逃げる貴女の影となり
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白い肌に点々と花が咲く。
上半身を剥き出しにされた名無しさんの肌は雪のように白く、そこに唇を押しあて咲かせた花は、雪に垂れた血のように思われ目を引いた。
半蔵が白い肌を吸い上げる度に名無しさんはくぐもった甘い声を出す。
……そう。
彼女は甘い声を出すだけで、その肌を無理やりさらけ出した時もほとんど抵抗をしなかった。
名無しさんをここに押し込め、伊賀の傀儡術を用いて自分の手込めにしようと
画策していたが、呆気ない程に彼女は半蔵に身体を許す。
逃げたす程に己のことが嫌いなのではなかったのか?
自問自答した所で答えは出ぬ。
従順な名無しさんに心が揺さぶられる。
これならば抵抗された方がまだよい。その方が何も考えずに事に及べる。
だか彼女は……まるで、半蔵のことを受け入れているような態度なのだ。
「んっ……」
胸の飾りを口に含めば、名無しさんはただ布団を掴み、半蔵が与える快楽に身を任せている。
半蔵を拒絶する気配がない。
名無しさんとは……ぬるい考えかも知れぬが相思相愛となってから肌を重ねたかった。そとそも彼女を忍とするつもりは最初から毛頭もない。忍に必要な気質を名無しさんは全く持ち合わせていない。
なら、なぜあのような偽りを告げたのか……
定められた相手として、己を見て欲しくなかった。
1人の男として、名無しさんには好いてもらいたかった。
忍とは正反対の彼女の鈍く、正直で、他人を疑わぬ真っ直ぐな気質……。そういったものに、半蔵は魅せられたのかもしれない。
名無しさんの胸の突起を優しく転がしていると、何かが自分の下腹部をすりあげてきた。
名無しさん。
見れば彼女の白い足が、まるでねだる様に半蔵の男を情欲的に撫で上げる。
これでは、まるで……。
誘うような名無しさんの足を捕らえれば、それは容易に開き半蔵の侵入を許す。
帯を手解き、残りの着物をすべて剥ぎ取ると彼女の深部へと指を沈める。
「んんっ……」
誰の侵入を許したことのないであろうソコは十分に潤っていて、男を受け入れる準備が出来ている。
だが、処女である名無しさんでは、このまま男を受け入れるのは辛いだろう。
さらなる快楽を与えようと彼女の下腹部に潜り込む。
「んっ……」
その時、今まで抵抗をしなかった名無しさんが身をよじり、ゆっくりと上半身を起こした。
彼女に盛ったのは一刻と持たない微弱な痺れ薬。
薬の切れた今なら一般人である彼女も自由に動けるだろう。
己を誘ったのは薬が切れるまでの時間稼ぎか?
名無しさんの真意を知りたく、ふらりと立ち上がる彼女の行動をただ見つめる。
逃げるのか?名無しさん。
影に魅入られし時点で、名無しさん逃げ場はない。
彼女はふらつきながら歩みを進める。
そして半蔵の目の前まで来ると、ストンと腰を落とししゃがみ込み、半蔵の胸の中にもたれ掛かった。
ふわりと舞った甘い気流を逃すまいと、驚きつつも半蔵はその身体を優しく受けとめる。
逃げるものと、思っていた。
ゆっくりと名無しさんの口枷を外すと、半蔵も忍の面を外す。びっくりした様な名無しさんの表情がとても愛らしい。目を丸くしている彼女の顎をクイと持ち上げ、その唇を優しく奪う。
名無しさんは、また驚いた様な表情を作るが、静かに目を閉じて男に身を任す。
数分……唇を交えていただろうか。
そっと唇を離せば頬を火照らした名無しさんが潤んだ瞳で見つめてくる。
「半蔵様……。お慕いしております」
その言葉が嬉しくて、今度は半蔵から名無しさんを抱き寄せ、放り出された着物を彼女に羽織らせる。
「影はただ……そなたに寄り添おう」
「はい」
彼女は半蔵の胸の中で目を瞑り、そっと男の背に腕をまわす。
「伊賀へ戻ろう。そのままでは傷に障る」
「あの……半蔵様がお望みなら、私はここで契りを交わしても構いません」
そう言って、ギュッと半蔵の手を握る名無しさん。
愛らしく、このまま衝動に身を任せたくなる。
「戻ろう。ここではなく、伊賀にて名無しさんを妻としたい」
名無しさんは大きく目を見開き、そしてゆっくり頷く。
「はい。それで……半蔵様。1つお願いがあるのですが聞いて頂けないでしょうか」
名無しさんの願い……
これには、今度は半蔵が大きく目を見開いた。