2.協力関係
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あれ、ハル君?
ノートや手帳が置いてあるコーナーにハル君は居た。
今日は家の用事があるって言ってたのに。
黒いTシャツにくるぶしが少し見えたズボン。
いつもと雰囲気が違っていて、ハル君が大人に見えた。
真剣にノートを見比べているハル君を驚かせようとゆっくり近づく。
しかし……数歩進んだところで立ち止まる。
なんで?
なんで?
なんで………?
2人が一緒に居るの?
ハル君の奥にいた人物を見て頭が真っ白になった。
ズキンと痛む頭を抑えて、隣の通路へと逃げ込んだ。
そして2人に見つからないように物陰に隠れながら様子を窺う。
胸の音がどんどん大きくなって、呼吸がしづらい。
すぐにでもこの店を出たいのに足は動かなくて……。
見たくないと、勘違いだと思えば思うほど苦しくなった。
「ハル、これどぉ?」
花凜が手にしていたのは青の手帳。
赤と黒のラインが入っているシンプルで小さめの手帳だった。
「いいじゃん。」
「でしょ?じゃあこれにしよ!」
そう言って花凜は近くの棚から、持っていた手帳と同じものをもうひとつ取るとハル君に手渡した。
「それも一緒に払ってくるよ。」
「やったぁ!ありがとう♪入口のところで待ってるね。」
ハル君は花凜が持っていた手帳も手に取るとレジへと向かって行く。
花凜はにっこりと笑うと軽く手を振り、店のドアのところへ歩き出した。
え?
あの手帳、2冊買うの?
お揃い……?
代金を払い終え、ハル君も店の外へ。
気付かれないよう少し間を開けてから私も外へ出て2人を追う。
見ない方がいいとは分かっていても、どうしても気になってしまう。
暫く歩くと花凜は右手をそっとハル君へと差し出す。
するとハル君は微笑み、花凜の右手を掴んだ。
恋人握り。
知らない人から見れば、2人は恋人同士にしか見えない。
やばい、吐き気がする。
気持ち悪い。気持ち悪い。気持ち悪い。
なにかの勘違い。
偶然会っただけ。
そう思いたかったけど、これはもう無理だ。
これ以上、仲良く微笑む2人を見たくなくて私は来た道を引き返した。
そして家に着くなり風呂場へ向かいシャワーを浴びた。
汗でベタついた体を丁寧に洗う。
洗面所で髪を乾かし親が帰ってくる前に部屋に引きこもった。
今日は金曜日。
あと2日経てば新学期が始まる。
勿論、その日までハル君と会う予定は無い。
なんであの2人が、とか。
いつからそういう関係だったのか、とか。
色々考えてしまい涙が溢れた。
今までのは全部嘘だったのだろうか……。
結局、寝つきが悪いまま日曜日を向かえ……あっという間に夏休みは終わった。
新学期が始まってから学校で会ったハル君はいつも通りで。
別れ話でもされるのかと思ったけどそんな雰囲気は感じられなかった。
花凜からも家族と旅行に行ったからとお土産をもらったけど素直に喜べなくて……。
色んな感情がぐるぐると私の中を回って疲れてしまった。
だから次の土曜日にハル君をお茶に誘って、花凜のこと好きなの?って聞いた。
ハル君は目を見開いた後、私から目を逸らした。
「あー……。」
歯切れが悪いハル君。
それだけで分かってしまった。
もうダメだなって……。
「夏休み、花凜と会ってたでしょ?……偶然見ちゃった。手を繋いでるところ。」
「ごめん、言いづらくて……。」
「もういいよ。終わりにしよう?」