六波羅単代と梵
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雨の中猛スピードで服はびしょ濡れになりながらも遊園地へと向かった
途中獅稀さんからの情報で"花垣武道がレストランの側のトイレで狙っている輩と出会った,と知り神様に間に合うように願いながらバイクを走らせた…
駐車場に着くとドラケンのゼファーが停まっているのを見つけバイクを停めて入り口へと走って向かった
すると遊園地の出口から慌てた様子の客達が出口に押し寄せていた
"なんか銃持ってる奴が人撃った!,
"とにかく外逃げた方がいいだろ!!,
逃げ惑う客に入り口にいるはずのスタッフは落ち着いて行動するように誘導していた
電話が鳴り携帯電話を耳に当てながら走っていると獅稀さんからの情報に耳を疑った…
「樹さん!花垣武道の前に龍宮寺堅が飛び出し…たぶん撃たれてます!」
「はあ?誰に!?」
客達の話が耳に入ったのもあり、私は急いで入り口のゲートを飛び越えドラケンとタケミっちーの元へと走った
タケミっちーを狙ってる輩がドラケンを撃ったの!?
「撃った犯人は!?」
「四人の黒ずくめの男達でその場から逃げてます!」
「絶対その犯人逃すな!
監視カメラで追跡、八雲くんこっちに向かわせて!
私はドラケンのとこに向かうから!!」
「わかりました!
八雲はもうすぐ樹さんのいる遊園地に向かってます!」
電話を切るとドラケンの元に急いだ…
まさかいっちんまで遊園地へと向かっているとは知らないオレは助けてくれたドラケン君にお礼を言っていた…
「ありがとうございますドラケン君」
「ああ…物騒なモン持ち歩きやがって…」
ドラケン君は地面に落ちていた拳銃を蹴りつけた
「千咒!!大丈夫!?ケガない!!?」
「う…うん」
オレは千咒にケガがないか確認をすると大丈夫そうだったのでホッと安心した…
「でも…なんでドラケン君がここに?」
「…今日タケミっちを狙ってる奴がいるってイヌピーが聞きつけてね。でオマエんち行ったらここにいるって聞いてよ、いっちんが獅稀さんに頼んでオマエとオレを監視カメラでずっとハッキングしてるからここの場所で襲われてるのがわかった」
「さすがいっちん、見えないところでまた助けて貰っちゃったな。アイツら…
やっぱりオレを狙ってたのか…」
「"六波羅単代,の下っ端だ」
「六波羅…!!」
「オマエってよー肩書きだけ見ると超大物だからきっと梵加入に相当びびってたんだろうな」
ドラケン君は笑ってオレにそう言ってきた
「だからって銃なんか使って…」
「…三天戦争はもうガキの喧嘩じゃ済まないのかもしれない、金や利権が絡んでみんな目の色が変わってやがる」
ドラケン君の横にオレは並んだ…
「この先どうなっちゃうんスかね…」
「…"マイキー,はこうなる事を見越してたのかもしれないな…
いっちんはどこにも属さないで一人で三天に向き合ってた…
後ろに組を背負って…
あの二人…似た者同士だな…」
「…ドラケン君
ここだけの話…
オレ…少し先の未来が見えるようになったみたいです、見えた未来ではここでオレをかばって千咒が死ぬはずでした。
その最悪の未来は防げた、ドラケン君のおかげです。
これで一つ未来が変わりました!」
"何ボソボソ喋ってんだ,と千咒は疑問符を浮かべていた…
千咒に聞こえないように小さな声でドラケン君へと話かけると笑顔を浮かべていた
「…そうか…よかった」
「オイジブンらも逃げねぇと!人が来たらややこしくなる」
「ああそうだな」
千咒の言葉に納得したオレはその場から去ろうとしたがその場から動かないドラケン君へと振り返った
「ドラケン君?」
「…武道…マイキーに言っといてくれあんまり…世話…焼かせんな…ってよ。
いっちんには…場地といい…
何度も悲しませて悪りぃって…
伝えてくれ…」
「何言ってんすか!?自分で…」
ドラケンはその場に崩れ落ちると地面に仰向けで倒れ、銃で撃たれたと思われる赤い染みが広がっていてその光景にオレは目を疑った…
「オレはここまでだ」
「ドラケン!!タケミっちー!!」
タケミっちーを見つけた私は血を流しながら地面に倒れているドラケンが目に入り駆けつけた
「いっちん!?ドラケン君が!!」
タケミっちーと千咒はケガがなく大丈夫そうだったので地面に倒れているドラケンへと走った
「撃たれてどうすんの、このバカ!!
圭くんとエマちゃんの所になんかまだ行かせないんだから!!」
雨の中走ってびしょ濡れの私を見たドラケンは悠長に笑い、撃たれた傷口から血が流ているのを見てパーカーを脱ぐと傷口を抑え止血した
「いっちん!
