番外編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
高専の木々が桃色に染められ、桜が咲き乱れる四月
悠二と野薔薇はまだ高専には入学しておらず、恵が一年生第一号で四月に高専へと入学していた
恵の入学祝いパーティーと花見を一緒にすることになり、私は夜蛾先生の家でパンダと一緒にお花見弁当を作り
真希と棘と恵にパンダ達と桜の木下で作った重箱を広げ、恵の入学祝いを祝い乾杯した
「ゴホンッ、新しく入った一年生の恵の入学を祝って、かんぱ〜い!!」
私の乾杯の挨拶で酎ハイやビールで乾杯するとみんな重箱へと箸を進めた
「やべぇ!由奈の唐揚げマジ美味い!!棘、食べてみろ」
唐揚げが気に入った真希は隣に座っていた棘の口へと唐揚げを無理矢理食べさせた
おっきい唐揚げを頬張ると、美味しかったようで棘の顔がとろけていた
「しゃけ!しゃけ!」
「棘ありがと〜このおにぎりの具は棘の好きなツナマヨだよ〜食べて!食べて!」
ツナマヨのおにぎりを棘のお皿に入れてあげると、私は木箱からお酒の瓶を取り出し
お酒を開けて紙コップへと注ぎ躊躇いもなく飲んだ
手に持っていた日本酒を目にしたパンダはマジかよっと溜息をつき私の肩を叩いた
「おい、由奈。それまさみちの大事に保管してた柏盛だろ。パチってきたのか?バレたら怒られるぞ。」
「これレアで滅多に手に入らないんだよね、片山酒造の十五年熟成物の柏盛〜年間に五本しか販売してくれないレアなお酒なんだよ♪夜蛾学長は私のお父さんだからね、パチっても大丈夫しょ〜♪」
飲む?とパンダへと促したが、いらねえよと言うとパンダはお酒ではなくお茶を飲みながら大好きなカルパスを食べていた
「めっちゃ美味しいのに、パンダにはまだこの味がわからないか〜恵!これ飲んでみる?」
私の隣に座っていた恵へと飲めと促すと、恵は稲荷寿司を頬張り眉間に皺を寄せた
「由奈も先輩方も普通に突っ込まないけど、俺ら未成年ですよ。お酒飲めませんよね?」
「恵は中学の時ヤンチャしてたのに、そこ気にするんだ〜大丈夫!みんな任務入れないように悟に根回ししてるから、酔っ払って潰れても大丈夫♪」
「いや、そう言う問題じゃないんですけど…」
飲みかけのコップを無理矢理恵へと押し付けるが、頑なに拒む恵に真希が遂にキレた
「おい、恵!由奈が飲めって言ってんだから素直に飲めや!今日はお前が主役だろうが」
立ち上がった真希は私の持っていたコップを奪い、恵の口へと無理矢理飲ませた
「ちょッ、真希さん!いきなりはやめてください!あ、これやべぇ…美味しい」
てか、由奈と間接キスじゃねぇ…?
