番外編
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高専で過ごす二回目の春を迎え
一年生だった私は真希達と共に二年生へとなった
百鬼夜行の後憂太と私は特級術師となり、憂太は今海外に呪具探しの旅に行ってしまい高専にはいなかった
傑のファミリーの一人で悟とやり合ったミゲルと一緒に行動しているらしい
まぁ憂太の性格なら心配ないでしょ〜
憂太のことが気になり始めていた真希には少し辛い別れだろうな…
一年生のときは悟が担任だったけど、今日から私は二年生になったわけなので
担任が変わる事であの悟が簡単に行かせるわけもなく、マンションで由奈の担任がいいー!と駄々をこねられ…
めんどくさい悟を振り切って、私はなんとか高専に辿り着いたのだ…
担任は顔見知りである一級術師の日下部篤也になるってパンダが言ってたな〜
ちょうど桜の木下を通りかかったので、少し休憩してから教室に行こうと思い
私は芝生の上に寝転ぶと、目の前に広がる桜を見つめた
「いい天気だね〜」
お日様が照りついてポカポカ暖かい、なんか眠くなってきたかも…
暖かく心地いい天気に私の瞼は閉じかけていた
「こんな所で寝てたら悪い男に襲われるぞ、由奈。お前の乳は男共にとって凶器だからな」
眠くて閉じかけいた瞼を開けると、棒付きキャンディを舐めている強面の男が跨って私を見下ろしていた
「篤也じゃん、おはよ〜」
「オマエね、おはようじゃないの。もう授業終わってパンダ達は任務に行ってんだけど。二年生になって初めての授業に出てないの由奈だけだぞ」
篤也は私の胸を指でツンツンと突き、何が詰まってんだよデカパイと罵っていた
「ごめ〜ん。朝から駄々っ子悟を振り切って登校して来たけど、ちょうどいい感じの場所見つけたからお昼寝してた。篤也、それセクハラ」
「五条に比べたら可愛いセクハラだろ?五条に惚れられたオマエは大変だな、俺も昨日までずっと五条に由奈と会えなくなるから担任代われってしつこくストーカーまがいなことされてたし…また校舎内に戻ったら会いそうだから定時になるまでここにいさせてくれ」
篤也は私の返事を聞くことなく勝手に私の隣に寝転んだ
スカートのポケットから煙草を取り出して吸おうとしたが、篤也に没収と言われ大事な煙草を取られた
「あーつーやー、返して!それないと生きてけないの」
「これでも舐めとけ、未成年」
篤也が舐めていた棒付きキャンディを私の口へと無理矢理入れ込んできた
「あっ、苺味じゃん。まぁたまにはキャンディもいいかもね〜、ありがと」
風が吹き桜の花びらが舞い散って幻想的な光景が目の前に広がった
おでこの上に一枚の桜の花びらが落ち、篤也はその花びらを手に取り見つめた
「由奈と憂太は特級術師だろ?そんな化け物達がいる二年を一級の俺が持つことになるなんてな…学長、絶対人選ミスってんな」
「夜蛾先生はミスってなんかないと思うよ〜篤也から私達は学ぶことがあると思ってるから、夜蛾先生は担任にしたんだよ。篤也は私達と違って自分の命大事にしてるでしょ?呪術師には珍しいからね、篤也の考え方は…
自分より強い相手に対して無茶はしたくない、けど目の前で死ぬ人を見捨てる程薄情でもない。その篤也の性格、私は好きかな〜」
「由奈、オマエマジでいい女だな」
でしょ!っと私は笑いキャンディーを舐め噛み砕いた
「こうやって平和な日が続くといいよね〜まぁ呪術師なんてやってたらいつ死ぬかわかんないけどね〜」
「オマエが強いのはわかるんだけど。特級術師だかオマエはまだ子供で女の子なんだからな、由奈…命は大事にしろ。オマエ根は善人の部類に入るんだからよ」
「篤也が思ってるより善人じゃないよ…別に非術師が死のうが私は関係ない。
でも…私が大切にしている人が傷つくのは見過ごせないだけ。まぁ私は簡単に死なないし、死ねない。安心しなって」
「男前だわ。あの五条が惚れるのもわかるわ…傾国の美女か?オマエの前世は妲己か?」
美人な上にスタイルも学生とは思えないエロさ満載なボディに、学生でありながら強靭な精神力を持ち
性格までいいんだよな…
そりゃ特級術師の五条も夏油も惚れるわけ
だ
女遊びか激しかった五条が、由奈を本気で落とすと決めてから…
ストーカー並に引っ付いたるのはいつものことだが…
正式には付き合ってない二人だが、二人の距離感を見れば誰もが勘違いするんだよな…
五条の女と思われてるみたいだし、ドンマイ由奈…
まぁ身体の関係はあるみたいだが、付き合い方は人それぞれだからな…
俺がとやかく言う必要はないが、それでオマエが幸せなら担任の俺はかまわんがな…
篤哉は寝転んだまま私の髪をそっと触ると、指でくるくる巻き遊んでいた
「妲己って三大悪女の一人だよ。日本でいう玉藻前でしょ?傑が特級仮想怨霊 化身玉藻前使役してたけど、やだ〜アレと同じとか」
「たとえだよ、例え!!由奈はまだ学生なんだからな。もっとこう一般人のガキらしくだな、青春してもいいんじゃねーか?」
「青春ね…確かに学生だけど。私の青春時代はもう終わっちゃったんだよね〜真希と棘とパンダには楽しく青春してもらって、私は輪に入らず見守るだけでいいや〜」
無意識に首にかけている傑と私の作ったドッグタグを触り、幼い時の傑との懐かしい思い出が頭の中によぎった
傑と悟と過ごしたあの幼い時間が…
私の中では青春で一番幸せだったな
ネックレスを触りながら黄昏ている私を、寝転んでいる篤也は見つめ笑った
「由奈はいまでも夏油傑のことが好きなのか。一途だね…その恋も青春の一つなんだよ。オマエだけ二年のアイツらの外側にいるなんてことはないんだぜ」
篤也の言葉に私は驚いたが、そっかと納得すると私の頬が緩んだ
起き上がりまだ寝転んでいる篤也へと跨り、見下ろした
噛み砕きキャンディーが付いてない棒を口から出し白い歯を見せ笑うと、舐めていた棒を篤也の口の中へと押し込んだ
「篤也は教師に向いてる。そんな篤也にお願いがあるんだけど、聞いてくれるかな?」
寝転んでいる篤也から跨がっている私を見上げると、ちょうどミニスカートの中のパンツが丸見えになっている為…
篤也の顔は真っ赤に染まっていた
おいおい、ここからのアングル…ヤベェな///
由奈の黒の紐パンツが丸見えなんだけど!?