今救急車呼んで千咒が従業員に担架頼んでる、絶対助かりますよ。ドラケン君。」
血だらけのドラケンはタケミっちーの震える手をみて"オレは死ぬんだな…,っと言い、タケミっちーは号泣した…
「何言ってんすか!?
そんなワケないじゃないですか!?
明日になったらケロっとしてますよ、そうでしょ!?
だってドラケン君だもん…」
「タケミっちー、担架待ってらんない!
救急車が来る入り口まで私が運ぶ!」
血だらけのドラケンを背中に背負うと雨の中私は走り、タケミっちーは後ろから着いてきた…
「タケミっち自分を責めるなよ?
オマエが過去に戻ってきたせいじゃねぅかんな、オレはオレの意志でここまで来た。
オマエにもらった命…
オマエの為に死ぬんだ。わかったな?」
タケミっちーは泣きながら走り、"はい,っと返事をしたが私は走りながら舌打ちをした
「私もドラケン助けた一人なんだからね、こんな所で…死なれたら困る!
基とご飯食べる約束もあるんだから…」
「いっちん…悪りぃな…
いっちんと出会った頃…小学生でさ…よくケンカして負けてた。
年上ばっか相手してたからな…
負けて地面這いつくばって空見てるとき、なんか全部どうでもよくなって気持ちが晴れた…」
私もタケミっちーも走りながら只々ドラケンの話を聞いていた
「マイキーは知らねぇんだ、この空を…
負けた事がねぇって…
やっかいだよな…
タケミっちいっちん、オレはなアイツが好きだ。
アイツの全部背負い込んでしまうとこもそんでもなんとかしちまうとこも全部…
アイツの背中を…見て…きた…
ゲホッゲホッ…
だからオレがどうにかしてやりたかった」
「もう喋んな!!ドラケン!」
背中に背負っているドラケンへと話すのをやめるように伝えたがドラケンは口を閉じることはなかった
「樹…
こうやって…助けて貰うの2回目だな…
場地といい…泣かせて悪りぃ…
なぁ…?
タケミっち…いっちん…
一個だけ…
ダセェ事…
言っていいか?マイキーを頼む」
タケミっちーは"はい,っと返事をしたが私は頭を縦に振ることさえしなかった…
「あだ名のくせにこんな時だけなーに名前で呼んでんのよ、あのバカを任せられても困るんだから…
タケミっちーとドラケンと私で万次郎連れ戻すんでしょ!!
万次郎の隣にはドラケンがいないとダメなんだから!!」
「オレにとって…オマエは初恋なんだ…
マイキーと一緒…
エマの事は好きだ…でも初恋のいっちんは…
オレにとって特別だった…
樹…好きだった…」
「正道さんが"ケン坊の嫁にこないのか,ってこないだ言ってたや。
私とドラケンって似た者同士だしさ…
結婚は無理だけどさ、万次郎戻ってきたら三人で暮らそうよ!
お父さん役はドラケンで私がお母さん役、万次郎は子供で決まり!
私はカフェ開いて万次郎もそこで働かせてさ、仕事終わったら家でみんなでワイワイ騒ぎながらご飯食べてさ」
「ハハっ…いっちんなら本当に実現しそうだな…」
「だから…ドラケン!
まだ圭くんとエマちゃんの元に行っちゃだめなんだからね…」
「悪りぃな…また泣かせちまってるな…」
ドラケンの心臓の音が走るたびに弱々しくなっていっているのが嫌でもわかり、私は涙を目から流しながら話しかけていた
担架を持った従業員と千咒が目の前から走ってきて出入り口の側には救急車が停まり、救急隊の人へと背中のドラケンを任せた
素早く救急隊の人がストレッチャーに乗せ、救急車の中へと運んだ
その光景をただ見て圭くんとエマちゃんに逝かせないように祈ることしかできなかった…
「お嬢!!龍宮寺堅はどうなったんスか!!」
雨でびしょ濡れのスーツ姿の八雲くんが走って私の元へと現れ救急車の中にいるドラケンに気がついた
「助かりますよね!?」
「残念ながら…もう亡くなっています。」
タケミっちーが救急隊の人に聞くとまさかの返答にタケミっちーは放心状態で立ち、私はドラケンの血がついた手を強く握りしめた…
「八雲くん…
来て早々悪いけど救急車に乗って、私の大切な龍宮寺堅の側にいて…」
「お嬢…わかりました、任せてください!」
私の代わりに八雲くんに救急車に乗ってもらい、私はタケミっちーと千咒が心配だったので二人と残ることにした
「花垣!!」
「え?何?」
「これからどうする?
