私のお淑やかライフ崩壊
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
私を産んだ母はあるとき離婚届と幼い私を家に置き去りにし行方をくらませた
置き去りにされた日の事を私は今でも覚えている…
大好きなお菓子を袋いっぱいに入れて私に渡すと
「樹ママは行かないといけないから…パパが帰ってくるまでお菓子食べながら待ってるのよ」
いま思えば二才の幼児にお菓子を与えて部屋で一人にさせるなどありえん
二才にしては大人しく我ながら出来た子供だったな…
母はそう言って出て行くと、私は母の言う通りに父が帰ってくるまでお菓子を食べながら大人しく待っていた
仕事から帰ってきた父は泥まみれの作業服で部屋へと入ると一人ぼっちでいる私に驚き、机の上に置いてあった離婚届の用紙に気づくと涙を流しながら幼い私を抱きしめ何度も謝ってきた
少し怖い顔の父が赤子のように泣き叫んだのはあのときだけだ…
そのあとは父と私は二人でなんとか生活し、幼かった私も今では中学生になった
過保護な父は幼い頃から口煩い面があるので、よく喧嘩はするが世間から見れば仲のいい方だと思う
父の仕事場私一人で家にいるこが多いので、父がいない時に何かあってはいけないと思ったようで
自分の身は自分で守れるようにと父が武道を習わせてくれたお陰で、剣道柔道空手に合気道を取得している…
喧嘩してムカツクときもあるが、私を育てるためにトラックの運転手で汗水流して稼いでくれていることには感謝している
2DKのボロアパートに父と暮らしているのだが、長距離ドライバーなので久しぶりに今日父が帰ってくる
貧乏だが貧乏なりに久しぶり顔を見る父にカレーでも作ってやろうと、私はスーパーから帰宅中なのだ
両手に袋を持って歩いていると、幼馴染というか弟的存在の山本タクヤがボコボコな姿で目の前をフラフラしながら歩き私に気づき微笑むと倒れた
「タクヤ!!そのケガ…誰にやられた!?」
両手に持っていた袋を投げ捨てると、私は倒れたタクヤの血だらけの顔をハンカチでそっと拭いてあげた
「樹にバレないように帰ろうとしたのに会っちゃった…痛ッ」
「身体弱いくせにやんちゃしすぎ。今回は一番ケガが酷い…ほら、手当してあげる」
倒れているタクヤを簡単に肩に抱き上げると、投げ捨てた袋を拾い私のアパートに連れて帰った
武術を習っいた私はそこら辺のひ弱な男共より力があるので、タクヤを抱いて運ぶ事など朝飯前だ
部屋に入りタクヤを下ろして救急箱を取り出し、消毒液を傷口へと吹きかけると
傷口に染みるようでタクヤは痛そうに顔を歪めたが、泣き言を言わずに我慢しているようだ
「とりあえず消毒して絆創膏貼ったよ。タクヤは喧嘩も強くないし、身体弱いのに…タクヤと連んでるタケミチって奴が無理矢理やらせてわけ?」
絆創膏を貼って最低限の手当だけやり終わり救急箱を片付けると、タクヤのケガの原因を聞くことにした
「タケミチはそんな事しないよ!ちょっと今回は喧嘩の相手がやばかっただけだから…」
タクヤは下を向いたままそれ以上は喋らないようだ…
タクヤのやられ具合を見たところ…
喧嘩した相手は何倍も強かったことがわかる
タケミチって子たちも同じようにボコボコにされちゃったんだろうね…
「ヤンチャすんのも程々にね。喧嘩は死ぬ可能性だってあるんだから…タクヤが言いたくないならこの話はお終い!」
「樹ありがとう。もしかして今日はお父さん帰ってくる日だった?」
喧嘩した相手を私に話したくなかったタクヤは謝ると買い物袋に気がつき、父が帰って来ることを察した
「久しぶりに帰ってくるから、基の好きなカレー作ってあげようと思ってさ。タクヤもついでに食べて帰る?」
「いやいいよ、久しぶりに帰ってくるんだろ?邪魔しちゃ悪いし、樹のお父さんに会うのは少し怖いしね…手当ありがとな!」
「別に邪魔じゃないんだけどな。タクヤも待ってるから家族がいるからね、またね!ちゃんと病院で診てもらいなさいよ!」
樹は俺の姉ちゃんか?とタクヤは笑うと腰を上げ家へと帰って行った
あのケガ…
重傷レベルのケガだった
左腕全然動いてなかったのを見ると、折れてると思うんだよね…
一体どんな不良と喧嘩したらあんなボコボコにされるんだ?
タクヤの身体のケガを思い返しながら野菜を切りカレーを作り始めた
そういや学校の男子達がなんか言ってたな…
まんじかい?がなんかやばい奴らだって
まさかタクヤ達…
そいつらに手出しちゃった感じ?
