番外編
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傑が百鬼夜行を起こした日は世間ではクリスマスイヴだった、そして今日は十二月二十五日クリスマスの日だ
呪術高専は仏教系の学校だが、寮の玄関先にクリスマスツリーを飾っていた
只今、真希と憂太と棘にパンダとみんなで飾り付けをしているところだ
恋人と過ごす人もいれば家族と過ごす人もいる…
私も傑と一緒に過ごしたかったな
初恋は実らないって世間では言ってるけど…
本当…実らないわ
そんなことを思いつつ、ツリーへと飾り付けを私も手伝った
すると眼を包帯で巻き付けている悟が、両手にいっぱい紙袋を持って現れた
「お疲れサマンサー!いい感じにクリスマスツリー出来てるじゃん!せっかくのクリスマスだし、みんなにプレゼント買ってきたよー!」
悟に気づいた真希は飾り付けていた手を止めた
「悟(バカ)が何か持ってきたぞ」
「真希さん、五条先生の呼び方がバカって…
五条先生、僕らの担任だからね?」
「憂太いいんだよ、悟はバカだから」
一様先生の悟をバカと呼んだ真希に憂太はツッコんだが、隣にいたパンダが憂太の肩を叩きバカだからともう一度笑いながら言っていた
すると私の隣で飾り付けをしていたはずの棘が悟の紙袋を開けて目を輝かせて、中に入っていた物を高々と掲げた
「いくらー!!」
喜んでいる棘の顔を見た私は、悟が何を買ってきたのか確認すると
棘の手にはお皿にこんがり焼いた大きな七面鳥が乗っていた
「これ丸ごとじゃん。悟、クリスマスだから買ってきたの〜?」
「クリスマスイヴは百鬼夜行で大変だったでしょ?だから一年生の君達にプレゼント!他にもピザにカプレーゼにパスタ・ローストビーフにパエリア・サラダにキッシュ。それと忘れてはならないクリスマスケーキ!!デパ地下で大人買いしてきたー!」
大量の紙袋の正体はオードブルやクリスマスケーキって訳ね…
棘も喜んでるし、真希と憂太とパンダ達だけで楽しく過ごしたらいいよ
私はそう言う気分じゃないから抜けよーっと
「棘喜んでるし、今からクリスマスパーティーしたらいいじゃん!まぁ私はパスするけどね〜」
「何言ってんの、由奈も棘達とクリスマスパーティーするんだよ?一人だけ参加しないとかダメだからね。あっ、もしかして恵が一人ぼっちだから気にしてるの?だと思って連れてきちゃったー!」
はぁ?恵連れてきたって言ったよね…
悟の背後から怠そうに恵が現れ、こんにちはと挨拶した
恵の突然の登場に真希達は誰?と固まっていた
「はい、みんな!来年の四月から入学する伏黒恵君でーす!クリスマスなのに家で一人ぼっちだから、優しい僕が連れてきちゃいましたー!仲良くしてあげてね、んじゃ!」
大量のオードブルを持ってきて恵を私に渡すと、悟は手を振ってその場から消え去った
「言っときますけど俺は家で過ごしたかったんですからね!それなのに突然家に来て、強制的にここへ連れて来るんですから…はぁ…由奈俺帰っていい?」
無理矢理連れてこらられて不機嫌な恵は私に気づいて側に寄ってくると、今すぐ帰りたそうな顔をしていた
「私も帰りたいけど、我慢して悟の我儘に付き合いなさい。帰れる訳ないでしょ〜まぁみんなに紹介するわ。血は繋がってないけど、パンダと一緒で私の弟的存在の伏黒恵。
恵、ポニーテールの女の子が禪院真希。サラサラヘアーの男の子が乙骨憂太。口をネックウォーマーで隠してる男の子が狗巻棘。で私のもう一人の弟でパンダ。春から先輩になるから今のうちに仲良くしてもらっときなさい」
クリスマスパーティーに参加したくなかったが悟の強制的に参加させられた私は、とりあえず恵に私の同級生達を紹介した
「由奈、なんでパンダがいるんだ?ここ学校だよな、パンダを簡単に紹介してくれたが意味がわからん」