この状況でお願いされたら…
断れないでしょーよ
「しょーがねー、由奈の頼みだ。聞いてやるよ」
俺の返事を聞いたあと、由奈の空気がガラッと一気に変わったのに気がついた…
跨って立っていた由奈は篤也の腹の上に座ると、篤也の顔の真横に両手をつき
キスをする手前まで顔を近づけ、側から見ればよく少女漫画にでてくるような甘い光景へとなっていた
「血は繋がってないけど、夜蛾先生のことを本当のお父さんだと私は思って今まで接してきた。そしてパンダも夜蛾先生の子供で私の弟。
篤也はタケルを夜蛾先生にお願いしたでしょ、だからパンダの秘密を知ってるよね?
もし呪術界の老ぼれ共に秘密がばれて、夜蛾先生及びパンダに危害を加えることがあれば…篤也に助けて欲しい」
「由奈が助けたら問題なしだろ…?そんな危険な事やってられるかっての」
「私が助けられる状況だったら問題ないけど…。私がなんらかの理由で側に居なかったら弟を助けられないでしょ?まぁ〜、もしもの話だからさ〜頭の隅にでも置いといてよ!」
パンダはただの呪骸なんかじゃない、完全自立型人工呪骸
その中身をあの屑のジジィ共が知れば、きっとあいつらの事だ…
夜蛾先生のように善人な使い方ではなく、悪しき使い方をするはず…
もし私がパンダやお父さんの側にいることが出来ない場合、どちらも助けれない
私が術師にやられることはないけど、一様保険はかけとかないとね…
タケルの件で夜蛾先生には頭が上がらない篤也はわかったと渋々了承してくれた
その言葉を聞いた私は安心し篤也にありがとうとお礼を延べこぼれるような笑みを見せると、篤也は笑みに魅入ってしまい
オマエは天然だからタチが悪いんだよなと悪態を吐き、ほんのり頬を赤く染めた…
「ちょっと!?何やってんのー!!」
篤也を押し倒している姿の私をパンダが凄い速さで抱き上げた
「みんなおかえり〜」
任務が終わったパンダと真希と棘が高専に帰ってくると、真希と棘は何やってんだと言いたげな顔で私に溜息を吐いた
「由奈…その姿を私らが見たから良かったものの。悟(バカ)が見てたらやばかったぞ」
「ツナツナ!」
二人に笑いながら謝ると、パンダに抱き抱えられていた私は飛び降りた
「日下部〜!?これ俺の大事な姉ちゃんなんだからね!マジで手だすの辞めてくんない!?」
「パンダ、オマエどこをどう見て俺が由奈を襲ったことになんのよ。俺がコイツに襲われてたんだよ!!」
芝生に倒れていた篤也は服についた草を払い落とし、頭に手を置き項垂れていた
「そうなのか?由奈?」
「襲った訳じゃないよ〜秘密のお話してただけ。もぉ!三人がいなかったからつまんなかった〜!おかえり!」
パンダにギュっと抱きつくと、姉ちゃんに発情しちゃいそうと呟いたので
すかさず真希が発情すんなと突っ込みを入れ、薙刀の呪具でパンダの頭を力強く叩いていた
「オマエら早かったな。三人なら二級相当の呪霊も楽勝だな」
「しゃけしゃけ!」
「棘〜!はい、飴あげる!お疲れ様」
私から貰った飴玉を嬉しそうに口に入れ、喉を潤わせた
「由奈!二年になって初めての授業遅刻してんじゃねーよ。こんなとこで昼寝か?まったく、何してんだよ」
「真希〜怒んないで!元はと言えば、朝駄々をこねた悟が悪い!!」
それを聞いた真希ピンっときたようで…
どんまいだったなっと哀れんだ目で私の肩を叩いた
「さて、二年全員揃ったし。教室帰ってホームルームすんぞ!オマエ達行くぞ!」
篤也は真希達と一緒に教室へと足を進む始めた
「由奈も行くぞ!何ボサッとしてんだよ!」
「ツナツナ!」
「ほら!由奈も行くぞ!」
ボーっとしていた私をパンダが手を繋いでくれた
青春か…
こういうのも悪くないね
傑のいない世界も…
大好きな人達がいるから
楽しいよ
「うん!」
微笑みパンダの手を握り返すとみんなと一緒に教室へと向かった