やば、顔熱い…
お酒を飲んだのと、間接キスしてしまったのに気づいた恵の顔は真っ赤になっていた
「恵の顔、真っ赤っか〜♪可愛い!!」
もっと飲め飲めと私は恵の空のコップへとお酒を注いだ
「由奈!このお酒、気に入ったみたいだぞ!もっと飲ませてやれ!棘と私はこれ飲もうぜ!」
真希は保冷ボックスから桃の酎ハイを取り出すと、棘と乾杯し飲み始めた
私は頭上で咲き乱れる桜を眺めながら酒を飲み、パンダが大好きなカルパスを少し頂くと
パンダは俺の大好物だからそれ以上は食うなと怒り、私は思わずごめんと謝った
酔っ払った真希が今度はビール瓶を開け、恵に無理矢理一気飲みさせていた
瓶ビールを飲み干した恵は酔ったのか眼が据わり、やられた真希の口に瓶ビールを無理矢理咥えさせやり返していた
それを見た棘とパンダは涙が出るほど爆笑していた
大好きな傑ともこうやって花見したかったな…
来年も高専の桜の木の下で、大好きなみんなとお花見できたらいいな
こんな平和な日が続きますように…
「こら、一気飲みは危険だからダメだよ〜!お酒強い、私がしてあげるからもうやめな」
「由奈、何一人寂しく黄昏てるんだよ。どうせあの男のこと思い出してたんだろ?飲め!」
真希と恵は完全に出来上がってしまい、真っ赤な顔でふらつき私に絡んできた
「真希は酔うとめんどくさいんだから。飲むペース考えないと〜恵大丈夫?」
私の足元でふらつきながらもビールをもう一本飲んでいる恵の背中を摩った
「恵、ヤレ!」
真希の言葉を聞いた恵は私に微笑みとビールを一口飲み、私へと口づけをし
無理矢理私の口を開け、口に含んだビールを流し込んできた
それを見たパンダは棘の目を隠し、恵の奴大胆だなと顔を真っ赤にしていた
口移しで飲ませた恵は少し呼吸が荒く、妖美な顔で私を見つめていた
「恵、酔ってるね。私に口移しで飲ませてくるとは、マセガキ」
レア物の柏盛瓶ごと飲み恵を押し倒すと、恵に口移しでお酒を飲まし返した
私の口の中に含んだお酒を全部恵へと流し込み、お返しだよと口を離れようとしたが
恵は私の後頭部を両手で押さえ、私の唇へとキスをした
私の舌を絡め深く触れ合い、唾液が混じり合
った
恵と私の濃厚なキスを眺めていた真希は、一年のくせにやるじゃんと恵を讃え酎ハイの缶を開け飲み始めた
長いキスに唾液が口から垂れ、恵の舌から逃げようとするが恵は離してくれず
みんなに見られている羞恥心に顔が真っ赤に染め上がっていた
「はい、そこまで!」
悟が現れ、私を恵から引き離した
恵は悟へと睨み、離されたのが嫌だったのか私に抱きついてきた
「由奈とお花見してるんですから、邪魔しないで貰えますか?」
「めーぐーみーくーん。絶対酔っ払ってるよね?あんなエロい飲み方はダメでーす!」
私のお腹に抱きついている恵を引き離そうと、悟は私の背中を引っ張るが恵は離れなかった
「まぁまぁ、喧嘩しないの〜真希、二人どうにかして」
真希へと助けを求めると、真希はニヤリと悪い顔でビール瓶を手に取り
私の元へやって来ると悟の口へと瓶ビールを押し当てた
「悟!お前も飲め!!」
それを見ていた棘とパンダは顔を真っ青にしていた
真希の奴、下戸の悟を飲ませたよ…
悟は一口飲むと真希の手に持っているビール瓶を払い落とし、口から流れたビールを袖で拭き取ると
目隠しを外し頬をほんのり赤く染め、恵へと抱きついた
「めーぐーみー!由奈は俺のだからね、あげないよー!」
「由奈は五条先生のじゃないでしょ、由奈と真希さん達と飲みたいのでいい加減離れてください!」
恵は抱きつく悟を引き離そうとするが、酔っ払った悟は恵から離れず抱きついたままだった
二人の様子を見た私はゲラゲラ笑い、笑いすぎて涙が出た
「硝子ちゃんが悟は下戸だって言ってたけど、まさか一口で出来上がるとはね〜やばっ!面白すぎ〜」
悟が酔っ払って恵に抱きついている姿を携帯で撮ると、すぐさま硝子ちゃんに写メを送った