花垣?」
「…あゴメン、なんだっけ?」
「…花垣…」
千咒が話しかけるが放心状態タケミっちーには届いていなかった、ドラケンが死んだと聞かされて無理もない
ビチョビチョショートパンツのポケットから携帯が鳴ったので取ると獅稀さんからだった
「樹さん撃った六波羅単代の下っ端はどうやら総代のサウスに相談せず独断で実行したようです、サウスのいる場所へと帰り六波羅はそちらに向かってます!」
「下っ端の独断か…
サウスがチャカを使ってバカな事しないってわかってた、それならタカちゃんも動くな…
獅稀さんありがとう!」
「樹さん…
組の奴ら動かします、樹さんさえ命令してくださったら!」
「やっぱりガキの喧嘩にヤクザが手出したら収集つかなくなる、タカちゃん脅す為に口には出したけど…
ありがとう獅稀さん、八雲くんにドラケンの付き添い頼んだからそっちお願いね!」
「樹さん!!」
無理矢理電話を切ると私は携帯電話を手で握りつぶし、涙を流しながら空を見上げたタケミっちーの元に行き優しく抱きしめた…
「いっちん…
オレのせいだ…」
「タケミっちーのせいなんかじゃないよ!!」
放心状態のタケミっちーを抱きしめた私は涙を流し泣いた…
「千咒!!!樹もいたのか!!!
本当にドラケンが殺されたのか!?
くそ!なんでこんな事に!!」
タケちゃんがドラケンが殺されたと聞いて梵達を引き連れてやってきた…
「武臣…」
「六波羅単代今から潰すぞ」
「何いってんだよ武臣!!」
「ベンケイ、梵全員大至急招集しろ!!」
「オウ!!」
「武臣!!正気かオマエ!!?
今日はダメだ!!」
「あ!?じゃあいつならいい!!?」
「わかんねーけど今日じゃねぇ!!」
「じゃあこのまま引き下がんのか!!?
ドラケン殺されてんだぞ!!?
いいか!?千咒!!
もうこれは"誰が一番強ぇか,みてぇなガキの喧嘩じゃねぇ!!」
「違う、そんなのジブンの望んでいるカタチじゃねぇ」
「それをぶち壊したのは"六波羅単代,だ」
武臣と千咒が言い争いをしている中私は只々雨に打たれながらタケミっちーを抱きしめていると六波羅単代の総代サウスが仲間を引き連れて現れた…
「オイオイオイ、随分盛り上がってんじゃねぇかよ!?
こっちから出向いてやったぜ!?
ドラケンの"鎮魂歌,によぉ!!!」
サウスの登場に千咒は"六波羅単代,と呟き驚いていた…
「はじめようぜ、最終戦争(ハルマゲドン)」
「上等だ、ここで終わらせてやる」
私は涙を拭くとタケミっちーから離れ、サウスとタケちゃんの間へと割り込んだ
「サウス…
ドラケン撃った奴らは君の命令で撃った訳じゃないんでしょ?
だけど下っ端といえ貴方の仲間…
総代である君は引き下がれない…
はぁ…本当くだらない…
タケちゃんも"ドラケンが殺された,って理由でみんな動かして楽しい?」
ケラケラ笑う私を両者とも黙って聞いていた
「テメェら…いい加減しろ。
やられたからやり返してまたその繰り返しじゃねぇか!!
チャカなんか一般人が簡単に買えない、誰かが裏でこうなるように仕向けた…
サウス…ドラケン撃った奴はちゃんと自首させろ、それが筋ってやつだ。
梵もそれで納得しろ、それでも双方納得できないならお前ら全員私がぶっ潰す!!」
私が出す殺気に梵も六波羅単代の奴らは震えていた…
すると懐かしいバイク音が耳に入り、私もサウスとタケちゃんも万次郎のバイクが近づいている事に気づいた
振り向くとバブに乗り関東卍會の特攻服に身を包んだ万次郎が現れた…
「万次郎…」
「…マイキー君」
放心状態だったタケミっちーも万次郎の登場に我に帰った
万次郎の後ろには関東卍會の特攻服に身を包んだ厳つい男達がバイクに乗っており、ココや春千夜くんなど顔見知りのメンバーもいた…
「3チームが揃っちまった」
「おもしれぇ」
千咒は三天がその場に揃ったことに悲観し、サウスは関東卍會の登場に闘志に火がついていた…
「だめだ…マイキー君。
今…君は戦っちゃダメだ…」
タケミっちーは呟くと武臣が大声で叫んだ
「悪いが樹、仲間が殺されてんだ。
やんなきゃこいつらは治らないぜ、ドラケンの弔い合戦だ!!!」
「樹…
もう止まれない…
三天戦争おっぱじめんぞ!!!」
「全員ぶっ殺せ!!!」
タケちゃんのいる梵とサウスのいる六波羅単代、春千夜が叫ぶと仲間達は双方雄叫びを上げ一斉に乱闘が始まった