宵祭り
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二〇一八年 十月三十一日 十九時
東急百貨店 東急東横店を中心に
半径およそ四百㍍の帳が降ろされる
二十時十四分
東京メトロ渋谷駅十三番出口側(帳外)
そこには七海班
七海健斗、猪野琢磨、伏黒恵の三人が立っていた
「一般人のみが閉じ込められる帳です。一般人は侵入のみ、窓には個人差が術師は補助監督役含め出入りが可能です。」
補助監督の伊地知さんが三人へと説明した
「電波は?」
「絶たれています」
「連絡は帳を出て行うか、補助監督の足を使ってください」
伊地知さんの話を聞いた七海は
「随分と面倒なことになっていますね。で、この幼い姿の由奈さんは何ですか?」
伊地知さんの隣に立っている幼い姿の私へと指差した
「それ俺も気になってました!」
幼い私は七海くんと恵へと手を振り、説明し始めた
「七海くん、これは紫電呪術で作った幻影。その名もミニ由奈だよ〜
戦闘は不可、ただの通信機だと思ってくれたらありがたい。
ミニ由奈と本体の私が繋がってて、ミニ由奈の眼で捉えた呪霊達を本体の私が呪霊感知し。
本体の私が紫電呪術を使い、祓うって作戦!
意思疎通ができる呪霊は流石にこの技じゃ祓うのは難しいからね〜雑魚だけ。
あと情報を共有し、本体の私に随時伝達できる!
ミニ由奈がいる場所へは本体の私が移動ができるけど、戦闘中と敵に捕まっているときは移動と情報の伝達もできない所が欠点だね」
それを聞いた七海はため息をついた
「規格外なその力、さすが特級呪術師ですね
」
「七海くんが褒めてくれるなんて、嬉しいな〜」
ミニ由奈の立っている地面に電流が走った瞬間、本体の私が七海班の前に現れた
真っ直ぐ恵の元へとむかうと自分の舌を噛み、口の中で血が流れたのを確認すると
恵へとキスをし、血だらけの舌を恵の舌と絡ませた
突然のことに七海と琢磨は二人の濃厚なキスに見ないように目を逸らしていた
由奈の予想外の行動に恵は私を無理矢理引き離した
「由奈!何してんだ!?」
「恵の身体に私の血を交わらせないといけなくて、少し強引にしちゃった〜ごめんね!これは私が恵を助けることができなかった時のもしもの保険なの…あの子達には伝えてある、扱い方は教えてくれる。じゃ、忙しいからまたね!」
言うだけ言うと、その場から私は消え去り
「あのバカ。」
あんなエロいキスして逃げやがった!
恵は私にキスされ、顔が真っ赤になっていた
同刻
渋谷マークシティ
レストランアベニュー入り口(帳外)
禪院班
禪院直毘人、禪院真希、釘崎野薔薇
三人が新田ちゃんの話を聞いて待機していた
「フッ、非術師が奴を知っているわけがない。言わされているな。で、このガキもついて来るのか?」
真希と野薔薇の間に立っているミニ由奈を鬱陶しそうに指差してきた
「禪院の屑ジジィ、私にその汚い指を向けないでくれるかな?真希と野薔薇の為に用意したんだからね、アンタは知らなーい。」
私の言葉に禪院直毘人は一瞬苛立ちを見せたが、豪快に笑っていた
「由奈と悟ぐらいだぞ、あのジジィに啖呵切れる奴は」
「やっぱ由奈さんは凄いですね!」
「やった〜!野薔薇に褒められた〜」
褒めてねぇよっと真希が突っ込んだ
同刻
JR渋谷駅 新南口(帳外)
日下部班
日下部篤也、パンダ
篤也は棒付きの飴を舐めながらパンダと座っていた
「上は被害を最小限に抑えるために、五条悟単独での渋谷平定を決定したっちゅーワケだ。俺達と七海、禪院家のジジイ…それから冥冥に由奈だな。みーんな帳の外側で待機。五条のこぼれ球を拾うってわけだ。帳に入ると連絡つかねぇし。」
篤也の言葉にパンダは腑に落ちない表情をした
「被害を最小限って、術師の被害のことだよな?一般人の被害はおかまいなしか?」
「そうつっかかんなよ、去年のクリスマスと違ってもう事が起こっちまってる。俺もこれが最善だと思う。それにさっき帳の内側を見てきたが平和なもんだったぜ、一般人がパニクっちゃいたが。呪霊や呪詛師が殺し回っているわけでもない、現状ただ一般人が閉じ込められてるだけだ。
ただ俺はもう中に入んのは正直ごめんだね。」
「なんでだ?」
「アレはヒカリエかなぁ、おそらく特級呪霊がゴロゴロいる。」
「パンダに篤也、こぼれ球拾うだけじゃなくなると思うよ〜敵さん、頭回るからね〜ちゃんと働いてよ!特に篤也!」
ミニ由奈を見た篤也とパンダは愛らしい私を見てほっこりしていた
「幼い由奈もこれはこれでいいな」
「由奈は義理の姉だから、変な目でみるんじゃないよ」
「パンダ。私と貴方は夜蛾先生に育ててもらったから、兄弟同然。夜蛾先生のことは任せたよ〜」
パンダは親指を立てて、任せろ!っと叫んだ
幻影達が各々班へと現れている時、悟と本体の私は帳の外で抱き合っていた
「屑共の決定とは言え、悟一人で行かせたくないんだけど。私も行っちゃダメ?」
「珍しく由奈が駄々っ子ちゃんになってるー、可愛すぎ!大丈夫、俺最強だからね。それに、術師を入れない帳があるからね。由奈の千紅万紫も封じられてるから行けないよ、お留守番!」
悟は私に安心させるかのように優しいキスをした
「悟、大好きだよ。悟これだけは覚えておいて…悟の魂の声が答えだからね。いってらっしゃい、気をつけてね」
悟へと私からキスをすると、悟は満面の笑みでその場から消え
道玄坂二丁目東 帳内へと向かった
二〇時三十一分
道玄坂二丁目東(帳内)
五条悟 到着
二十時三十八分
渋谷ヒカリエS hinQs 地下一階
悟は見下ろすと、一般人が閉じ込まれていることを確認した
「こりゃひどい」
この下を中心に外と同じ、一般非術師を閉じ込める帳が降りているのか…
非術師達の頭上を飛び越えた、ポケットに手を入れすぐ真下の線路を見つめた
「なんとなく狙いは分かったかな、乗ってやるよ」
その頃、冥冥班の悠二は青山霊園で叫んでいた
二十時三十九分
青山霊園
冥冥班
冥冥、憂憂、虎杖悠二
「また思ってもないことを、姉様が愛でているのは家族ではなく家族という雇用関係でしょ?」
「フフ…よく分かっているじゃないか、そういう所好きだよ」
「まっ!!」
冥冥と憂憂の独特の世界観に悠二は冷たい目で眺めていた
「あの二人は気にしたら負けだよ、悠二〜」
ミニ由奈どんまいっと言うと、悠二の肩を叩いた
「由奈ー!!俺この班でやってけるかな…?」
「大丈夫、冥ちゃんは強いからね〜憂ちゃんがいたらあんな感じだけど…まぁ慣れたら大丈夫!」
冥ちゃんは誰かからの電話を取り話終わると、悠二を呼んだ
「明治神宮前駅に渋谷と同様の帳が降りた、私達はそちらに向かう。走るよ、ついておいで。」
「押忍」
悠二は冥ちゃんと憂ちゃんの後をついていく為、走り出した