「まぁ固いこと気にするなよ!俺達は由奈の弟だろ?なら俺と恵は兄弟だ、仲良くしようぜ」
パンダは不機嫌な恵へとどんまいと肩をポンポンと叩いた
「パンダ先輩。パンダと兄弟とか俺無理ですから」
「ガビーン!!そんな即答で否定するなよ…」
恵に兄弟を否定されたパンダはシクシク嘘泣きをしながら床へと倒れ、それを見た棘は側に寄って励ますように頭を撫でてあげていた
「まぁパンダはほっとけ、お前は伏黒でよかったな。私と恵は一様親族だから、まぁよろしく。私のことは苗字で呼ぶな」
禪院の名が嫌いな真希は苗字で呼ばれるのを凄く嫌がる…
それを察した恵は真希さんと呼びますと言うと、悟が持ってきた大量の紙袋を手に持ち運び始めた
「とりあえず憂太の部屋が一番綺麗だから、憂太の部屋でクリスマスパーティーするか」
「えっ、真希さん!僕の部屋でするの?」
「なんか文句あんのかよ」
「いや、ないけど。散らかってるけど、僕の部屋でよければ全然大丈夫だよ」
恵が持てなかった紙袋を憂太が運んでくれたので、とりあえず皆んな憂太の部屋へと移動した
憂太の部屋へと入るとシンプルな部屋で、散らかっていると言っていたがゴミ一つ落ちてない綺麗な部屋だった
テーブルへ悟が買ってきてくれたクリスマスパーティー用オードブルを広げていった
「ツナマヨ!!」
紙袋には料理の他にもクリスマスグッズなどが入っていたらしく、棘が私と真希にサンタ衣装の袋を渡してきた
「あ?棘、私と由奈にこれを着ろってか?いや、無理」
「着てやれよ、憂太喜ぶぞ!」
「黙れ、パンダ!七面鳥みたいに殺してやろうか?」
キレた真希は悟が買ってきたこんがり焼けた七面鳥をパンダに指差してて怒っていた
「憂太だって真希のサンタコス見たいよな?」
「真希さん可愛いから似合うと思うよ!」
「天然タラシが…」
純粋で無垢な憂太の笑顔に真希の顔は見る見るうちに真っ赤に染め上がった
「憂太が言ってるし、棘も着ろって言ってんだから着てあげよ!さぁ、真希と私は部屋でて着替えてくるね〜」
「はぁ!?私は絶対着ないって!由奈!!」
叫びまくる真希を無理矢理部屋から出した私は、廊下で逃げまくる真希を式神で押さえ込み
服を無理矢理脱がすと、サンタの衣装を着せた
悟が選んだ衣装は少しエロい衣装だったようで、真っ赤な色でオフショルワンピースになっており
肩が出て胸元には白いファーがつけられており、胸元ががざっくり見えパンツが見えそうなギリギリのラインのミニスカートになっていた
サンタの三角帽子と赤いアームウォーマーを履かすと完成した
私も瞬時に同じ衣装に着替えて、せっかく可愛い真希の姿だったので呪具の眼鏡は私が没収し
いつも結んでいる髪はゴムをのけて下ろすことにした
「由奈!この衣装はやばいって!こんなエロいの着るなんて無理!!」
「はいはい、もう着てるから大丈夫〜憂太喜ぶぞ〜!sexyサンタの真希でーす!」
嫌がる真希を無視して、憂太の部屋のドアを開けて押し込んだ
すると真希のsexyなサンタ姿を見た憂太は、鼻血を出して倒れた
「憂太!しっかりしろ!真希の貴重なエロコスだぞ、倒れる場合か!」
「シャケ!シャケ!!」
「鼻血拭いてやれって!!」
「真希さん、凄く似合ってるよ!こんなsexyな服を着てるの初めて見たよ。なんか新鮮だね!」
天然タラシの憂太の発言に真希の顔は真っ赤に染めて、側にいたパンダを思いっきり叩いていた
棘は憂太の鼻から出ている血をティッシュで拭いてあげ、なんとか鼻血は止まったようだ
「ありゃりゃ、真希のエロさに当てられたか〜これは恵に!」
サンタコスをした私は袋に入っていたトナカイの角のカチューシャを恵みの頭につけてあげた
「げっ、こんな物まであの人用意してたのかよ…」
