生まれて4年の月日がたち
自分で言うのもあれだが
四歳のわりに物分かりのよい子に成長した
母と二人暮らしの部屋は二人には十分の広さだが、世間的には狭い家になるのだろう
この部屋のしばらく使われてない台所とテレビとベッドしかない一部屋

母の隣には産まれてからずっと父の姿はなく
私には父親の記憶が一切無い

母はいつも綺麗に髪を結い化粧をしきらびやかな服を着て
家にくる男達は毎日違う人を連れてきては発情した猫のように甘えていた

「お金やるからお前は外にでも行ってな。」
母はいつものように千円札を私に掘り投げ私はそれを拾った

「ママ、大人しくしてるからお部屋にいちゃだめ？外は怖いのがいっぱいいるから嫌なの」

「あんたね！またそんなこと言ってるの！？いい加減にしてよ！気持ち悪いのよ！！」

私の言葉を聞いた母は私の顔を力強く叩くと髪を引っ張り、玄関の外へと放り出した玄関の鍵を閉めた

「ママ、ごめんなさい！もう変なこと言わないから許して！！」

「彼と遊んだらそのまま夜は仕事行くから。あんたは朝帰ってきな！」

顔は腫れ上がり、放りだされた私は泣きながら謝ったが聞いてくれず

流れ落ちる涙を拭きながら家から離れるため歩き出した