7.わだかまり
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2人が出て行った教室のドアを見つめる。
4人とも無言になり、誰も言葉を発せずにいた。
それくらい重苦しい空気が漂っていた。
「そうだ、ヨータここ教えて!」
そういえば…。
朝、こゆんに聞こうと思っていた数学の問題。
ぎりぎりで教室に入ったから結局聞けずにいた問題があるのを思い出し言葉にする。
ヨータは笑顔になり、どれどれ~?と問題を確認する。
いつもの雰囲気に戻るヨータ。
2人が一緒に出て行ったのをヨータが1番気にしてそうだったから、とりあえず安心する。
確認した問題をすらすらと解き説明してくれるヨータ。
うん、凄い分かりやすい!
こんな状況で説明が全然頭に入ってこないと思っていたけど…、そんなことは無く私にも理解できるよう丁寧に教えてくれた。
これで数学のテストも乗り切れそうだ。
「ありがとう、ヨータ。…あ、さっきも思ったんだけど……。」
「んー?」
「手大きすぎない?」
「ははっ、そうかな…。」
そう言いながら手にしていたペンを机に置くと、広げた手のひらを見せてきた。
うん。
ほんと大きい。
高校生の手じゃないみたい。
「ほんとだ、いいな~。」
こゆんも私達の会話が気になったのか、じーっとヨータの手のひらを見ている。
「バスケ部だった時、ボールをこう持つの憧れてたけど…。」
ボールを鷲掴むように自分の手を動かしているこゆん。
「ははっ、氷川さんの手じゃね…。」
「…!やっぱりそう、だよね。」
おっ!
何気に初絡み?
こゆんの正面に座る俊也君は、小さく笑いながらこゆんの手に合わせるように自身の手のひらを前へ突き出している。
ぎりぎり触れ合わないその距離に、こゆんは少し顔を赤くしていた。
俊也君も結構手が大きかったんだ。
いや、こゆんの手が小さすぎるだけ?
「え?こゆん、バスケ部だったの?言ってよ!」
「あ、って言っても私はヨータとは違って全然……。途中で辞めちゃったし。」
……ヨータ?
その言葉を聞いて、表情が固まっているヨータ。
何か気になることでもあるのか、黙ってしまったヨータは苦笑いしているこゆんを暫く見つめていた。
にしても……。
遅くない?
あれから30分経つのに、まだ戻ってこない2人。
自販機までそんなに遠くないのに……。
何の話し、してるんだろう……。
「2人、飲み物買いに行ってるだけだよね?随分かかるね…。」
「ね~。今カカオ育ててるところかもね。」
「え?そこから?」
こゆんも戻ってこない2人が気になっているようだった。
ヨータはボケているので、余裕はあるようにみえた。