高校二年生
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携帯電話が鳴る音が聞こえ頭を押さえながらまだ眠く重い瞼を開くと八戒と千冬からメールが来ていた
"学校休んでるけど大丈夫か?
パーちんとこの不動産屋に遊びに行ってくる!いっちんに会いたいぜ!,
"いっちん熱出てんの?大丈夫か?,
そのメールを見てハッとした私は時計を見ると昼を通り過ぎてもう授業が終わり下校する時間となっていた
「マジか、飲みすぎて起きれなかった…」
学校にはきっと獅稀さんが連絡してくれたんだろう…
大体昨日蘭と竜胆と飲んだ後、屋敷に帰って来たのはいいけど記憶ぶっ飛ぶぐらい飲まされちゃったし
そりゃ朝起きれないわ、今日はバイトもないしもう一眠りしよ…
携帯を閉じて再びベッドの中に包まろうとすると、何故か布団の中から腕が伸びてきて私を引っ張ると抱きしめ押し倒した
「お嬢おはようございます、そろそろ起きて俺とHしましょうよ♡ちゃんと服抜いで、しかもお嬢の寝顔眺めてたんでもう勃っちゃて準備OKッス♡」
「八雲くん、なんで私のベッドの中に裸でいるの…」
「お嬢が大好きなので部屋に忍びこんだんッスよ。お俺はお嬢に拾われたあの日から一目惚れしてお嬢しか見えないんッスよ、女抱いてても勃たなくて…お嬢抱いてるって思うと勃つんですけど、俺お嬢以外勃たないんッスよ!お嬢俺と結婚してください!」
全裸の八雲くんは下着姿の私の首元に蹲るといやらしく舐め、そそり立った物を私の大事な場所にショーツごといやらしく押し当ててきた
「んッだめ…八雲くんとりあえず離れて」
「お嬢のその妖美な顔、ヤバすぎるっス…」
押しのけようとする私の腕を八雲くんは押し付けて口にキスをしようとした…
だが獅稀さんがいつの間にか私の部屋に入りシーツをめくり、押し倒している八雲くんを外の中庭まで投げ飛ばした
「八雲お嬢の部屋に入るなと何回貴方に伝えればその小さな脳みそは理解するのでしょうか…樹さん毎回八雲がすみません」
「獅稀さんおはよ、助けてくれてありがとう。八雲くんも毎回懲りないね、その根性には脱帽だわ」
ベッドから起き上がると獅稀さんは私の下着姿を見ないように中庭の方を向き、私はクローゼットからデニムのショートパンツを履き黒のタンクトップを着てシースルーのロングのカーディガンを羽織ると部屋を出て廊下に出た
中庭の池まで飛ばされた八雲くんは全身びしょ濡れで池から上がってきた
「獅稀さん投げ飛ばしすぎッスよ、でも水も滴るいい男になったッス!お嬢一緒にお風呂入りましょうよ!」
「はぁ、八雲と比べたら裕翔がまともな子に見えますね…樹さんにその汚い裸を見せびらかすずにさっさと風呂に行きなさい」
「獅稀さんも八雲くんには手を焼いて大変だね、私はもう着替えたからいいや。珈琲淹れて待っててあげるからお風呂早く行ってきな」
「お嬢とティータイム♡はーい!風呂行ってきまーす!」
全裸の八雲くんは風呂場へと走っていきそれを見た私と獅稀さんは顔を見合わせて笑い、廊下を歩き屋敷の台所へと向かった
組の者達は私を見ると"お嬢、おはようございます!,っと通るたびに挨拶され、私はその度に手を振り挨拶をした
部屋に入るとテーブルに新聞紙を広げて基が煙草を吸っており私に気づくと煙草の火を消し抱きついてきた
「樹おはよ、昨日飲みすぎて起きれないだろうと思ったから学校には獅稀が休むって連絡してる。樹は何着ても似合う♡」
「ありがと!昨日飲みすぎて頭痛い、最後何飲んだか覚えてないし」
抱きついてきた基を無理矢理引き離して二日酔いで頭が痛い私は椅子へと座り、台所にいる組の男に獅稀さんが珈琲を淹れるように頼んでくれていた
「まぁ親父に爺ちゃんがお前を囲って酒を飲ませてたからな、八雲も樹が屋敷にいるからテンションいつもより高いし賑やかで面白かった」
