ドラケンとの14日間
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あの後起きたらいつの間にか次の日になっていて、どうやらマイキーは昨日のうちに帰ったらしい…
ドラケンの腕の中で目が覚めると抜け出し、熱出てた間シャワー浴びてなかったので身体を綺麗に洗うことにした
洗い終わるとシャワー室の側に置いてある着替えの服を寝ているドラケンに裸を見られないように少しだけドアをあけて取り
シャワー室でなんとか着替えて部屋へと出ると、髪を乾かしながらテレビをつけた
するとドラケンの携帯が鳴り寝ていたが起きて電話を取っていた
「あ?マジか…わかった、いっちん連れてそっち行くからそれまでなんとかしてろ。」
電話を切ったあと溜息を吐きドラケンはベッドから出た
「いっちん、マイキーが熱出たってエマから電話があった。エマとじいさんでも手に負えないぐらい駄々っ子でいっちんじゃないと嫌だと暴れてるらしい…悪いがマイキーとこ行ってくれるか?」
「俺の熱うつしちゃったか…行く!ドラケンが着替えてる間にコンビニで薬とかゼリー買ってくるわ!」
財布を持って部屋から出るとエレベーターで降りて、近くにあるコンビニまで走った
ポカリスウェットやゼリー・冷えピタシートや薬を買い戻ると、ドラケンがゼファーに跨り俺にヘルメットを投げてきたので被り後ろに乗ってマイキーの家へと向かった
しばらく走ったあとドラケンは佐野道場の看板を掲げている屋敷に入った
マイキーの家は昔ながらの家で、道場もあり凄く広い家だった
佐野道場…
なんか見覚えあんだよね…
おれここ来たことあるかも…
思い出そうと頭を抱えながらドラケンについていくと何故か家の中から罵声が響いていた
「万次郎!!いい加減にせんか!!」
「うっせー!薬なんて飲まねぇ!!」
熱があるはずのマイキーとおじいちゃんがガチで喧嘩して扉や壁を破壊しながら戦っていた
あれ、あのちっこい髭を生やしたおじいちゃん…
どっかで見たことあるんだよね…
「ドラケン、いっちん!やっと来てくれた。マイキー!いっちん来たよ!!」
エマちゃんの声を聞いたマイキーは喧嘩をやめて俺に飛びついてきた
「いっちんやっと来てくれた!俺熱うつっちゃったから看病してー!」
「いやいや、お前さっきまでじいちゃんと元気に喧嘩してたけど!?てかマイキーって万次郎って名前だったんだ。」
佐野道場…
万次郎…
もう少しで思い出せそうなんだよな、絶対俺ここに来たことあるわ…
「万次郎、誰だその子は?」
喧嘩していたおじいちゃんは崩れた壁に溜息を吐くと、私の前に立った
「樹です。マイキーに熱うつしちゃったの俺なんですよ、すみません。」
「樹…お前もしや。基の子か…?」
「基は俺の父ですけど。どうして知ってるんですか?」
「覚えておらんのか?お前が小学生の時にこの万次郎と試合したじゃろ。後にも先にも万次郎が勝てず引き分けたのはお前だけだ。」
おじいちゃんの言葉に俺とエマちゃんは驚いていた
ドラケンとマイキーは知っていたのか平然とおじいちゃんの話を聞いていた
忘れていた記憶が鮮明に私の頭に流れてきた
そうだ!
私が小学生の時に基が佐野道場に無理矢理に連れてこられたんだ
万次郎って男の子をぶっ倒せって言われて試合したけど、強くて…
唯一引き分けた男、万次郎だ!!
忘れてた…
マジかよ!マイキーも幼い頃から出会ってんじゃん…
最悪…
「じっちゃん昔話はもういいから。いっちん俺死にそうだから看病して…」
マイキーは俺の背中に乗っかってきた
「万次郎を頼むぞ、薬を飲ませてやってくれ。儂じゃお手上げじゃ。」
「私も無理だからいっちん頑張って!ドラケンは一緒に昼ごはんでも食べてようよ!」
「俺はエマといるから、マイキー頼むな!」
マジかよ…
佐野家もドラケンもお手上げだからって俺にマイキー任せやがった…
うつしちゃったし、仕方ねぇ…
「ほら病人なんだから大人しく寝にいくぞ!」
おんぶしてマイキーの部屋へと連れて行った
部屋に入るとシンプルな和室にベッドがあったのでそこにマイキーを寝かせた
「俺と会ってたならなんで言わなかったんだよ…マイキー。」
幼い頃の俺は髪も今みたいに短かったから男に見られていた…
マイキーにあの時性別言ってないから、女だとはバレてない感じなんかな…?
