高専一年 眩しい闇
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悟とのあの出来事から悟は一段と面倒臭い程、絡んでくる…
前より私への絡みが酷くなったのを真希達も気づき、同情の目を向けてきた
パンダには由奈悟となんかあった?って勘づかれるし
棘には何故か飴玉貰ったし
憂太なんか一段と大人っぽくなったねっと言われた…
そんなこんなで傑が戦線布告した
十二月二十四日
百鬼夜行の日になった
夜蛾学長は呪術師のOB、OG、御三家
アイヌの呪術連にも協力要請をし、傑を完全に祓う作戦に出たらしい
棘とパンダと私は悟と一緒に新宿で待ち構える手筈となった
真希と憂太は高専でお留守番
さて大好きな傑と会えるかな〜
悟の隣に立って空を見上げると、数えきれないほどの呪霊が現れた
「由奈は僕の隣で呪霊達祓ってね〜。一人面倒くさそうな奴がいるな」
悟はビルの上にいるミゲルって言われていた男を見つめた
「あれ傑の家族の一人だよ〜外国の呪だね、珍しい呪だから。私も傑と逢いに行ったとき、気になってた人なんだよね。」
殺っていい?って悟へ聞くとダメって言われた
すると伊地知さんが悟の元へと走って何か報告してきた
悟はパンダと棘を大声で呼んだ
「どうし」
「質問禁止!!今から二人を呪術高専に送る!」
「はぁ!??」
パンダの言葉を遮り、悟は二人を無理矢理引っ張った
「夏油は今高専にいる!絶対多分、間違いない。勘が当たれば最悪憂太と真希二人は死ぬ!!僕と由奈も異人と特級呪霊達を片付けたらすぐ行く!二人を守れ!悪いが死守だ!!」
「応!」
「しゃけ!」
パンダと棘の周りに術式を描くと二人を高専へと飛ばした
「悟。傑相手にパンダと棘じゃやられるよ。私には行かせてくれないんだね…傑となら私は張り合えるのに〜」
悟の奴、絶対わざと私に行かせなかったな…
「由奈は新宿の特級呪霊に全部の呪霊供を祓ってもらわないといけないからね〜僕の隣から離れたらダ〜メ」
悟の話を聞いた私は前鬼と後鬼をだすと、一級呪霊達を祓うように命じ
紫電呪術を発動して私は身体に電流を纏い、戦闘態勢に入った
すると敵さん達が動き出した
ミゲルと言われた男がビルから降りてきて、悟の前に現れた
「わかった、ならとっとと全員祓って!傑とこ逢いに行こーっと♪じゃ行ってくるね」
悟はいってらーっと私に手を振った
私は一番高いビルへと飛び上がっていった
「アンタノ相手ハ俺ダヨ、特級!」
「悪いけど、今忙しいんだ」
目に巻きつけていた包帯を外し、六眼でミゲルへと向き戦闘が始まった
その様子をビルの上から眺めた私
悟は心配しないでも最強だから大丈夫だけど…
新宿の街に蠢く呪霊達へと目を向けた
特級に一級呪霊にわんさかいるな〜
さすが傑、やることえげつない!
夜蛾学長達は二級以下の雑魚だと予想してたみたいだけど…
予想を上回る呪霊達じゃん、これは高専側も大変だね…
さっさと片付けるか
さて
私も傑に負けてられないからね
私は身体に電流を纏い、呪霊達を感知すると
右手を伸ばし指を鳴らした
「霹靂」
ピカッと光ると呪霊達へと強烈な雷を喰らわし、一発で数えきれない呪霊を祓った
祓ったことを確認すると悟の元へと移動した
その頃伊地知はと言うと美々子と菜々子の二人の学生と対話していた
バゴォーンっと強烈な音がして振り向くとミゲルが吹っ飛ばされていた
「はぁ??ミゲル!?アンタ何してんの!!?」
菜々子は驚きミゲルへと叫んだ
「見テ分カレ!!」
「しぶといな」
ミゲルの後ろに気配もなく悟が現れ、素早く縄で攻撃すると距離をとった
あの縄…
珍しい呪いが編み込まれているな
こっちの術式が乱される
左目の六眼でミゲルを睨んだ
「コレ一本編ムノニ俺ノ国ノ術師ガ何十年カケルト思ッテル!!」
「知るか、ボビー・オロゴンみたいな話し方しやがって」
悟の後方から呪霊が一匹現れたが悟が瞬時に頭部を消し飛ばせた
コレガ夏油ノ言ッテイタ無下限呪術
原子レベルニ干渉スル緻密ナ呪力操作デ空間ヲ支配スル
ソレヲ可能ニシテイルノガ
アノ目カ!!
