2.協力関係
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「で、別れたってわけ。花凜は可愛いしさ、好きになったならしょうがないっておもったけど……。やっぱり言って欲しかった。私から言わなかったらずっと関係を続けてたのかな?……笑っちゃうよね。」
「笑わないよ。」
今まで口を挟まず、黙って聞いていた氷川さんが呟く。
「とりあえず言えることは、その男が最低ってこと。言いづらいって何?自分が傷つきたくないだけじゃん。優しい彼氏でいたかっただけじゃん。……で?その友達とは今も仲良いの?」
「まさか……。別れてから言ったの。もう終わったから後は2人で好きにしてって。そしたら……。」
やっと堂々と付き合える。
あたしさ、最初からアンタのこと大嫌いだった。
友達も多くて、優しい彼氏もいて、クラスのみんなから愛されてますって感じで。
だからね。
奪いたかったの。
アンタより上にいきたかった。
「そう言われた。」
それにあの青い手帳を鞄から取り出して中のページを見せてきたの。
ハル君と一緒に写っているプリクラや切り抜かれた写真が貼ってあって、可愛いシールでデコられてた。
「……っ。」
黙ったままの氷川さんを見つめ、続ける。
それから直ぐ文化祭があって、その日にクラスのみんなに花凜が言ったの。
「ずっと好きだったハルと付き合うことになりました!」
手を握り合って見つめ合うハル君と花凜にみんなは祝福の言葉を投げる。
その後打ち上げでカラオケに行くことになったけど、私は行く気になれなくて帰ろうとした。
そしたら……。
「え、帰っちゃうの?唯乃ちゃんも一緒に打ち上げ行こうよ。」
「そうだよ。みんなといる方が楽しいし。」
「気まずいかもしれないけどちゃんと認めてあげないと。」
「花凜ちゃんはハル君を好きだったのにずっと唯乃ちゃんを応援してたんだから、今度は唯乃ちゃんが2人を応援してあげないと。」
は……?
意味がわからない。
なんて言い返そうか考えていると、こちらを見つめる花凜と目が合う。
にやりと笑った彼女は見せつけるようにハル君に抱きつく。
それを見て私は逃げるように教室を出た。
「それから卒業するまではクラスのみんなともほとんど話さなくなったかな。応援できない私が悪い、みたいな目でみんな見てくるの。」
裏切られたのに。
いっぱい傷ついたのに。
私が我慢しないといけないの?
あの時のことを思い出すと、今でもそう思ってしまう。
横に座る氷川さんを見るを顔を伏せていた。
こんな話し、急にされても困るよね。
「……なんとなく、わかる。」
「え?」
顔をあげた氷川さんは呆れた表情を見せた後、泣きそうになっていた。
「こっちの気持ちを無視して、どんどん入ってくる人苦手。状況とか理由とか知りもしないのに勝手に決めつけないでほしい。」
「……そうだね。」
その後、少しだけ氷川さんの中学時代の話しを聞いた。
私と似たようなことがあって、クラスの人達となるべく関わらないようにしてるのが分かった気がした。
「そろそろ帰ろうかな。」
夜からまた雨の予報だったはず。
氷川さんの団地の部屋はすぐそこだが、私の家までもう少し歩かなくてはならない。
傘をまた借りるわけにもいかないので雨が降り出す前に帰らないと。
「あのさ……。」
私が立ち上がると、氷川さんはこちらを見上げながら小さな声で呟いた。
「協力しない?」
協力……?
意外な言葉に歩き出そうとしていた足を止める。
「これからさ、クラスや学校の行事とか色々あるでしょ?その時、1人だとやりずらいこと沢山あると思うんだ。」
「……確かにね。」
「だから、その……。友達とかそういうのじゃなくてただ単純に協力出来たらなって……。私も美姫以外話せる人いないし。」
まぁ、そうだよね。
始まったばかりの高校生活。
不安もある。
ずっと1人って訳にもいかないし……。
「いいよ、協力しよう。」
氷川さんを見つめて微笑む。
心が軽くなって嬉しかった。
だからありがとうって伝えたら、顔を伏せる氷川さん。
「……かわいい。」
あまりにも小さい声だったから聞き取れなくて……
聞き返したけど氷川さんは顔を横に振った。
………?
まぁ、いいや。
今日はもう帰らないと。
右手ををあげ軽く振ると、氷川さんも立ち上がり右手を上げて微笑んだ。
こうして、協力関係という形で私の高校生活が色づきはじめた。