六歳の私と高専生活-玉折編-
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飛行機は松山空港へと到着した
傑お兄ちゃんと荷物を持って出口を通ると、清香お婆ちゃんと運転手さんが待ってくれていた
私は荷物を持って走ると、清香お婆ちゃんへと抱きついた
清香お婆ちゃんは私の頭を撫でると、傑お兄ちゃんへと頭を下げて挨拶をした
「おかえりなさい、由奈。傑さん、由奈の護衛をすみませんね。護衛の任務はもう大丈夫ですから、今日から由奈とゆっくりこちらでくつろいでくださいね。」
「二日間、お世話になります。」
傑お兄ちゃんと私の荷物を運転手さんが運んでくれて、私達は迎えの車に乗り
清香お婆ちゃんの旅館へと向かった
旅館へと着くと、誠お兄ちゃんと剛お爺ちゃんが待っていてくれた
「誠お兄ちゃん、剛お爺ちゃん!お久しぶりです、今日からお世話になります!」
「由奈おかえり。少し前より背が伸びたようだね。今日は由奈と傑くんに素敵なお部屋を用意したからね。ゆっくりしていくといい。」
剛お爺ちゃんは私の頭を優しく撫でてくれた
誠お兄ちゃんが旅私と傑お兄ちゃんが泊まる離れのお部屋へと案内してくれた
竹林の中を通っていくと平家の日本家屋が現れた
誠お兄ちゃんはこの旅館には特別なお部屋があると、それがここで二人だけの時間をゆっくり過ごせるからねっと教えてくれた
中は入ると和モダンな作りですごく上品なお部屋になっていた
部屋は三つあり、トイレと露天風呂も付いていた
中居さんがお茶と和菓子のお団子を用意してくれた
「御夕食は18時頃こちらのお部屋まで運びますので、傑様はゆっくりして行ってくださいね。こちらのお部屋のお風呂のお湯は道後温泉の湯を使っておりますので、ぜひお入りください。」
失礼しますっと言って誠お兄ちゃんと中居さんはお部屋から出て行った
傑お兄ちゃんは座椅子へと腰をかけると、私の頬っぺたをつまんだ
「由奈、これは君の仕業だね。護衛の任務と名ばかりな旅行じゃないかい?」
「えへへ、傑お兄ちゃんにバレちゃった!ずっと忙しかったでしょ、だからたまには私のわがままも聞いてくれてもいいでしょ?」
私の言葉を聞いた傑お兄ちゃんは仕方ないなっと言って笑ってくれた
「傑お兄ちゃん、このお部屋露天風呂ついてるから一緒に入ろ!!清香お婆ちゃんが特別に傑お兄ちゃんと入るならって、私に水着を着て入っていいって言ってくれたからさ!」
私は着ていた服を脱いで、服の下に着ていた花柄のワンピースの水着を傑お兄ちゃんへと見せた
「入るの前提じゃないか。由奈は年頃の女の子だから、一緒に入るのは…」
由奈は水着を着ていると言っても…
私は裸だしな…
六歳の女の子と私が入浴するのは犯罪ではないだろうか?
傑お兄ちゃんは断ると思ったからね、はい!っと私はタオルを傑お兄ちゃんはへと渡した
「清香お婆ちゃんの許しはでてるから大丈夫!私と入る時は傑お兄ちゃんはタオルを巻いて入ってくださいって清香お婆ちゃん言ってた!」
私は清香さんと由奈の完璧な用意周到な策になすすべがなく
由奈と露天風呂へと入った
露天風呂は岩で囲まれていて、湯船に浸かると竹林の景色が目の前に広がり
すごく癒された
「はぁ…。なんか極楽だね〜。」
傑お兄ちゃんは湯船に入り、目を閉じていた
私も湯船へとゆっくり浸かった
温泉には心と体を癒す効果があるから…
少しでも傑お兄ちゃんはが癒されたらいいんだけど
私はお湯を眺め、肩にかけた
「お風呂から出たらさ、旅館の周り探検しに行こー?清香お婆ちゃんが道後温泉本館は有名な観光スポットらしく、お店もたくさんあるから楽しいよって言ってた!!」
「そうだね…せっかく来たのだから行ってみようか」
私は嬉しくて先に湯船から出て、出かける準備に取り掛かった
嬉しそうな由奈を見た傑は湯船の中へと顔をつけた
しばらく浸かってから私は湯船から出て、由奈の待つ部屋へと入った
するとそこには清香さんが由奈に浴衣を着せていた
白地に淡い紫色の紫陽花が描かれて浴衣は由奈に似合っていた
「由奈と傑さんに浴衣をご用意しましてね、せっかくですからこれを着てお散歩しにいってはいかがです?」
由奈の帯を締め、私にも紺色の浴衣を着せてくれた
「傑お兄ちゃん!凄くかっこいい!!」
傑お兄ちゃんの浴衣姿は凄く似合っていて、惚れ惚れしていた
私は傑お兄ちゃんと下駄を履くと、手を繋ぎ温泉街を歩き出した
温泉街は平日にも関わらず、すごい人だった
さすが観光地!
