私のお淑やかライフ崩壊
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次の日の朝、私が目を覚ますと隣に寝ているはずの基の姿がなかった
父は私が起きる前にまた仕事に行ったようで、テーブルにはおにぎりと味噌汁を作ってくれていた
もちろんお昼の弁当も基が作ってくれたようで、少しお肉が焦げているが美味しそうだ
作ってくれた朝ごはんを食べると制服に袖を通し鞄に弁当を入れ、ママチャリへと跨り学校へと向かった
「樹おはよ!」
「菜々おはよ」
クラスで仲のいい倉本菜々は手芸部に所属しているお人形さんみたいな女の子だ。
菜々みたいなお淑やかな女の子に私はなりたいが為、日々努力している!
「昨日お父さん帰ってきたんでしょ、仲良く過ごせた?」
「うーん、いつもの感じで終わっちゃった。まぁ久しぶり会えて元気そうだったから安心したかな。」
そっかと菜々は嬉しそうに話を聞いてくれてた
席に座りいつもの時間が流れ、真面目に授業を受けお昼は一緒に食べ終わり
いつものように帰れるはずだったが、クラスの男子のある話が耳に入り…
その瞬間から私のお淑やかライフは木っ端微塵になるとは…
私は思いもしなかった
「またあそこで喧嘩賭博するんだってよ、次はあのひ弱なロン毛だってさ。」
「溝中の山本タクヤだっけ?あいつら渋谷三中の清水将貴に奴隷扱いされてるって噂だぜ。やばいよな。」
クラスのチャラついた二人の話からタクヤの名前が耳に入った私は席を立つと、二人に詰め寄った
「ねぇ、その喧嘩賭博ってどこでやってるのか教えてくれない?」
突然話に入ってきた私にチャラついた二人は驚き、普段の大人しい私とは違ってビビりながら喧嘩賭博の場所を教えてくれた
「樹どうしたの?」
いつもの様子と違う私に菜々は心配して肩を叩いた
「菜々には話してるよね、弟的存在の子がいるって。さっき言ってた山本タクヤがその子なの…私行かなきゃ!あの子喧嘩なんて出来ない!菜々の手芸部の部長さん今日部活に来るよね?」
「部長はいつも一番に部室にいるから来てると思うけど、それがどうしたの?」
「ありがとう!菜々、私先に帰るね!また明日!!」
菜々に手を振り猛ダッシュで手芸部の部室の家庭科室まで走り、勢いよく部屋の扉を開けた
「部長さんいますか!?」
「俺だけど…何か用?」
突然の私の登場に手芸部部長の三ツ谷隆はミシンで縫っていた手を止め、大丈夫か?と私を心配してくれた
「お願いがあります!部長さん手先器用ですよね、私の髪を今すぐ切って貰えます?」
「美容室で切って貰った方がいいと思うけど、女の子の髪って大切でしょ?」
「時間がないんです!今すぐバッサリお願いします!!」
私の迫力に負けた三ツ谷さんは渋々ハサミを持ってくると、私を椅子に座らせた
「言っとくけど俺、美容師とかじゃないから下手だからね。訳は聞かないであげるけど…切った後、ちゃんと美容室で綺麗にして貰ってね。」
はい!と返事をすると三ツ谷さんは笑いバッサリと髪を切り落としてくれた
鏡を私に渡してくて見てみると先程まであったロングの髪の毛がショートヘアーになっていた
これならあとは髪染めて男の服着たらバッチグーだ!
私なかなかイケるかも…!
「ありがとうございます!あと一つだけお願いかあるんですけど…部長さんの制服貸していただけないでしょうか!!」
三ツ谷さんは私の言葉に一瞬固まったが、仕方ないなと呟くと脱ぎ始めた
私は驚き思わず見ないように顔を手で隠した
「神水流だから貸してあげるんだからね。もう目を開けても大丈夫だよ。」
その言葉を聞いた私は目を開けると、体操服を着た三ツ谷さんが立っていた
先程まで着ていた制服一式脱ぎたてほやほやを私に渡してくれた
「部長さん!ありがとうございます!菜々の言ったとおり優しい先輩ですね!ちゃんと返しますからね!」
制服を受けとった私は急いで家庭科室を後にした
私が去った後、三ツ谷先輩は声を荒げて笑った
「マジかよ!神水流樹、あの時と変わらず面白い奴だわ!あの頃と変わってないや!俺のこと覚えてないのは残念だな…」
走り去った私は三ツ谷先輩かそんな事を言っているとは知らず、タクヤの喧嘩賭博をやらせない為ママチャリに跨り全速力で走っていた
コンビニで髪色を染めるヘアスプレーを買い、公園のトイレへと入った
マジで三ツ谷先輩神だ…
見ず知らずの後輩がいきなり髪を切ってくださいと図々しくもお願いして、挙げ句の果て着てる制服を貸してくれと脱がす私に優しく言う事を聞いてくれるなんて…
どんだけ心広いんだ?
