2.協力関係
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なんとなくだったけど。
氷川さんには話してもいいかな、って思った。
中学の時、付き合っていたハル君の事を……。
氷川さんの返事を聞き、氷川さんが住んでいる団地までやってきた。
団地の棟が並ぶ間にあったベンチに2人で腰掛ける。
雨は降っていないのに、梅雨のじめっとした空気が2人を包んだ。
氷川さんが近くの自販機で買った飲み物を手渡してくれる。
ありがとう、とお礼を伝えれば笑顔になった氷川さん。
普段は見られないその笑顔がとても可愛くて胸が少し痛くなった。
重苦しい雰囲気の中、ゆっくりと口を開いた。
「私さ、中学の時付き合っていた人がいたの。」
中学2年になった時に同じクラスになった人……原田ハル。
同じ班になった時に初めて会話をした。
笑顔が爽やかで、サッカーが上手くて、頭も良い。
当然クラスの女子からも、上級生や下級生からもハル君は人気があった。
そして夏休み前。
一緒に海と夏祭りに行こうと誘われて、連絡先を交換した。
いつも一生懸命で、優しかった彼を見ていると胸が熱くなって……この時からもうハル君のこと好きだったの。
だから、水着も浴衣も新しく買ってメイクも覚えて……。
可愛いって思われたくて頑張った。
海に行った帰り道で告白されて、初めて手を繋いでキスをした。
とても嬉しくて、あの夏休みは毎日のようにハル君に会っていた。
そんな関係がずっと続くと思っていたけど、別れは意外と早かった。
中学3年になった時、丸山花凜が転校してきて友達になった。
可愛らしい見た目の花凜は男子からも女子からも人気があって、すぐにクラスの中心的存在になる。
「花凜、ごめん。今日は用事があるから先に帰るね。」
そう言って教室を出ようとすると、ちょうどハル君が教室の扉から顔を出した。
「あ、ハル君。」
「よっ!早く帰ろーぜ。」
「ほんと2人は仲良いねぇ。あぁー、羨ましい!あたしも彼氏ほしーい!」
「花凜……!仲良いって…ハル君とは図書館で勉強するんだよ。」
「はいはい、分かってるよ。でもさ、こうゆーの憧れる。」
「花凜も誰かと付き合ってみればいいのに。この間も隣のクラスの男子から呼び出されてたよね。」
花凜はため息をついて答えた。
「あー、あいつには興味無し。だってあたしよりバカだし?」
「…もー、そんな事ばっかり言って!」
「いいの。あたしにも理想通りの人がきっと現れるから。それまで待つ!!」
そんな話しをして笑いあう。
3人で過ごすことも次第に増えていった。
そして8月の終わり。
新学期に向けて文房具店を訪れた日。
見ちゃったの。