はぁ…
私の予想通りだったらタクヤ達ひよっこチームはマジでやばい
鍋の中の野菜が煮詰まったのでカレーのルーを入れかき混ぜた
すると玄関が勢いよく開き、仕事着を着た父である基が口をタコにし両手を広げて帰ってきた
「樹♡ただいまー!!パパーンが帰ってきたよ!久しぶりの再会のギューして!」
「誰がするか!」
「あちあち!!それは反則だって!!」
カレーを混ぜていたお玉を父である基の顔に躊躇なく当てると、熱かったのかすぐさま蛇口から水を出し顔を洗った
基の顔に当てしまったお玉を綺麗に洗うと、ご飯を皿に盛りカレーをかけ机に置いた
「ご飯できたよ。おかえり、基」
お腹が空いた私は座ると基も顔をタオルで拭き、ただいまと言って白い歯を見せて笑った
「ツンツンな樹もパパは大好きだぞ♡思春期なのはわかるけどさ、小さいときみたいにパパって言ってほしいな♡基って呼ばれるのはちょっと…」
「若いんだし父さんより名前で呼んだ方が仲いい感じでよくない?お腹すいたから食べよーっと!いただきます。」
「それもそうだな♡父ではなく彼氏として見られるのも悪くない。もときくん♡でもパパはいいぞ♡」
「却下」
父である基を無視して私はカレーをひたすら食べた
基も私の隣に座り手を合わし樹の作ったご飯は最高♡と叫びながら嬉しそうに食べ始めた
父である神水流基(かみづるもとき)は15歳の時に母との間に私を作り、世間でいうできちゃった婚をした
29歳の父は娘の私がいうのも変だが…
父には見えず学生でも通るように若く綺麗な顔立ちでイケメンだ
髪は黒いが顔立ちが綺麗なのでよくナンパされるのだ…
買い物などに行くと隣に私がいるのを見て女達はまさか娘だとは思わず、よく妹として見られていた
イケメンだしまだ若いのだから再婚でもすればいいのに…
娘である私を異常なほど溺愛しているため、今まで女の影すらみたことない
まぁ私の為に女は作らないのだろうと私ながらに感じとってはいる…
父も若いして親になったので昔はやんちゃしていたらしい
昔の写真を見ると厳つい男共との写真ばかりだ
私も父も食べ終わったので一緒に皿を洗うと銭湯グッズを手に持ち、父が行くか!と玄関を開け外へと出た
今時珍しいがこのアパートには風呂がないのだ…
トイレはあるのだが、身体を洗う為にはいつも銭湯に行かなければならない
不便だが家賃が安いのだから文句は言ってられない、まぁ銭湯は嫌いじゃないし私は風呂がなくても気にする性格でもないので苦ではない
「樹、最近学校はどんな感じなんだ?まさか…男できてないだろうな…?」
楽しそうに隣を歩いていた基が般若の顔で私に質問してきたのでないないとあしらうと、安心したのかよかった♡とまたいつものニコニコ笑顔になり歩き出した
「樹、ちゃんと洗ったら待ってるんだぞ!」
「あのね、もう小さい頃の私じゃないんだからね。ちゃんと待てるわよ」
いつも利用している昔ながらのオンボロ銭湯に着くと私は女湯へと入り、基は男湯へと向かった
「樹ちゃんじゃない、今日はお父さんと入りにきたのかい?」
「樹ちゃんまたおっぱいおっきくなったんじゃない?若いのはいいね」
「おばちゃん、それセクハラだからね。基帰ってきたから今日は二人で来たんだよ」
小さい頃から利用しているので銭湯のおばちゃん達とは家族みたいなもんだ
服を脱ぎ風呂へと入ると身体を綺麗に洗い、湯へと浸かった
「樹ちゃん、今日はお父さんがいるから安心だけど。最近この辺も不良達のグループがうろちょろしてるからね。おばさん心配だったんだよ」
ぽっちゃりおばちゃんの恵子さんが私の隣に入ってきた
「恵子さん心配してくれてありがとう。でも私こう見えて強いから、何かあっても自分の身は自分で守れるから安心して。」
「樹ちゃんは女の子だからね…気をつけるんだよ」
恵子さんに大丈夫だってとウィンクして湯から出ると服へと着替えた
昔ながらのコーヒー牛乳を買うと蓋を開け喉を潤わせた
自意識過剰だが、心配されても私はやられることはまずない…
過保護な父のおかげで幼い頃から鍛えられた私はそこら辺の不良共より強いのだから
まぁこんな見た目じゃみんなわかんないだろうけどね
飲み終わった瓶をゴミ箱に捨て銭湯から出た
「樹の風呂上がり姿はやばい♡パパにしか見せたらダメだぞ♡」
どうやら基の方が先に出てたようで、出てきた私に抱きついてきた
「彼氏とかいないから安心しなさい。私まだ処女だし、もし卒業したらちゃんと基に報告してあげる。」
その言葉を聞いた基は大泣きして処女捨てちゃダメ!っと大声で泣き喚いた
恥ずかしい私は泣き喚く基を引きずりながらボロアパートへと帰った
1/5ページ