少しおっきいけど、まぁなんとかなるか!
胸をぺったんこにするためサラシを巻き三ツ谷先輩の制服を一式着ると、黒色の髪をヘアスプレーで金髪にした
鞄から自分が昔付けていたピアスを軟骨や耳たぶにつけ、鏡を見るとそこには私とは思えないチャラついた男の子完成だ!
伊達メガネはもちろん外して…
これで大丈夫!
トイレから出てママチャリに脱いだ服を鞄に詰め込みカゴに置くと、すぐそばで賑やかに騒いでいる場所へと私は走った
すると数え切れないほどの不良達が集まり、喧嘩賭博のため騒いでいた
大勢の中でタクヤを見つけた私はやっぱりあの話はタクヤのことだったんだと確信した
パンチパーマのガラの悪い男が前へ出ると大声で話し始めた
「ハーイお集まりのみなさーん、本日の対戦カードはメールで送ったとーり!!
桜中の小島!!
そして溝中の山本だぁ!!」
小島と呼ばれた男とタクヤが前に出てきた
「オッズは4対6で小島やや有利!」
煙草を咥えた男が始めろと言った瞬間、私はタクヤと小島の前に飛び降りた
見知らぬ男の登場に先程騒ぎたてていた男達は一瞬で静まり返った
「なんだテメー、邪魔すんじゃねぇよ!」
「タクヤの代わりに、俺にやらしてくんない?」
「あぁ?出しゃばんな!俺はコイツとやんだよ!」
タクヤの対戦相手の小島が私にキレ睨んできたので、私は馬鹿にした笑いで小島を挑発した
「何々、小島くんはタクヤじゃないと勝てないからって。俺にビビってんの?やばいね…君、それでも男?本当はチンコ付いてないんじゃねぇーの?」
「舐めたマネしやがって!!三枚におろしてやんよ!!」
私の挑発に乗った小島は殴りかかってきたので私は簡単に避けると顔面を地面に打ちつけた
先程まで威勢がよかった小島は私の一発で倒れ負けた
その光景に見ていたギャラリー達は叫び、コイツが勝ったぞー!と騒ぎたてた
私はタクヤの側に近寄り間に合ってよかったと頭を撫でてあげると、変装している私に気づいたのか小さな声で樹?と言ってきたのでしーっと人差し指を口に当て名を言わないように促した
「ちょっと待った!!イケメン君の登場で試合終わったけどさ。毎回毎回似たよーな試合じゃつまんなくないっスか?もっとおもしれーモン見たいっしょ?例えばさ王vs奴隷。
キヨマサ先輩、タイマン買ってくれよ。」
タケミチと呼ばれたヒョロそうな男がいきなり登場し、煙草を吸っていたキヨマサ先輩と何故かタイマンすることになったらしい…
ちょっと待って!
私の存在は!?
タケミチって聞いたことあるな…
あっ!タクヤと連んでる子か!!
へぇ…こいつ根性あんじゃん。
だがタイマンが始まるとまさかのタケミチって子は激弱で、キヨマサ先輩と言われるゴリラにやられっぱなしだった…
タケミチがボロボロにやられる姿を見たタクヤはもういいってタケミチ!!っと涙を流しながらやめるように叫んでいた
「引けねぇんだよ!!引けねぇ理由があるんだよ!!
東京卍會 キヨマサ
勝つにはオレを殺すしかねーぞ。
絶っっ対ぇ負けねぇ」
タケミチって奴…
いい男じゃん!
