起首雷同
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野球の試合が終わった後、私は例の呪詛師が捕まえられている部屋へ訪れていた
「由奈さん、捕らえた呪詛師は少しおかしい方なので学生である貴方に何かあってはいけませんので、私も部屋に入りますね。」
「大丈夫なのに、伊地知さんは優しいよね。ありがと〜」
伊地知さんが鍵を開けてくれ、一緒に中へと入った
呪詛師は部屋の真ん中で逃げられないよう、首と腕へと縄で厳重に結ばれていた
呪詛師は私に気がついたようで目が合った
「これまたグラマラスな女が面会に来てくれたな、ハンガーラック作りたかったぜ。」
「頭イッテルね〜大好きなハンガーラックはもう作れないでしょ。悪いけど、貴方じゃなくて貴方の眼に用があんの〜」
紅眼を発動すると呪詛師の眼を覗いた
辺り一面砂浜と透き通った海が広がっていた
呪霊の領域内か…
なんて穏やかな領域
こんな呪力の高い呪霊がいるなんて、見たことない…
あのツギハギ呪霊とこないだ高専に侵入してきたお花ちゃんの呪霊がのんびりと砂浜にパラソルを立て
椅子の上で昼寝をしていた
側に一つ目の火山頭の呪霊に海の中にはクラゲのようなタコのような呪霊が見えた
そして呪詛師が言っていた性別不詳のオカッパ頭がパラソルの後ろに立っていた
呪霊とオカッパだけ?
呪詛師がいない…
「由奈」
過去の映像なのに私を誰かが呼んだ
その声は…
真人の横に袈裟に身を包んだ死んだはずの大好きな人が立っていた
「由奈、私を見たのは秘密だよ」
傑は口に指を当てシーっと私に言うと、強制的に紅眼の過去を見る力がシャットアウトされた
その瞬間目に痛みが走り、私は呪詛師の足元で蹲った
どうして、傑が生きてるの
しかも私の紅眼は過去は見れてもこちらからもあちらからも干渉できないはず…
なぜ干渉できた?
あの傑…
一体何
私は先程の映像を見て困惑していた
両目から血が出ている私に伊地知さんは大丈夫ですか!っと駆け寄ったが
その手を払い除け、呪詛師の首を掴み締め上げた
「おい、一体どう言うこと!?何故お前たちと一緒にいる!!答えろ!」
呪詛師は女の私の馬鹿力に驚き、力が入り絞まる首に成す術がなく
泡を吹き出した
「由奈さん!それ以上はいけません!殺してしまいます!!」
伊地知さんの言葉に私は我を取り戻し、呪詛師の首から手を離した
呪詛師は咳き込んでいた
「ゲホッゲホッ!!っ、俺は、なんも知らねーって!なんて力だ…」
由奈さんが本気でキレて呪詛師を殺しかけた…
女性で学生の由奈さんが大人のしかも筋肉質なこの呪詛師の首を締め上げるあの力…
さすが特級術師
伊地知さんは私に眼の血を優しく拭いてくれた
私は伊地知さんに目閉じててと言い
「伊地知さん、この呪詛師捨て駒だから対した情報入ってないわ。アンタはもう用済み」
呪詛師の首を一撃で払い落とし、呪詛師は死に辺り一面血だらけになった
「由奈さん…目は開けない方がいいでしょうか?」
私の殺気に伊地知さんは目を閉じたまま震えていた
「そうだね〜あまり見ない方がいいかも。手繋いであげるから、そのままね〜」
いつもの軽い感じの喋り方に伊地知さんは少し緊張がとけたようで
私と手を繋ぎ、部屋から出て行った
部屋から出ると、野球の審判をしていた悟が壁にもたれて私を待っていた
返り血を浴び、眼から血を流す私に悟は驚いていた
「由奈、なんで伊地知と手繋いでんのー!」
「五条さん、突っ込むのソコじゃないですよ!」
「伊地知、マジビンタね」
バシッと伊地知さんへと本当にビンタをした悟
「伊地知はもういいよー、帰った帰った」
悟にビンタされた伊地知は酷いっと呟きながら叩かれた頬を摩り
その場から消えた
「冗談はこれぐらいにして。由奈が殺しちゃうなんて珍しいね」
「あの呪詛師、紅眼で覗いたけど対した情報なかったからいらないでしょ〜」
手についた呪詛師の血を払い落とすと、ポケットから煙草を取り出し火をつける吸い始めた
「そっかー、それなら仕方ない。で、その眼は自分の血だよね?」
悟は私の眼から出ていた血に反応した
「敵さん、やばいね〜私の力攻略しすぎ。覗いてたら干渉されて強制的にシャットアウトされた。こんなの初めて…」
悟は私の眼から出ていた血を舐め取り、私の口から煙草を退け
唇へとキスをした
血のついた舌を私と絡め、私の口の中は血の味が広がった
「他には?なんかあったんじゃない?」
悟の言葉に私はあの出来事を伝えようか悩んだが
口に出すことをやめた
「ただそれだけだよ〜さて、返り血を浴びたまま高専内歩いてたら真希達驚くからシャワー浴びてくるね!」
きっと悟のことだ…
私が何か見たのだと確信してる…
けどまだ本物の傑なのか、あの一瞬じゃ確証出来なかったから
悟には言えない…
悟はいってらーっと笑って私を送り出してくれた