頭に付けられたカチューシャを少し嫌がった恵だが、外したらダメだよと私が言うと渋々付けてくれた
パンダにはサンタの三角帽子を棘にはサンタの顔がついているカチューシャを付けてあげた
鼻血が止まって起き上がった憂太には真希と同じ赤い三角帽子をつけてあげた
皆んなにクラッカーを渡しせーの!と声をかけると、メリークリスマス!!とクラッカーを鳴らした
悟の用意してくれた料理をみんな食べ始めた
さすが有名どころのデパ地下のお惣菜たち、凄く美味しくて棘も憂太も恵達は夢中で食べていた
真希と私も座って料理を食べ始めた
「やばっ、このローストビーフとろける〜さすが金持ちは買ってくるオードブルも高級品だわ」
「しゃけしゃけ!」
「だよね!棘、このキッシュも食べてみな!めっちゃ美味しい〜」
棘と私の会話のやり取りを見た恵は開いた口が塞がらないでいた
「おにぎりの具で会話が出来てる…俺には何言ってんのかわかんないんだけど…」
「僕も初めはわかんなかったな。慣れたら大丈夫だよ、僕も狗巻くんと今では会話できるようになったし」
恵の隣に座っていた憂太が、恵に大丈夫だよと笑っていた
この由奈の同級生の中で、この乙骨先輩が一番まともな人だ
瞬時に一年生の中で誰が一番まともな人なのか恵にはわかってしまったようだ
呪骸であるパンダは食事を摂る必要がないので、私の携帯を使ってみんなの写真を撮っていた
「由奈のことが大好きな悟なのに不思議だよね。
お前と過ごしたかったと思うけど、さすがに昨日の百鬼夜行の後だからか。
由奈に気を使ったんだろうな…」
「まぁ大好きだった傑を殺したのは悟だからね〜バカだな…そんな気使わなくていいのに」
パンダと私の会話を聞いた真希は、ローストビーフを食べていた手を止めて私の顔を真剣な顔で見つめてきた
「お前、趣味悪いけど。私らと戦った夏油傑の事好きだったんだろ?」
「趣味悪いって…真希、傑にやられちゃったから根に持ってんね〜。
そうだね…傑は呪詛師で屑の部類に入るけど。私の好きな人には変わりないよ。死んだ今も昔もね…」
「あのバカが殺したの知ってんだろ!なのによく平気な顔していられるお前も私には理解できない!」
真希の言葉に飲んでいたシャンパンを止め、グラスに入っているシャンパンを揺らした
「そうだね、これは真希には理解できないかも。愛ほど歪んだ呪いはない、私は二人に呪われているのかな…
真希は私みたいになっちゃダメだよ」
そっと真希だけに聞こえるように真希は憂太のこと気になってるでしょと囁くと、真希は真っ赤な顔になり
バカと照れた真希は私に悪態をつき、私はそれが可愛くておかしくてケラケラ笑った
真希と話しているうちにオードブルは全部なくなってしまったので、パンダがクリスマスケーキを箱から出して切ってくれた
生クリームたっぷりで美味しそうな苺とチョコのログハウスとサンタがデコレーションされていて
食べるのが勿体ないくらい可愛いクリスマスケーキだった
クリスマスケーキも食べ終わり、憂太の部屋でみんな映画鑑賞し始めたので食べ終えた容器や皿を私と棘で綺麗に片付けゴミが入った袋は廊下へと出した
「棘ありがと、片付け終わったね〜さてまったりするか」
「おかか!」
「えっ、まったりしちゃダメなの?」
「しゃけ!しゃけ!!明太子!!」
「えっ、悟の所に行ってやれって?」
「しゃけ!」
「悟の所に行ったら絶対棘達の所には戻って来れないよ。朝までコースになるのに?やだ、今日は棘達と過ごせって言ったの悟だもん」
ほっぺを膨らまして少し怒った口調で言った私を棘は優しく抱きしめてくれた
自分の携帯を出して文字を打ち始め、棘の携帯の画面を覗くと
先生は今一人でいるはずだよ。
由奈が行ってあげないと、寂しいと思うよ!