「いっちん忘れてたみたいだし、思い出すまで待ってたわけ。唯一勝てなかった相手だったから…俺は覚えてたのにいっちん忘れてるんだもんな!俺ショックだったなー。」
「ごめんごめん!とりあえずこれ飲んで寝ないと。」
薬を出してマイキーへと渡したが嫌っと言ってプイッと顔を逸らした
「わかった!薬飲んだら一緒に寝てやるから…だから薬飲めるか?」
「ほんと…?なら飲む!」
私の手から薬を取ると水と一緒に流し込んだ
マイキーのおでこに冷えピタシートを貼ってあげて、約束通り布団の中に入り子供を寝かすように背中をトントンしてあげた
するとマイキーはギュッと抱きついてきた
「いっちんにまた会えてよかった…俺は覚えてたんだからね…」
「忘れててごめんな…」
そっと優しく頭を撫でるとマイキーは瞼を閉じて寝てしまった
なんで忘れてたんだろ…
あんなに強い相手に出会えたのは万次郎ことマイキーが初めてだった…
幼い記憶が鮮明に私の頭の中に溢れてきた
まだ若かった父こと基と幼い私は佐野道場へと足を運んでいた
「樹!真一郎とこのガキ、コテンパンにやっちゃっていいからな!俺の樹の方が強いの見せてやる!」
「ねぇ、真一郎って誰?」
「後輩、前に俺のバイクとお揃いのに乗ってる男見ただろ?あ、あれだ!」
基の指を指した方向を見ると柔道着を着た男の子と学生服を着た男の子がいた
「基先輩、言っときますけどマジで万次郎は強いですよ?なんたってじいちゃんのお墨付きですから。」
「あ?俺の子がお前んとこのガキに負けねぇだろ。真一郎のじっちゃん!連れてきたぞ!」
「わかったから叫ぶな。万次郎と樹、試合始めるぞ!構えろ。」
万次郎と私は一礼すると構え、万次郎のじいちゃんの合図で戦い始めた
万次郎の素早い蹴りを瞬時に避け、負けじと私も足技を繰り出した
「へぇー、女みたいにヒョロちいのにやるじゃん!!」
「あ?舐めんなよ。チビ助!足短いから届いてねぇぞ!」
私の挑発にキレたのか万次郎顔面狙って蹴り上げたが、手で受け流すと腹に一発打撃を入れた
勝ったと思った私だが、万次郎は瞬時に体勢を戻し私の肩を殴り万次郎から少し距離をとった
「へぇ…あ 腹に決めたんだけど、動けるなんてやるね!万次郎だっけ?面白い奴!!」
「腹痛かったぜ、お前も面白い奴だな!気に入った!」
万次郎が素早く私の身体に数えキレない打撃を繰り出してきたので私はそれを全部受け流すことに集中した
「万次郎と互角か…基先輩、一体どんな鍛え方させてんですか?あの子見た目は男の子っぽいですけど、女ですよね」
「真一郎わかっちゃった?やるでしょ、俺の娘。俺が仕事で側にいてやるけとができないからな、空手の他に剣道柔道合気道など武術は全部教え込ませてるからな。樹は強いぜ!」
「基、過保護にもほどがあるぞ。かれこれ試合を始めて1時間経つの…これは引き分けじゃな。2人ともそこまでじゃ!」
万次郎のじいちゃんが私と万次郎の試合を止め、引き分けだと言い2人とも大量の汗をかいていた
「万次郎!お前強いな…!めっちゃ楽しかった!!」
「樹!俺もオマエみたいな強い奴初めてだ!樹のこと気に入った!オマエいっちんな!」
私と万次郎はお互いに認め合い握手をした
万次郎との出会いを思い出した私は眠っている万次郎ことマイキーの頭を撫でた
マイキーもドラケンもタカくんも昔出会ってたなんて…
そんな大事なことを忘れてたなんてな…
タケミっちーとの任務早く終わらせないとやばいな…
あと少しだから頑張ろ
そっとマイキーの腕から抜け出して起こさないように部屋を出た
するとマイキーのじいちゃんが廊下に立っていた
「樹、万次郎は暴走族だぞ。基はアイツは知っておるのか?」
「そっか、万次郎の兄ちゃんの真一郎は死んだんだっけ…あれがあってから基は族と関わらせないようにしたんだよな。基はマイキーと俺が連んでるの知らねーよ、バレたらヤバイからこの格好なんだよ。」
「基は過保護な父親だからな…まぁバレないようにな。万次郎に薬飲ませてくれて助かった、また遊びに来い樹。」
またなっとじいちゃんに手を振るとドラケンと家へと帰った