6.矢印
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騒がしくしながらも勉強を再開したのだが……。
すぐに美姫の手が止まり固まっていた。
ちらっと美姫の机の教科書を見て私も固まる。
この間こゆんに教えてもらった問題よりも、難易度が高い問題に挑戦しているようだった。
まだ基礎が理解できていないのに、この応用問題は……。
難しい問題を解けた方が基礎は楽勝なんじゃないか、っていう考えを口にする美姫。
そんな考えする人、小学生だけかと思ってたよ。
ヨータも隣で笑いながら、美姫でも分かりやすいよう基礎から教えているが、彼女の表情は暗いままだった。
そんな美姫を見て雨宮君は呆れて声をかける。
「美姫ってほんとよく受かったよな。」
「だから今苦労してんじゃ~ん。」
「ていうか、ヨータってA高でもいけたでしょ?A高のがバスケ強いし。むしろなんで明天高校?」
「え。」
美姫からの純粋な問い。
返事に困っているヨータは少し間を開けた後、家から近いからと答えていた。
いや、分かりやすすぎるよ、ヨータ。
そんな表情見せられたら、こゆんも俊也君も気が付くと思うけど。
なんで美姫は気付かないのだろうか。
鋭いところもあるのに、自分のことになると鈍感だなぁ。
「いやいや、"あえて志望校下げて上位狙いで、指定校推薦取る為"なんて美姫の前では言いにくいでしょ。」
「……住む世界が違いますね。」
小さい声で呟く美姫。
「ちょっと、ミナトー!そんなんじゃないから。」
慌てた様子で全力で否定しているヨータを見ていたら……。
「あ、ヨータ!」
机の上にあった筆箱に腕が触れ、落ちそうになっていた。
咄嗟に伝えようとしたが間に合わず…ガシャーン!と音が鳴り響き床に中身が散らばった。
「も~っ、でたよヨータのおっちょこ。」
美姫は文句を言いながらも散らばってしまった筆記用具を拾い、ヨータに手渡している。
そんな2人を見て思わず笑みが零れる。
ほんとこの2人面白いし、お似合いなのに。
ヨータは気持ち伝えないのかな…?
もしかして…美姫が雨宮君のこと好きかもって勘づいていて言えずにいるのだろうか。
――――――――――――――――――
「俊也君って星流から通ってたんだね。」
「……うん。」
あれから暫く勉強し、解散した私達。
ヨータと雨宮君は私達電車組とは反対方向へと歩き出す。
4人で駅へと向かいながら歩き出したが…
美姫が小腹が空いたとこゆんを誘って、駅の近くにあるダイナマイトポテトを食べに行ってしまった。
なので今は俊也君と2人、電車が来るのを駅のホームで待っているところだ。
星流から通うのに2時間近くかかるはず。
時間だけじゃない、定期を購入してもそれなりにお金だってかかる。
進学や就職するのには明天の方が有利だから、両親もそこで説得したのかな。
それともやっぱり……あの口約束を覚えてるから……
わざわざ私と同じ高校に入学したのだろうか。
「俊也君、あの日言った事覚えてる…?」
どうしても気になってしまい、俊也君の様子を窺いながら聞いてみた。
「………。」