僕達は大丈夫だから、先生の側にいてあげて。
恵のことは憂太達もいるから安心していいよ。
親友だったあの人を殺して、先生も悲しんでいるはずだから…
先生の隣には今、由奈しかいないんだよ?
棘のメッセージを黙って読んだ私は、優しすぎる棘へと抱きついた
「わかったよ、棘。悟の所に行ってくるよ!真希達に説明しといてね〜」
「しゃけ!」
親指を立た棘は走り去る私を見送ると、居なくなった私に行ってらっしゃいと小さな声で呟いた
サンタの衣装を着た私は悟を見つけるため、高専の屋根を飛び回り探し回っていた
すると傑が最後に死んでいた場所に、サングラスを外して座り込む悟がいた
「な〜に黄昏れてんの、悟」
悟のそばには青い花束が置いてあった、きっと死んだ傑の為に持ってきたのだろう…
「由奈こそ何してんの?今一年ズはクリスマスパーティー中でしょ?」
「棘に感謝しときなさいよ、悟が心配だから行ってやれって言われて来てあげたんだからね〜」
「へー、あの棘がね…今度お礼言わなくっちゃ。硝子の奴、珍しくキレやがってさ。傑の遺体の処理を他の奴にさせたのが許せなかったんだと」
私は煙草に火をつけ吸い始めると、悟の横に腰を下ろした
「硝子ちゃんからしたら、仲良かったからこそ傑の遺体の処理を自分でしたかったんじゃないかな〜他の奴にさせたくなかったんだよ…
でも悟は仲良かったからこそ、硝子ちゃんにさせたくなかったんでしょ?
そこは硝子ちゃんも理解してると思うよ」
「ならいいんだけど。由奈は怒ってるよね…?殺す前に会わせなかった俺に…」
悟の泣きそうな顔を見た私は怒る気になれず、悟頭をそっと撫でた
「怒ってないよ〜百鬼夜行始まる前にいっぱい傑との時間を貰ったし、あの時間は悟と傑だけの時間にしたかったしね」
「由奈大好き、愛してる…だから俺から離れんな。まだ傑のとこにはいかせねぇからな」
撫でていた私の手を掴むと私を抱き寄せ、力一杯抱きしめてきた
「久しぶりの素の悟だね、俺になってるよ。ほんと我ながら変人に好かれる体質だね〜傑も悟も愛してるよ。ちゃんと悟の側にいるから、死に急ぐことはしないよ」
私の言葉を聞いた悟は安心したのか腹を抱えて笑った
傑と俺に愛されてる由奈…
最強な二人に愛という名の呪いに当てられるとはね…
まだ傑の元には返してやんね
そっちで俺と由奈の愛し合う姿を見せつけてやんよ!
傑は俺の性格知ってんからね…
せいぜい俺に由奈を譲ったのを後悔しやがれ
「やばい…由奈に抱きついたら胸があたって勃ったんだけど。帰ってHしよ!」
「はぁ?それ今言うセリフな訳〜?やっぱ悟…屑だわ」
「だって今日はクリスマスでしょ?恋人達はsexして燃え上がる日だよ!それに由奈からプレゼント貰ってなーいし!か・ら・だでいいよー!」
「身体でって…ちょっと!」
お姫様抱っこで私を抱き上げると、私の返答も待たずにその場から消え去り
私達のマンションへと悟は飛ぶと、朝までコースでやられた私…
次の日やりすぎて寝不足と腰の痛さで机に蹲っていると、それを見た憂太は心配してくれたが
パンダと真希と棘に勘づかれてニヤニヤ笑われた