愛媛ならではの有名なお店屋さんがたくさん並んでいた
みかんのスイーツ屋さんや坊ちゃん団子のお店、じゃこてんっと言う練り物屋さんなど東京にはないお店ばかりだった
傑お兄ちゃんと歩いていると目の前に木造の三階建ての大きな建物が見えた
「これがあの有名な道後温泉か。立派な温泉施設だね」
「道後温泉の湯は神の湯とも呼ばれてるんだって!清香お婆ちゃんが教えてくれたよ!」
傑お兄ちゃんはへーっと私の話を聞いてくれた
写真撮ろ!っと私は傑お兄ちゃんにくっつき、自分の携帯電話をだして
道後温泉をバックにして撮った
少し温泉街の横道に入って歩き出すと、シックなアクセサリー屋さんが見えた
私は少し気になり、傑お兄ちゃんの手を引っ張り店へと入った
私たちに気づいたお店のお兄さんがいらっしゃいと挨拶してくれた
「珍しいね、今日は可愛らしいお客様が来たね。ここはシルバーのアクセサリーを作っているんだよ。隣のイケメン君は君の彼かね?」
「彼ではないけど、私の好きな人!!」
「そうかい。せっかく私のお店に出会えたのだから、ゆっくり大好きな彼と見て行ってくれ」
店員さんは幼い私をからかうことなく、お客様として接してくれた
「由奈、どうやらこのお店はシルバーのアクセサリー屋さんのようだよ」
傑お兄ちゃんは教えてくれた
ショーケースには羽や十字架、さまざまなシルバーのアクセサリーが並べてあった
そのショーケースの中にプレート状の何も描いてない金属が飾ってあった
これは何かわからないでいると、店員さんがドッグタグだよって教えてくれた
「これは昔、兵隊さんの身元確認のために作られていたものでね。そのプレートに名前を刻印するんだよ。今はアクセサリーとして名前だけじゃなくて、プレートにデザインをするのが流行ってるよ。ほらこんな感じにね。」
店員さんは龍と虎が刻印されたドッグタグを私に見せてくれた
「可愛らしい君の目にはこの龍が似合うと思うよ。そして優しい彼の目の奥には力強い虎がいる、この二つは君たちにぴったりだと思うよ。」
「傑お兄ちゃん、私これ買う!!ねぇ、名前とか入れれるかな?龍に蘭由奈、虎に夏油傑って入れたい!」
頷くとローマ字で刻印するから少し待っててっと店員は言うと、名前を刻印し始めた
「はい、できたよ!こっちが傑くんの、こっちが由奈ちゃんのね!」
店員さんはすぐに傑お兄ちゃんと私の首にドッグタグを付けてくれた
「じゃ、そのアクセサリーは私から由奈にプレゼントしよう。お揃いだね」
「ありがとう、傑お兄ちゃん!!」
傑お兄ちゃんはお金を払うと、私の手を取り店から出た
外にでて時計を見ると夕方の時刻だが夏なのでまだ蒸し暑かった
旅館へと戻ると清香お婆ちゃんが夕食を和室のテーブルへと並べ終えるところだった
私たちに気づき、おかえりなさいと言ってくれた
テーブルの上いっぱいに海から山の幸にたくさんの料理が並んであった
傑お兄ちゃんと私は手を合わせると豪華な夕食をいただいた
傑お兄ちゃんは美味しかったようで、すごく笑顔で食べてくれた
いっぱい食べた私たちはふかふかのお布団へと入ると
私は傑お兄ちゃんの手を握っておやすみの挨拶をして
いつの間にか夢の中へと入っていった