すると携帯が鳴ったので見ると硝子ちゃんから酔うとめんどくさいぞと返信がきた
酔った悟と恵のやりとりが面白くてそれを眺めつつ、柏盛を全部飲み干すと次は焼酎の瓶を開け瓶ごと飲み始めた
パンダの横にいた棘が私の後ろからそっと抱きついてきた
私の肩に顔を乗せた棘へと酔っちゃった?と聞くと、棘は制服のファスナーを下げ
いつもは隠している口を出した
「由奈」
妖美な棘の声に私は頬を赤く染め、それを見た棘は私の唇へと優しくキスを落とした
「棘までキスしやがった…俺の姉は魔性の女だ。棘は純粋なままでいろよ!」
私の背中に引っ付いていた棘を引き離すと私から離れた位置に座り、パンダは棘が持っていた酎ハイをお茶へと変えた
「ちょっと!この状況は私が悪いみたいなこと言わないでくれる〜?元はと言えば酔っ払った真希が全部いけないんだからね!」
元凶の真希へと目を向けると、酔っ払った真希は大の字でシートの上に寝転んでいた
あーぁ、真希の奴寝ちゃったよ…
悟たちは相変わらず酔っ払ってちちくりあってるし…
そろそろ終わりにしよっかな
開けた焼酎を一気に飲み干すと、空になった重箱や缶と瓶を片付け始めた
「パンダ悪いけど真希を部屋まで運んでくれる?ついでに棘もよろしく!悟と恵は私が責任持って連れて帰るから〜」
全部片付けれた私は真希の身体を揺らして起こしたが、気持ちよさそうに熟睡しているため起きなかった
「じゃ、そっちの二人は任せたぞ。よっこいしょっと!真希帰るぞ」
パンダは真希を片手で持ち上げると、もう片方の手で棘を持ち上げた
「ツナマヨ」
「うん、楽しかったよ〜またね棘!」
棘とパンダに手を振るとシートを折りたたみ、いい加減しつこい悟を恵から引き離した
「悟しつこい!もうお祝い会はお終いだよ〜真希達帰ったからね、恵と悟も帰るよ」
「俺の由奈なのに恵が由奈にエロいキスしたー!」
駄々っ子の悟めっちゃ面倒臭いんだよね…
先程抱きつかれていた恵のように、今度は私の腰へと悟は巻き付いてきた
「あんたはいつも由奈にやってるくせに…俺が一回キスしたからってそこまで拗ねなくてもいいんじゃないですか」
「恵、ナイス!悟は毎日キスもHもしてるんだから、拗ねないの〜」
「一体これはどう言う状況ですか?」
任務終わりの七海くんが高専に帰ってきて
私の腰に抱きつき離れない悟とそれを引き離そうとする恵を見た七海くんは頭を手に当て溜息を吐いていた
「七海くん、おかえり〜恵のお祝い会とお花見してたら悟が飲んじゃて、この状況。悟と帰るからさ、恵も酔っ払ってるから寮まで七海くん一緒に行ってあげてくれる〜?」
七海くんはコツっと私の頭を優しく叩いてきた
「由奈さん、貴方も飲んでますね?未成年はまだ飲んではダメですよ、下戸のこの人にお酒飲ませたんですか?はぁ、では五条さんは貴方に任せますね。伏黒くん、さぁ部屋に帰りますよ」
悟を引っ張っていた恵を担ぐと、寮へと歩き出した
私は前鬼と後鬼と狛犬を呼び、シートやゴミが入った袋・重箱を前鬼と後鬼に持たせると
マンションまで持って帰るように指示した
酔っ払って歩けない悟を狛犬に乗せ私も乗ると、マンションへと向かい空を飛んだ
落ちないように後ろから悟を支え、青硝子のような澄み切った空を見上げた
傑はあの世で何してるんだろう…
非術師達を殺しちゃったからね、天国じゃなくて地獄にいるか
早くあの世で会いたいな…
でもあのとき傑に悟の隣にいて欲しいって言われ、悟には側から離れるなって言われちゃったしね…
「本当、愛ほど歪んだ呪いはないよ」
私を照らす太陽へと手を伸ばすと、悟が起き上がり私の手と自分の手を絡め抱きしめた
「由奈。まだ傑のとこにいかせねぇよ、俺の隣から離れるなってあのとき言っただろ?」
「大丈夫、離れないよ。ちゃんと隣にいるよ、傑とも約束したからね。」
悟の頭をそっと優しく撫で、心配しなくても死なないよ〜っと笑うと悟は納得したのか私の胸の中で眠りについた