私のお淑やかライフ崩壊
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
次の日の朝…
乾いた制服をアイロンで綺麗に当てて紙袋にいれると、昨晩菜々に聞いた三ツ谷先輩の住所をお家に届ける事にした
短く切った髪はバレないように持っていたウィッグを被り、髪を切る前の私の姿に戻すことにした
万が一だが、昨日出会った東京卍會総長に私だとバレるとやばいからである
マイキーとか言ったけ…?
あれにバレるのはいいんだけど、基に族と絡んだ事がバレるのが一番やばい…
何しても怒らないが、幼い頃から暴走族だけは絶対に関わるのはダメだと聞かされたからだ…
いつもの制服に袖を通すと伊達メガネをしてママチャリに跨り、三ツ谷先輩の家まで向かった
アパートのインターフォンを鳴らすとはーい!と幼い可愛らしい女の子が扉を開けてくれた
「お姉ちゃん誰?」
「あっ!ごめんね!神水流樹と言います!三ツ谷隆先輩に制服を返しに来たんですが、朝早くに押しかけちゃってごめんなさい!」
幼い子に謝っていると後ろからスウェット姿のミツ谷先輩が出てきた
「ルナどうした?あれ、樹じゃん。もしかして制服持ってきてくれたわけ?マジか、ありがと!まぁ汚いけどあがりなよ。」
「いや、私はこれを届けに来ただけなので…」
制服の入った紙袋を渡そうとすると、ルナちゃんと呼ばれた女の子が私の手を引っ張り中へ入れてくれた
「うっさいから部屋入って話せば?」
「ルナちゃんしっかり者だね。じゃお言葉に甘えてお邪魔します。」
靴を脱ぎ部屋へと入るとみんな朝ごはん中だったようで、ルナちゃんにそっくりな一回り小さい女の子がもう一人いた
「さっきのが俺の妹でルナ、こっちはマナだ。ルナマナ、樹お姉ちゃんだ。仲良くしろよ。」
三ツ谷先輩がお茶を出してくれたので飲んでいると
「はーい!樹お姉ちゃんはお兄ちゃんの彼女なんですかー?」
ブシュー!!
マナちゃんの予想外な言葉に驚きすぎて口に入れたお茶を吹き出してしまった
ごめん!っと謝りながら吹いてしまったお茶をハンカチで拭いた
「マナちゃんその歳で彼女とか知ってんの凄いね、お姉ちゃん驚いちゃった!えーっと彼女とかではなく、ただの同じ学校の後輩なんだよね。あっ、これよかったらみんなで食べて、制服貸してくれたお礼なんだけど。」
鞄の中から大量のお菓子が入った袋をルナちゃんとマナちゃんに渡すと二人共凄く喜んでくれた
「こんなにもごめんな、ありがと。ルナマナ!保育園の時間だぞ、お菓子は帰ってからな!」
三ツ谷先輩の言う事をきちんと聞いてお菓子を置くと、保育園にいく支度をし始めた
ミツ谷先輩もその場で部屋着を脱ぎ始めたので見ないように目を閉じた
「樹着替えれたよ、めっちゃいい匂いすんだけど。さてみんな行くか。」
「お兄ちゃん、樹姉ちゃんも一緒に来てほしいな…」
帽子と保育園鞄を持ったルナちゃんがちょこんと私の隣に引っ付いて、私の手を離さないように握ってきた
なんて可愛いい子達なの…!!
そんなことされたら…
素直に従っちゃうよ!