「死ンダラ祟ルゾ!!夏油!!」
ノルママデアト十分弱
ミゲルは縄を持つ手に力を入れた
「ありゃ〜!一匹仕留め損ねてたか…呪霊の感知が甘かったか…悟ごめん!」
電流を纏った由奈が先程吹き飛ばした呪霊の死体の上に降りたった
「由奈だから許すよー!」
戦闘中なのに由奈の登場で一気におちゃらけたモードの悟へと変わってしまった
伊地知は思った
キレてた五条さんを糸も簡単に戻してしまう由奈さんは
一番最強なのではないかと…
ふと思ってしまった
伊地知さんの近くにいた美々子と菜々子に気付き、伊地知さんの前へと飛び降りた
「伊地知さんは下がってて、前鬼後鬼、伊地知さんを頼むよ〜」
一級呪霊を倒して返り血を浴びた二人を呼ぶと、伊地知さんを護るように命令した
「伊地知、由奈に守ってもらうなんて百万年早い!帰ったらマジビンタ!」
「えーっ!五条さん、そんな酷い…」
伊地知さんに当たる悟を私は無視して美々子と菜々子へと向いた
「あんたとちょうど闘いたかったのよ…!夏油様に気に入られてるからって調子のんじゃねぇよ!!」
菜々子は持っていた携帯を私へと向けた
菜々子の言葉に私は腹を抱えて笑った
「傑に会いに行った時は蘭由奈として行ってたから相手にしなかっただけ…今の私は高専の生徒として貴方達と向かい合ってるわけね〜それ理解してんの?私相手に貴方達じゃ無理…
死ぬよ?」
私の圧倒的な力の差に当てられた菜々子と美々子は恐怖のあまり震えていた
瞬時に菜々子の間合いへと入るとお腹に一発と背中に回し蹴りを喰らわし気絶させた
美々子は菜々子へと駆け寄り名前を叫んでいた
「呪術を使うほどでもなかったから体術で手加減しといてあげたよ。威力も半減させてるけど、肋骨と背骨が粉々に折れてるから立てないと思うけど〜その子連れて逃げなきゃ、次は貴方の番だけど?」
私へと睨むと美々子は菜々子を連れてその場から逃げた
全く…
喧嘩売るなら相手をちゃんとみてからにしなさいよね〜
これだからお子ちゃまは困るのよ
早く傑に会いに行きたいな〜
私は悟とミゲルの闘いが終わるのを待った
その頃高専では憂太里香の呪力の制限解除をして、傑とぶつかっていた
「素晴らしい。本当に素晴らしいよ、正に世界を変える力だ。里香さえあれば、せこせこ呪いを集める必要もない。次だ、次こそ手に入れる!!」
憂太と里香との闘いで片腕をやられた傑は身体を引きずりながら細い路地を歩いていた
「遅かったじゃないか、悟」
悟に気がつき、傑は座り込んだ
「君で詰むとはな、家族達は無事かい?」
「揃いも揃って逃げ果せたよ。京都の方もオマエの指示だろ。」
「まぁね、君と違って私は優しいんだ。あの二人を私にやられる前提で乙骨の起爆剤として送り込んだな。」
「そこは信用した。オマエの様な主義の人間は若い術師を理由もなく殺さないと。」
悟の言葉を聞いた傑は可笑しく笑った
「信用か、まだ私にそんなものをのこしていたのか。コレ、返しといてくれ。」
傑は悟に憂太の学生証を投げた
「小学校もオマエの仕業だったのか!!呆れた奴だ」
「まぁね。あとこれを由奈に渡しといてくれ。」
呪霊の口から長い刀を出して悟へと渡した
「清香さんの最後に預かっていた刀だ。由奈に私から渡す様に頼まれていてね、蘭家の先祖の蘭姫が使っていたと伝えられている大太刀だよ。千紅万紫と言って紅眼を宿している者にしか扱えないと言っていたよ。由奈ならその使い方に能力にわかるはずだと教えてくれた。
