鈍感と鈍感
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引いてみろ、か。
確かにここに来て十数年押してばかりだったしな。
だからって今まで押してきたものをすぐに引くに変えるというのは私の性格上無理。
少しずつ変えていこう。
鬼灯様ももしかしたら、本当に嫌がってるかもしれないし。
と、考えを巡らせながら足取り重く閻魔庁へ向かった。
大きな扉を開けると、大王が亡者に判決を出した所だった。
しかし暴れ、鬼から逃げる亡者。
こちらへ向かってくる。
バタンッ
鬼灯の半分サイズの金棒で柚は亡者の腹部を殴り飛ばす。
「柚さんすみません、こいつ判決に納得いかないからって逃げ出して」
『いいのいいの、気にしないで』
「チッ、犬猫殴ったぐらいで…」
『ぁ?』
金棒で亡者の手を押し付け、痛みに叫び声をあげている中どすの効いた声で続ける。
『動物たちに手ぇ出してタダで済むわけねぇだろうが』
亡者をケツから殴り思い切りスイング、柱々に当たり止まった時には完全に気を失っていた。
「流石、柚さん」
「た、助かりました」
『早くこの生ごみを連れてってください』
「「はい!!」」
獄卒鬼によって連行されていった亡者。
「柚ちゃん帰ってきて早々ごめんねぇ」
『いえいえっあ、鬼灯様‼』
いつものように突撃しようとしたがお香さんの事が頭をよぎった。
『た、ただいま戻りました』
「はい、お疲れさまです」
鬼灯様はいつものように淡々と仕事をしている。
もうすぐ定時だが、この顔はまだまだ終わらないという感じだ。
『鬼灯様、他に手伝えることありましたら言ってください』
「いえ、もう定時になるので結構ですよ」
『私も鬼灯様の睡眠時間に貢献したいので。それに、もう少し一緒に居たいです』
「……でしたら、執務室で書類の整理を手伝って下さい。今日はそれで私の仕事も終わりますから」
『はいっ』
私と鬼灯様は執務室へと向かった。
「あんなに顔が真っ赤な鬼灯くん初めて見たよ。柚ちゃんは全然気づいてないみたいだけど。でも、ギャップっていうのかな、あれは確かに反則だよね」