面しか見たことないから、なんか言葉遣い悪いの新鮮だわ…
見かねたドラケンがパーちんと呼ばれた男に黙ってろと一言だけ言うと大人しくなった
「愛美愛主の頭は長内って奴なんだけどちょっとした事でパーの親友とモメてな。パーの親友は愛美愛主のメンバーに袋叩きにされて、更に目の前で彼女レイプされて親兄弟吊るされて金巻き上げられて…
で藁にもすがる思いでパーに相談してきたんだ、そんなんガキの喧嘩じゃねぇだろ?」
黙って聞いていた私は思わず手に力を入れ、自分の爪を食い込ませた
タケミっちーもひでぇと呟くと、三ツ谷先輩はそういうチームなんだよと教えてくれた
マイキーとパーちんと呼ばれた男が話し合っていた
「東卍にパーの親友やられてんのに迷惑って思ってる奴いる!?パーの親友やられてんのに愛美愛主に日和ってる奴いる?
いねえよなぁ!!?
愛美愛主潰すゾ!!!」
マイキーの言葉に東卍の皆んなは一期団結し、雄叫びを上げた
その後は解散になりタケミっちーは日向と帰り、私は足がないので一人で歩いて帰ろうとしたが
何故かドラケンこと神宮寺堅に呼び止められ、彼のバイクKAWASAKI ZEPHYR400
通称ゼファーの後ろに乗せて帰ってくれることになった
いや、マジでありがた迷惑なんだけど…
族のバイクに乗って帰ったなんか基にバレたら…どおしてくれんの!?
「ドラケン、エマちゃん送ってあげないと。彼女さんなんだろ?」
「マイキーがいるから大丈夫だ、ヘルメット被れよ。」
ドラケンからヘルメットを貰い渋々頭に被ると、エンジンをふかし私はバイクに跨った
「いっちん、今日は来てくれてありがとう。また遊ぼうぜ!」
「お前な…俺だって暇じゃないんだから毎日お前らとばかりは遊べるわけないだろ?じゃまたな!」
マイキーにまたなと私は手を振ると、ドラケンはバイクを走り出した
ドラケンの背中おっきいな…
なんか基に似てるから、憎めないんだよな
さすがに家まで教えるのはヤバいので、いつもの銭湯で下ろしてもらった
「いっちん、携帯貸せ。」
ドラケンに自分の携帯電話を渡すと勝手にドラケンとマイキーのメールアドレスと電話番号を登録された
「お前何処いんのかわかんねぇんだから、電話でろよ。」
「はいはい、わかったよ。ここまで送ってくれてありがとな!エマちゃんに謝っといて、あの子ドラケンのバイク乗りたかっただろうし。」
「エマはいつも乗せてっから大丈夫だ。てかいっちん、見た目ヒョロイのに力あるよな。」
ドラケンは私の胸を軽く殴ってきた
サラシを巻いているとはいえ胸を触られたことのない私は恥ずかしくて真っ赤な顔になり、思わずドラケンの顔を殴ろうとしたが受け止められた
「男同士だろうが、こんくらいで怒んなよ。な?いっちん女っぽい顔してっけど…もしかして」
「女顔なの気にしてんだからな!ドラケンでもいじんなら、マジで怒んぞ…」
掴まれた手を払い除け、まぁ冗談だから怒ってねぇよと顔を逸らした
「いっちんのこと俺もマイキーも気にいってるからな!また遊ぼうぜ!」
満面の笑みで笑うとドラケンはバイクで走り去って行った
ドラケンのさっきの感じ、なんかバレてる感じの茶化し方だったんだよな…
中学入ってから上手くお淑やかライフしてたのに
なんで暴走族の集会に連れて行かされ、バイクに乗せられて帰宅してんだよ…
もう最悪…
とぼとぼ歩いて帰るといつの間にか我が家のボロアパートへと帰って来ていた
鍵を刺すと何故か開いていて、まさか基帰ってきてる感じ…?
恐る恐る玄関を開けると電気も付けず真っ暗闇の中、仁王立ちで基が待ち構えていた
「樹ちゃーん。こんな遅くまで何してたのかなー?それになんで髪切って金髪に染めて男の格好してんのか、パパにわかるように教えてくれとありがたいな♡」
怖いぐらいの笑顔な基に私は終わったと溜息を吐くと、とりあえず部屋へと入った
床へと座ると真正面に基も座り、話さないと今日は寝かせてくれないようだ…
「髪を切って染めたのはプライベートに変化を出したかったから、学校ではちゃんとウィッグ被ってお淑やかにしてる。今日の服装は…タクヤがこの髪型なら男みたいなカジュアルな服も似合いそうってプレゼントしてくれたから、たまに着てるんだよ。だいたい女だから男っぽい服着ちゃいけないわけ?それ男女差別じゃんか、大人な基がそんな概念に囚われてるとはな…娘としてちょっとショック…」
自分でも驚くぐらい嘘な言い訳がスムーズに出てきた、まぁタクヤが服買ってくれたのは本当だし…
黙って聞いていた基は突然号泣し、ごめんよ!っと謝りながら抱きついて来た
「パパンが悪かった!樹にその服似合ってるよ♡今までお淑やかな女の子になる!ってなってたのに、髪は切るは染めて男の子みたいな服装してるの見て…パパは勝手に妄想してヤンキーや暴走族みたいな友達でも出来たのかと思っちゃったよ!疑ってごめんよ、樹!パパンを許してくれる?」
基の感、マジで当たってて怖いんだけど…
東京卍會の人達と関わっちゃってるんだよね…
我が父ながら…恐ろしい
「許すから離れて、ほら鼻水拭きなって!」
イケメンな顔が台無しになるぐらいマジ泣きな父の顔をティッシュで拭いてあげた
「ありがとな。樹が帰ってくるまで起きてたから、一気に眠くなった…樹一緒に寝よ」
はいはいと私はいつものように基の布団の隣に敷くと、おやすみと言って仲良く一緒に寝た