「若、八雲の素行には頭を悩まされますよ…」
「クククッ、獅稀でも八雲は手に負えないか。だが武闘派の組の連中の中であっという間に一番になり、獅稀と俺の隣に立つ男になった。八雲は樹を大好きすぎて頭狂ってるが、若く才能のある奴だ。八雲が組に突然押し掛けて来たあの出会いは組の伝説だな、今思い出しても笑いが止まらない」
基は口を押さえて肩を震わせて笑っていた
「八雲くんとの出会いか…懐かしいね」
八雲くんとの初めて出会ったあの日のことを私は思い出していた…
中学三年生の冬、万次郎と別れてバイトしながら受験勉強をこなしていた私…
いつものようにバイトが終わり帰っていたら道路で30人のチンピラを一人で殴り倒している八雲くんを見つけた
男達は全員八雲くんにビビって逃げ出し殴っていた拳からは血が流れ、私を見ると睨みそれはまるで一匹狼のようだった…
「強いけど殴りすぎて手血がでてるよ」
「触んな!!」
手を触ったのが気に入らなかったようだが私の握る力を振り解くことができず、驚きつつ渋々大人しくなり私はハンカチを巻き付けてあげた
「これでよし、家に帰ったらちゃんと消毒するんだよ」
応急処置をした私はその場を去ろうとしたが八雲くんは道路に座り込み"帰る家なんかねぇよ,っと呟いたのが耳に入り私は足を止めた
「居場所ないの?なら家においで、雪も降って来たし風邪引いちゃうよ」
「お前…バカなのか?さっきチンピラボコボコに倒したの見てただろ、普通怖がるだろ」
「怖くないけど?大体そういうの慣れてるし君に倒される程私は弱くないから大丈夫!帰る家ないなら私の家使いなよ、使ってない部屋あるし!ほら行くよ」
目が点な八雲くんを強引にマンションへと連れ帰り、それから一緒に過ごしていく内にツンツン尖っていた八雲くんはいつの間にか今の八雲くんみたいになった
私が受験を終えたその日に基のいる神水流組の屋敷に一人で乗り込みと"樹と結婚したいので組に入らせてください!,っと基に直談判したときは私が驚き開いた口が塞がらなかったな…
そんな流れで組に入った八雲くんはいつの間にか武闘派の組の者の中で一番になり、参謀の獅稀さんと基の隣に立つ位にまでなっていたんだよね
「最初はツンツン尖った犬だったのに今は変態になっちゃったよ、美男子だからモテるだろうに中身がちょっと問題なんだよね…」
「お嬢♡親父となーに話てんッスか?俺はお嬢に拾われたあの日、一目惚れしたんですからね!中身もイケメンしょ、フェロモン垂れ流し男子って女達からは噂されてんッスからね!」
お風呂から出て来た八雲くんはズボンは履いていたが上半身裸で背後から抱きついてきた
「はいはい、珈琲淹れてくれたから飲むよ。ほらちゃんと椅子に座って」
"はーい♡,っと言い私の言う事を聞いて大人しく椅子へと座り、珈琲を組の者が運んできてくれたのでみんなで一緒に飲んだ
「それよりも樹、武臣の奴がお前を梵(ブラフマン)に入れたがってるようだが。梵はヤクザに近い大人の愚連隊だ族とは違う、武臣が誘ってきても俺は絶対許さないからな。もし武臣が樹に何かしてくるなら今回ばかりは俺達も関わらせてもらうからな」
「もしタケちゃんが何かしてきたらね…タケちゃんに頼まれても入らないよ、梵・六波羅単代・関東卍會、どれも味方するつもりない。私は万次郎のあのバカの目を覚ます為に動くだけだから」
「武臣は恐らく真一郎の黒龍のメンバーだった今牛若狭(いまうしわかさ)と荒師慶三(あらしけいぞう)も梵に入れてる。俺は真一郎と仲良かったが黒龍には入ってなかった…まぁ前の東卍のときの樹みたいに何かあったときは助けに入ってたから、ワカとベンケイの強さは理解してる。万次郎を関わるなら梵も自ずと関わる、無茶はするなよ」
