幼い私の世界
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朝起きて傑お兄ちゃんが昨日着ていた私の洋服を洗って乾かしてくれていたので、それに袖を通した
四歳だが自分の着替えができている私をみた傑お兄ちゃんは感心して、悟を見習わせたいよっと呟くと着替え始めた
寮をでると夜蛾先生が待ってくれていて手には美味しそうなサンドウィッチが入った袋を私に渡してくれた
「お前達にはないぞ、さて由奈。今から車に乗って母親のところに行くぞ。」
夜蛾先生はそっと私の手を繋ごうとしたが、その手を取らず
傑お兄ちゃんの手を握りしめた
それを見た傑お兄ちゃんはそっと手を握り返してくれた
「どうせ自主学習なんだろ、俺たちもがきんちょの家行こうぜ!」
「悟が行くなら私は乗れないや。由奈ちゃんまたね!」
硝子お姉ちゃんと悟お兄ちゃんが歩いてきた
悟お兄ちゃんはサングラスをかけて傑お兄ちゃんの肩に手を回して笑っていた
「悟にしては早起きじゃないか。なんだかんだ言って、君もこの子の事心配なんだね。」
傑お兄ちゃんも悟お兄ちゃんの肩に手を回していた
「別に心配なんかはしてないけどな、こいつの母親がどんなくず野郎か見に行ってやるだけだよ」
悟お兄ちゃんはそう言って私の袋からサンドウィッチを勝手に取り、食べながら高専の外に待っている車へと向かった
私と傑お兄ちゃんたちは車に乗り、大好きな母のいるお家へと走り出した
車中で私は夜蛾先生の作ってくれたサンドウィッチを頬張った
いつも母がくれるパンは味のないものばかりだったから
卵やハム、レタスが挟んであるパンを食べたのは初めてのことで、すごく美味しくて感動した
車から見える風景は見たことない街ばかりだったが、私のママが待つアパートが見えてきた
車は停止し、私達は車から降りた
運転してくれていた男性も降りてきた
降りた瞬間、私も夜蛾先生達も私の母のアパートから呪霊を感じとっていた
「闇より出でて闇より黒くその穢れを禊ぎ祓え!夜蛾先生、帳下ろしました。ここ…いますよ」
先程の運転していた人は補助監督の男性で帳を下ろした
外の世界でいつも見るあの化け物がいる
いつもは私の部屋にはこないのに…
ママはあの子たち見えないから…
ママがあぶない!!!
居ても立っても居られない私は大好きなママがいる部屋まで走り出した
「由奈待て!!補助監督はここで待機!傑と悟は由奈を守れ!」
夜蛾の言葉に傑と悟はすぐに由奈を追いかけた
私は玄関のドアの前に立ち力一杯叩たき、ママ!っと叫んだが扉は開かない
前鬼と後鬼が現れると玄関の扉を吹き飛ばした
「ママー!!!」
部屋へと入ると、生臭いなんともいえぬ臭いが立ち込めていた
追いかけてきた夜蛾と傑と悟もその光景に顔を顰めた
部屋は真っ赤な血の海になり、大好きな母は首と手足がばらばらに切断され
部屋の真ん中で大嫌いなあの化け物が母の頭を食べていた
なにこれ…
ママは?
大好きなママはどこにいったの?
「ママ…?ねぇ。ママをどこにやったの…?返して…かえして!!!!」
由奈が叫ぶと同時に前鬼後鬼が一瞬で呪霊を祓った
由奈の祓う姿を初めて見た夜蛾は驚いていた
一級呪霊を簡単に倒したのか…
由奈は一体何者だ?
親が死んだ今、聞くことが出来ないが…
呪術師の家系なのか調べてみる必要があるな
夜蛾は泣いている私をサングラス越しに見つめていた
化け物がいなくなり
大好きなママの顔は食べられていて半分になってしまっていた…
ママの顔がぼとっと静かに落ちた
それを拾い上げ大事に抱きしめた私
傑お兄ちゃんはそんな私にそっと抱きとめてくれた
「ここにいるのは君にとっていいことではないよ。お母さんの顔だけは持って帰って眠らせてあげよう」
そう言って私からママの顔を優しく取り上げると部屋を出るように促した
「由奈。母親を助けることができなくてすまん。お父さんはいないのか?いないなら私のところに来るか?」
私は玄関を出ると振り返り、夜蛾先生に何も言わずに頷いた
私が出て行ったあと
悟は先ほどまでいた呪霊のいた位置に立ち
サングラスを外しアクアブルーの瞳で見つめた
「夜蛾先生の手に負えるがきんちょじゃないぜ。おい、式神ども。お前らの主人は何者だ?」
前鬼と後鬼は五条悟の言葉に妖しく笑っていた
「その瞳見覚えがあるぞ。
六眼、お前は五条家の童か。
儂達すら知らぬとわ…
千年の月日はなんと儚いことか…。
まぁこのくず女が死んで、儂らは万々歳じゃがの。」
前鬼と言われた鬼は引きちぎられていた母親の左足を持っていた斧で跡形もなく潰した
「わらわの主に対してのこれまでの仕打ち、鬼のわらわですら怒り狂っておったわ!!
主の母故に手は出さぬかったが…
童らが主を家から離してくれたおかげでのう。わらわ達がおらぬことに気づいた呪霊が、主の力の残像を嗅ぎつけ。
この女は殺されたのじゃ。
呪霊がみえる我が子を蔑んでいたが、主のおかげで己は護られていたのじゃ。皮肉な話よの…」
後鬼は死んだ母親へと哀れんだ…
「由奈のことは教えてくれるわけではないようだな…まぁいい。して、お前達の主人は私が面倒見てもいいのか?」
夜蛾の言葉に前鬼か後鬼は頷き
「主が決めたことに儂らは従うまでよ。だが覚えておくがいい呪術師ども…もし主に危害を与えることがあれば、主の縛りなしに儂らはお前達を殺す!」
「夢夢お忘れなきよう願いまする…」
前鬼と後鬼はそう言って姿消した