由奈は連れてこなかったのかい?」
「さすがにね…今は真希達と一緒にいるよ!傑、由奈を本当に俺に預けていいわけ?俺、傑が由奈を抱いた日…キレて襲っちゃってさ、しかも中に出しちゃったんだけど。」
悟の話を聞いた傑は腹を抱えて笑った
私もクズだが君はもっとクズだと俺に言ってきた
「由奈は素敵な女性に育ったからね…愛しいあの子を頼むよ、相棒。
誰がなんと言おうと猿供は嫌いだ。でも別に高専の連中まで憎かったわけじゃない…ただこの世界では私は心の底から笑えなかった」
「傑
僕の親友だよ。
たった一人のね。」
悟の言葉に傑は一瞬驚いた
「最後くらい呪いの言葉をはけよ」
そう言った傑へと悟はとどめを刺した
悟が傑へととどめを刺した瞬間、真希達の側にいた私は
傑が地獄へと旅立ったことをなんとなく感じていた
悟は傑を殺したのか…
クズな悟でもさすがにそこは私に配慮したわけか…
馬鹿だな
悟も大好きな傑を殺すの辛いだろうに…
悟の気持ちを考えていると憂太が目覚めた
そして里香の呪霊の姿が消え、幼い里香の姿が現れた
「おめでとう、解呪達成だね。」
壁穴から包帯を外した悟が手を叩きながら現れた
「誰?」
私以外悟の素顔を初めて見たので、真希達は誰かわかっていなかった
「グッとルッキングガイ五条悟先生ダヨ〜以前、憂太が立てた仮説。面白いと思ってね、家系の調査を依頼した。里香の方は随分昔に終了したけど、憂太の方はザルもいいとこだったからね。それで判明したんだけど、君菅原道真の子孫だったー!超遠縁だけど僕の親戚!!」
ハイテンションな悟に真希達は憂太から若干距離を取った
「日本三大怨霊の一人」
「超大物呪術師だ!」
「ツナ」
へー、憂太
菅原道真の子孫だったんだ!
それなら里香の呪いの原因は、憂太だったのか…
私は憂太と里香の二人を見つめた
「憂太が正しかった。里香が君に呪いをかけたんじゃない、君が里香に呪いをかけたんだ。呪いをかけた側が侍従制約を破棄したんだ、かけられた側が罰を望んでいないのであれば解呪は完了だ。ま、その姿を見れば分かりきったことだよね。」
悟の説明を聞いた憂太は溢れんばかりの涙を流した
「全部僕のせいじゃないか。里香ちゃんをあんな姿にして、たくさんの人を傷つけて、僕が夏油に狙われたせいで皆んなが死にかけた。全部っ…全部僕が…!!」
頭を抱えて泣き崩れた憂太にそっと里香は抱きついた
「憂太、ありがとう。時間もくれて、ずっと側においてくれて。里香はこの六年が生きてる時より幸せだったよ。バイバイ、元気でね。あんまり早くこっちにきちゃダメだよ?」
里香の笑顔を見た憂太はうん、またねっと言うと
天国へと消え去った里香へとお別れした
憂太と里香の別れを眺めていた私はその場から消え、ある場所へと来ていた
私の目の前には壁にもたれて、笑顔で亡くなっている傑がいた
そっと抱きつくと、身体は冷たくなっていた
「傑、先に地獄で待っててね。私はまだそっちに行けないけど…後からちゃんと傑の元に行くから…」
眠っている傑の唇へとキスをすると首に付けていたドッグタグを外し、傑のタグを自分のネックレスにつけた
おやすみ、傑…
私は傑へと背を向け歩き、悟とみんなの元へと飛んだ