8.警告
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「体調もう大丈夫そうで良かった。ご飯は食べれる?」
「心配かけてごめん。食欲はまだ無いから暖かい飲み物だけにしとくよ。」
「そっか。」
自販機で飲み物を買い、保健室に入るとノリコ先生がいつものように出迎えてくれた。
「昨日はゆっくり寝れた?」
「先生昨日はありがとー、もう大丈夫!」
笑ってそう答えれば満足そうにノリコ先生も笑い、保健室から出て行った。
「……唯、何かあった?」
椅子に座りながらメロンパンをもぐもぐと食べているこゆんは、心配そうにこちらを見つめてくる。
「実はさ…昨日の午後、ハル君がサッカーの合同練習で明天に来たんだ。」
「えっ!…だから昨日…。」
「言わなくてごめん。その事ばかり気にしてたから朝から体調も良くなかったの。」
「…そうだったんだ。でももう済んだこと。暫くはうちに来ることも無いでしょ?あまり気にしない方がいいよ。」
「でもね、保健室の窓から見えちゃったの。雨宮君とハル君が何か話してるところ。しかも今日の朝、雨宮君から話しかけられて……。」
朝、八つ当たりしてしまったこともこゆんに告げる。
「あんなこと言いたかったわけじゃないのに。」
もう話しかけてくることも無いかもしれない。
それならそれでいいんだけど、雨宮君固まってたし、気にしてたら……。
嫌なことは嫌ってはっきり言った方がいいってこゆんは言ってくれたけど。
雨宮君の話しも聞かずに勝手に決めつけて、傷つけてしまった。
されて嫌なことを今度は私がしちゃった……。
「唯、雨宮君にちゃんと伝えれば大丈夫だよ。」
ガラッ
「そうそう!…やっほー。」
「「ヨータ!!」」
保健室のドアが急に開き、こゆんの言葉に同意しながらヨータが入って来て、空いていた隣の椅子に座った。
抱えていた沢山のパンを机の上に置くヨータ。
「あ、2人ともちゃんとご飯食べた?好きなパン選んでいいよ!」
「私はもう食べたから大丈夫。」
食べ終わった、メロンパンの空袋をヨータに見せるこゆん。
その後、ヨータは笑顔になり私へと視線を移した。
「唯は食べてないでしょ?そんなんじゃ駄目、駄目。これなら小さいからちゃんと食べなさい。」
優しい口調でチョコパンを差し出してきたヨータにお礼を伝えて受け取る。
ヨータ、お父さんみたい。
チョコパンの袋を開け、口に運ぶ。
甘いチョコクリームが口の中で溶ける。
あ、このパン美味しい。
「今日の朝、玄関でのやり取りちょっと見ちゃって…午前中もミナトずっとぼーっとしてたよ。」
やっぱり…。
ちゃんと謝らないと。
「ミナトってさ、お節介だし距離感おかしいし、エゴ強いし実は子供だし、考えがめちゃくちゃ自己中心なんだけど…。」
「え、あ…ヨータ?」
「悪いヤツでは無いんだよね。」
分かってるよ。
悪気が無いことも。
私に気を使ってくれたことも。
「あ、あとさ、俺もミナトも中学の時からこゆんのこと知ってたんだよ。」
「え?」
急にそんな事を言うヨータにこゆんも困惑していた。
その後、美姫がこゆんのことでヨータと雨宮君に相談していたことを知った。
「ミナトはそーゆーやつなんだよね。はっきり言うしキツく感じることもあるけど…美姫の相談に真剣に答えてたよ。」
「……私、謝りたい。」
「俺から何か伝えとこうか?」
「いや、大丈夫。自分で言わないと意味無いから。」
「そっか。でもあんまり思い詰めないでね。ミナトだし、案外すぐにいつも通りに戻ると思うから。」
「うん、ありがと2人とも。」
お礼を伝えれば2人も笑顔を見せてくれた。
ちゃんと伝えよう。
中学のことも、自分が思っていることも全部。
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