渋谷事変-変身-
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悠二が闘っていた真人が突然、鋭い棘に胸を貫かれた
それを見て野薔薇がダメージを与えたのだと理解した悠二
「…釘崎!?」
素早く真人へと連続で打撃を浴びせ、野薔薇の共鳴りの余韻で思うように身体が動かない真人は悠二にされるがままだった
釘崎…!!
ありがとう!!
悠二は野薔薇へと感謝を心の中で伝えると、両手で同時に真人の腹に打撃を決めた
俺には誰も救えなかった
皆の苦労も台無しにしてしまった
それでも
俺は独りじゃないと
そう思わせてくれて
だから!!
オマエはここで殺す!!
数え切れないほどの打撃を真人に浴びせた悠二、最後の一撃を撃ち込もうとした瞬間!!
真人が弾けて六体ほどの小さな小人のような形に分裂した
どれだ!
どれか一つには潰せば致命傷となる魂の部位が含まれているハズだ!!
悠二は一体を蹴りで潰したが、どうやら真人は偽物に呪力を多く含ませ
悠二を撹乱し真人の思惑にまんまとハマってしまい、真人はひっかかったと笑いながら逃げだした
逃げる真人を悠二は追いかけたが前方から分身の真人が現れ、何もせず本体の真人とすれ違うと
分身を追いかけて来た野薔薇がいた
「虎杖…!!」
本体が死角となり野薔薇は分身の真人と、本体の真人の入れ代わりに気づいていなかった
そして分身との戦闘で真人の掌への警戒を解いている野薔薇の顔へ
本体の真人は触れた
悠二は分身の真人の顔面を殴り飛ばし倒すと、野薔薇の元へと走った
真人に触れられた左眼を手で押さえていたが、悠二が来たことに気づき手を離した
「虎杖、皆に伝えて。悪くなかった!!」
真人に触られた左眼が破裂し、顔半分が吹き飛び倒れた
野薔薇の血が悠二の顔へと飛び散り、悠二呆然と立ち尽くしていた
脹相戦の敗北、宿儺による大量殺人と七海健人の死、そして大切な同期の野薔薇が倒れた今…
悠二の心はもう限界を超えていた
「だっ…だめだ…釘崎!!くぎっ」
絶望する悠二に向かって真人は黒閃を放ち、悠二をぶっ飛ばすと頭を掴み投げ飛ばし打撃を浴びせた
「甘ぇんだよ、クソガキが!!これはな戦争なんだよ!!間違いを正す戦いじゃねぇ!!正しさの押しつけ合いさ!!ペラッペラの正義のな!!
オマエは俺だ、虎杖悠二!!
俺が何も考えずに人を殺すように、オマエも何も考えずに人を助ける!!
呪いの本能と人間の理性が獲得した尊厳!!
百年後に残るのはどっちかっつーそういう戦いだ!!
そんなことにすら気づけない奴がどうして俺に勝てるよ、なぁ虎杖悠二。
殺したい呪いを数えたことはあるかい?
ないよな、俺も俺も♡
殺した人間の数とかマジでどーでもいいもん、オマエのこともそのうち忘れるさ」
されるがまま悠二は戦意なく床へと倒れ、真人は右腕をカマキリの鎌に変形させトドメを刺そうとした
だが目の前に居た筈の悠二が消えた
「祇園精舎の鐘の声諸行無常の響きあり、沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理を表す。ただし!!俺達を除いてな」
京都校の東堂葵が位置入れ替えで悠二を近くに移動させ助けに現れた
何が起こった…?
…顔面のキズ!!
今のは位置の入れ替え!!
由奈が来る前に花御を追い込んだ術師か!!
真人は葵の顔の傷と悠二を助けた術式を見て、花御を追い込んだ術師だと瞬時に理解した
「東堂さん!!あっちの子の処置終わりました。でも多分死んでますよ、後で俺のせいにせんといて下さいね。」
京都校一年の新田新が野薔薇を治療し、葵の元へと走ってきた
「御託はいい、ブラザーも頼む。起きろ虎杖!!俺達の戦いはこれからだ!!」
葵の言葉を聞いた悠二は意識を取り戻し、目を開け起き上がったが
床に蹲ったまま罪悪感に苛まれていた
「東…堂…俺は…もう、戦えない…!!釘崎だけじゃない…ナナミンも死んだ。宿儺が…いっぱい殺したんだ。だから…俺はもっといっぱい…人を助けなきゃって。
だけどできなかった!!
俺はただの人殺しだ!!
俺が信念だと思っていたものは俺のための言い訳だったんだよ!!
俺はもう俺を許せない」
絶望する悠二に真人は攻撃をしかけようとしたが、葵の術式で新田新と真人を入れ替え
葵は真人へと蹴りを入れると吹っ飛ばした
「ハハっ」
面白い!!
分かっていてもここまで混乱するものなのか!!
真人は葵の術式のカラクリをわかってはいるがまだ対応できず、葵の術式を面白がっていた
「ブラザー…オマエ程の漢が小さくまとまるなよ、俺達は呪術師だ。俺とオマエと!!釘崎!!Mr.七海!!あらゆる仲間俺達全員で呪術師なんだ!!俺達が生きている限り、死んでいった仲間達が真に敗北することはない!!
罪と罰の話ではないんだ、呪術師という道を選んだ時点で俺達の人生がその因果の内に収まりきることはない。
散りばめられた死に意味や理由を見出すことは時に死者への冒涜となる!!それでも!!
オマエは何を託された?
今すぐ答えを出す必要はない、だが…答えが出るまで決して足を止めるな。
それが呪術師として生きる者達へのせめてもの罰だ。」
あのことを今のブラザーに言う必要はないな…
葵は学ランを脱ぎ捨てると、真人へと向かい闘い始めた
新田新が悠二の背中に触れ、術式を施し傷をこれ以上悪化させないようにした
「いいですか虎杖くん、今まで受けた傷はこれ以上悪化しません。治ってはいませんが出血も止まり痛みもやわらぐでしょう、でも今ある傷だけです。また攻撃をくらえば傷は増えるし、その傷に関しては俺の術式対象外です!!あっちの子にも同じ処置をしました。呼吸も脈も止まってましたが時間はそんなに経ってないんで助かる可能性は0じゃない。俺は彼女を連れて離脱します、0じゃないだけですからね!!あんま期待せんといてくださいよ!!」
新田新は野薔薇を連れて硝子の元へと急いだ、その言葉を聞いた悠二は返事をすると少しだけ安堵した
葵と闘っている真人は位置替えをしてくると予想し、殴る位置を調整し黒閃を決め魂の本質を掴もうとしたが
葵は術式を発動し、葵の位置と悠二の位置を入れ替えた
ごめん、ナナミン
楽になろうとした…
罪すらも逃げる言い訳にした
七海に対する思いを込めた一撃は黒閃となり、真人へと放たれ吹き飛ばした
俺
ナナミンの分までちゃんと苦しむよ…
「おかえり」
「応!!」
葵はTシャツを破り、精神が崩壊しそうだった悠二と葵のお陰で持ち直し
葵の隣へと並び真人へと構えた