「ワカちゃんとベンケイちゃんか…懐かしいね、小さい時よく遊んでもらった。タケちゃんとワカちゃんには昔クラブで出会ってからは音沙汰ないから安心して。まぁタケミっちー帰ってきたし、なんとかなりそうな気がするんだよね」
ティーカップに入っていた珈琲を飲み干し、カップを置いた
「梵って元黒龍メンバーもいるんスか、梵と言えばB-1を生業にしてより優れた精鋭部隊を創り上げてる超戦闘型愚連隊ッスよね。まぁ俺達の敵じゃないっスけどね、精鋭部隊の中でも最強にして頂点に君臨する瓦城千咒。お嬢の方が最強に相応しいけど♡」
「瓦城千咒とは戦った事ないから女で梵の首領だからね、一筋縄じゃいかないかも。」
「梵の首領って女だったんッスか!?」
「そうだよ明石武臣の妹で本名は明石千壽(あかしせんじゅ)、ちなみに関東卍會の三途春千夜くんもタケちゃんの弟なんだよね。あそこの兄弟も複雑、千壽は昔何回か会ったことあるけど向こうは覚えてないかもね」
ポケットに入れていた携帯電話が鳴ったので開くとドラケンからメールがきていた
"いっちんのバイトのアップルパイホールで買ってきてくんねぇ?,っと連絡が来たので"了解,っと送りバイト先へと電話し裕翔くんにアップルパイを取り置きしてもらった
八戒と千冬にも"今日はズル休み、大丈夫だからね,っとメールを送った
「基帰るね、ドラケンとこにアップルパイ配達しなきゃ行けなくなった」
「龍宮寺堅か、あいつ武臣の梵に入ってんだろ。気つけてやっとけよ、あいつはいい男だったからな」
「へぇ〜、ドラケンのこと気に入ってたんだ。意外」
「樹さん車回してるので店に寄って龍宮寺堅のバイク屋まで送りますよ」
いつの間にか獅稀さんが車を門に回して準備してくれていた
「お嬢と俺も一緒に行きたいッス!!」
「さすが獅稀さんありがとう、八雲くんは基とお留守番ね。あんまり獅稀さん困らせちゃだめだよ」
駄々っ子の八雲くんの頬っぺたにキスをすると大人しくなり、基の隣に放心状態で固まっていた
「樹またいつでも帰ってこいよ」
「はーい、またね!」
基と組の連中達に手を振ると屋敷を出て獅稀さんの運転でバイト先へと向かった
カフェへ着き店に入ると何人かお客さんがいたが私に気づいた裕翔くんがアップルパイの入ったケーキの箱を持ってきてくれてお金を払い受け止った
「お嬢アップルパイホールで入ってますからね!獅稀の兄貴お久しぶりです!」
私の後ろにいた獅稀さんは裕翔くんを見るなり無言で抱きき、それを見たカフェにいたお客様達はイケメン同士の抱擁に騒ぎ立て顔を真っ赤にしていた
「お嬢…これどう言う事ですか…?」
「裕翔、お前がいかに優秀だったか今になって理解したよ…裕翔を見たら抱きしめたくなった、申し訳ない」
「獅稀さん八雲くんの事で結構大変みたいなの、許してやって」
「冷静沈着な獅稀の兄貴なのに…八雲の奴どんだけヤバい奴なんだよ!!」
裕翔くんは笑いながら獅稀さんの背中を優しく撫でてあげていた
「基から八雲って奴の話はよく聞いてるよ、獅稀も大変だな。まぁ甘い物でも飲んで頭柔らかくしろ」
「私とした事が裕翔を見て取り乱して申し訳ない、ありがたくいただきます」
そんな獅稀さんを見かねた伍さんが抹茶ラテをお持ち帰りで作ってくれて私と獅稀さんは車に乗りドラケンのバイク屋まで向かった
雨がポツポツ降り出しこの時の私はまさかタケミっちーか六波羅単代と梵の奴らに巻き込まれていることなど知りもしなかった…
獅稀さんにお礼を伝え車から降りてバイク屋に入るとドラケンとイヌピーも何故かいなかった…
「鍵も閉めずに二人とも店に居ないなんてどう言うこと…なんか嫌な予感がする」
アップルパイを机の上に置きドラケンに電話をかけるが取らず、胸騒ぎがした私はバイク屋から出て雨の中を走り始めた
すると何故か車が渋滞していて何かあったようだ…
渋滞の先まで走ると凄い数のバイクと特攻服と黒いフードを被った人達が交差点を占領していたのが目に入った