「いいよ!保育園まで一緒に行こう!」
やった!っと二人が喜んで飛び上がり、玄関を一緒に飛び出した
下に置いてあるママチャリを押して三ツ谷先輩とルナマナちゃん達と保育園まで仲良く歩いて向かった
「こんなことまで付き合わせて悪いな、樹のことルナもマナも気に入ったみたいだ。樹さえよければまた遊びに来いよ。」
「本当に!お世辞とかじゃないなら遊びに来たい!二人共遊びに行っていい?」
ルナマナちゃんは二人ともいいよ!っと笑顔で答えてくれて、私は凄く嬉しかった
保育園に着くと二人に手を振りママチャリのサドルに座ると、後ろに乗るように三ツ谷先輩に促した
「樹…もしかして俺に後ろに乗れって言ってんの?」
「そうですけど、何か問題でも?あっ!私力だけはあるんで、後ろに男性乗せても余裕で漕げるんで安心していいですよ!」
「いや、そういう意味で言った訳じゃないんだけど…」
男の俺が後ろに乗って、女の子である樹にチャリ漕がすのはちょっとな…
早く乗ってください!急かす私に三ツ谷先輩は溜息を吐きながら渋々後ろへと乗った
それを確認した私はママチャリを走らせ、学校へと向かった
なんとかホームルームが始まるまでに無事着くことができた
門に入ると三ツ谷先輩は飛び降りた
「ありがとな樹。なぁこれ俺の電話番号とアドレスだから、登録しといて。じゃあな!」
私に番号とアドレスを書いた紙を渡すと三ツ谷先輩は手を振って校舎へと入っていった
ママチャリを自転車置き場へと置くと、私も教室へと向かった
教室に菜々がいたのでおはよっと挨拶をいつものようにすると、いきなり腕を掴まれた
「樹、部長と仲良く一緒に朝登校したんだって?私に何も相談なしに付き合ってるなんて…ちょっと酷くない?」
「菜々落ち着いて!ごめんもう一回言ってくれない…誰と誰が付きってるって?」
「樹と部長よ!」
はぁ!!?っと大きな声で叫んだ私の声は、廊下にいた生徒達を驚かせた
「待って待って!なんでそんな話になってんの!?部長こと三ツ谷先輩と話したの昨日が初めてなんだけど!!菜々に住所聞いたのだって貸してくれた物を返しに行っただけで、
そのついでに学校までママチャリで乗せてあげただけなんだけど…」
最悪だ…
わたしのお淑やかスローライフの学生生活が水の泡になる…!!
「そうだったの?なんだ。みんなが朝から噂してるからそうだと思ってたの。でも樹と部長お似合いだったのに。あっ!もし好きな人できたらちゃんと報告してよね!」
「そんなことはないと思うけど、もし好きな人できたらちゃんと報告するよ」
はぁ…
なんでこんなことになったんだ…
自分の席に着くと机に倒れ溜息をついた
とりあえず携帯に三ツ谷先輩を登録し、タクヤからメールが来ていたので開くと
昨日助けてくれたお礼がしたいから放課後駅で待ち合わせしよ!っと書かれていた
了解と返事を送ると授業が始まったのでいつものように真面目に受け始めた
放課後になり菜々が手芸部に行くので私はまたねとバイバイすると、タクヤと待ち合わせの駅へと向かう為靴箱へと向かった
するといつもより人が大勢集まっており、なにやら騒いでいた
何なに、誰か有名人でも来てるわけ?
隙間から向こう側を見ると昨日見たマイキーとドラケンの二人が学校へと何故か来ていたのだ
マジ!?
なんであの二人来てんの!!
まさか…
三ツ谷先輩の制服着てたからこの学校にいると思って来た感じか?
ヤバっ!!
男の服持ってないし、今バレたら私のお淑やかスローライフが木っ端微塵になる!!
ここはバレないように校舎から出ないと…
上履きを靴箱に入れると靴を手に持ち、一番遠い校舎へと走ると誰もいないのを確認して窓から外に出た
靴を履きママチャリに跨るとホッとしてペダルに足を乗せた瞬間
「ねぇ、樹って男の子知らない?君と同じ名前なんだけどさ。」
マイキーこと東京卍會総長のあの男が目の前にどら焼きを食べながら立っていた
なんで居んのよ…
最悪、こいつ面倒臭い男だわ…
「知らないです。申し訳ないんですが、急いでますので失礼します。」
作り笑顔でマイキーと呼ばれたあの男の横を通り過ぎようとしたが、腕を掴まれたいきなり私の手首に鼻に押し当ててきた
「待って、いっちーと同じ匂いがすんだけど。もしかして君…」
ヤバっ!バレたらやばい!!
握られていた腕を無理矢理振り落とすと、ママチャリを激走してその場から逃げ去った
「マイキーこんな所に居たのかよ。三ツ谷に聞いたがそんな男居ないって言ってたぜ、三ツ谷と同じ制服だからこの学校だと思ったんだが違ってたみたいだな。」
「神水流樹か…。ドラケンには話したことあるよね?無敗の俺が一度だけ戦った相手の中で勝負がつかなかった奴がいるって。
「あぁ、俺と会う前の小学生の頃の話だろ?」
「そう…引き分けで唯一勝負がつかなかった相手、それがさっきの子。向こうは俺のこと気づいてなかったみたいだけどね。」
「マジかよ、さっきの大人しそうな女がか!?」
「久しぶり楽しい玩具見つけたかも。ケンチン帰ろっか。」
マイキーとドラケンと二人の間でこのような会話がされていたなどこの時の私は知らず…
バカな私は逃げ切れたと思い、駅で待ち合わせしていたタクヤと合流し
喧嘩賭博で助けたお礼だからと、変装用の男物のチャラついた服を何点か買ってもらった