タクヤの連れに今どきこんな芯のしっかりした奴がいるなんてね…
仕方ない、助けてやるか
いつの間にかギャラリー達もタケミチの心の強さに魅入っていた
「バット持ってこい!!殺してやるよ」
「タイマンなのにバット持ってこいってどうなわけ?なら俺がこのタイマンに参加しても構わないよな?」
キヨマサ先輩とタケミチの間に入るとタケミチは誰か分からずあんた誰?と暢気に私に突っ込んできた
「タケミチだっけ?俺タクヤのお兄ちゃん的存在なんだよ。お前の根性気に入ったから、このゴリラ倒すの手伝ってやる」
私の言葉を聞いたタケミチは驚きあざーすっとボロボロの身体で笑っていた
「オイキヨマサ、客げ引いてんぞー。ムキになってんじゃねーよ、主催者がよー」
身体のデカい金髪三つ編み男が突然私の達の前に現れ、周りのギャラリー達は騒ぎたてた
「金の辮髪、こめかみに龍の刺青…東京卍會副総長!!龍宮寺堅!
通称ドラケン!」
とうきょうまんじかい?
なんか聞いたことある名だな…
私は現れた二人の男達を見つめていた
「ねぇねぇ?ケンチン?」
「あ!?そのアダ名で呼ぶんじゃねーよ。マイキー」
「どら焼きなくなっちゃった」
ムシャムシャどら焼きを食べていた男にギャラリー達は一斉に頭を下ろし挨拶をし始めた
「総長お疲れ様です!!」
「無敵のマイキー東卍のボスだ!!!」
へぇー、このちっこい方が総長ね。
総長ってことは東京卍會は暴走族か…
ヤバっ!基にバレたら怒られる!!
族とは絶対に関わるなって小さい頃からこれだけは約束してるんだよな…
あっ、でも今は男装してるし
まぁ大丈夫か!
パンチパーマの男がマイキーと呼ばれた男に名前を言って話かけたが無視して私達の所に向かってきた
ゴリラがお疲れ様ですと挨拶するとドラケンと呼ばれる男がゴリラの腹に蹴りを入れた
「キヨマサーいつからそんな偉くなったんだー?総長に挨拶するときはその角度な?」
その光景に私は鬼畜だなと思わず呟いてしまった
マイキーと呼ばれた男はタケミチの前に来ると名前は?と聞いてきた
花垣武道と腰を抜かしたタケミチは答えると、マイキーはタケミっちと言い
「マイキーがそう言うんだからそうだろ?タケミっち」と言い放った
わたしにも名前は?っと聞いてきたので樹とだけ名を教えると少し考え
「いっちんね!」と何故か私まであだ名をつけられてしまった…
「オマエ本当に中学生?綺麗な顔してるよね…オマエ本当に男?」
その言葉をタケミチと私は一瞬驚き固まってしまった…
「タケミっちといっちん今日から俺のダチ!!なっ♡」
一方的に友達宣言をするとマイキーはゴリラの所に行き喧嘩賭博の主催かどうか問いただし、はいと返事をしたゴリラの顔を蹴り上げると何発も顔面に決め込むとゴリラは倒れた
「さて帰ろっかケンチン。喧嘩賭博とか下らねー。」
「東卍の名前を落とすようなマネすんなよ」
「タケミっち!いっちゃん!またネ♡」
マイキーとドラケンはそう言って帰って行った
喧嘩賭博が解散された後私はタクヤに引き止められ、タケミチ達の聞こえないところで話をしていた
「樹助けてくれてありがとう!でもお前にはキヨマサ君に奴隷にされてるの教えてなかったのに…それに髪切って男の制服まで着て助けに来てくれるなんて…」
俺弱くてごめんと泣きながら謝るので泣き止むようにタクヤに言った
「タクヤの為じゃないよ、私が助けたかったからしただけ。それにタケミチって奴、いい奴じゃん。タクヤの側にあんな根性のある仲間がいるなんて、驚いた!私が心配しなくてもタクヤは大丈夫そうだね。私帰るわ!基にもしこの事バレたらやばいから。またね!」
タクヤはありがとうと手を振ると、私は走ってママチャリの場所まで帰ると帰宅し制服を急いで手洗いで洗い干すと
馴染みの銭湯へと向かい髪のカラーを落とした
私のイメチェンに顔馴染みのおばちゃんたちは驚き騒ぎたて、今日のお風呂は賑やかなお時間となった