6.矢印
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ようやく試験勉強開始!
なんて思ったのに次に言葉を発したのは雨宮君だった。
「あ、美姫聞いて。俺別れた。」
「は!?また!?いつ!?」
「2日前。」
「えーっ、超最近!」
勉強とは全く関係無い話しで盛り上がる2人。
こんな内容の話し、私が聞いていいのか……。
でも隣に居る以上、嫌でも耳に入ってくる会話。
驚いて声が大きくなっている美姫とは対照的に雨宮君は冷静に答えていた。
ヨータは苦笑いで2人の話しを聞いていて、俊也君は興味無いのか視線は教科書へと向けられている。
こゆんは正面に座っている私の顔をちらりと見た後、シャーペンを持ちながら教科書とノートに書き込みをしている。
「もーっ、いつも俺フラれてばっか。」
いつも振られてるんだ。
……ていうか、そんなに別れて、付き合ってを繰り返してるの?
その事を平然と言葉にしている雨宮君は何も気にしてないようだけど。
雨宮君モテるだろうし、人気だからこそ不安や不満に思う事も相手の子は多かったのかな。
はぁ、とため息をついた雨宮君は隣にいた私に視線を向ける。
「これも意外?」
「え、あ……まぁそうなんだけど。あっさりしてるなって思って。振られたばかりって落ち込んだり、恨んだりするのかなって……。」
「全然?むしろちょっとの間だけでも好きでいてくれてありがと~って感じじゃん?」
………。
そう思う人もいるんだ。
「あ、軽そうに見えた?これでも一応傷ついてるからね、俺……。」
「あ、えっとごめん。」
無神経なことを言ってしまった。
どういう経緯で別れたかも知らないのに。
勝手な想像で意見を押し付けてしまうところだった。
そのまま私は机へと顔を向ける。
「じゃあさ。」
「え?」
机の上に置かれていた教科書に現れた影。
すぐそこに聞こえた声に反応して私は雨宮君へと振り向く。
思ったよりも近くにいた雨宮君は更に顔を近づけてきた。
「慰めてくれる?」
「………っ。」
目が合って笑顔になる雨宮君。
でも一瞬だけ…寂しそうな目をしていた気がして言葉に詰まる。
がしっ
「おい。」
「はい、ストップ~♡」
雨宮君の頭を掴む俊也君。
そして雨宮君の顔面を簡単に鷲掴む美姫はかなりご立腹のようだった。
「ミナト、ほんとそういうとこ。」
「え、待って握力…。」
潰れてしまうんじゃないかってくらい強く掴んでいる美姫。
慌てて止めようとしたけど、雨宮君の奥にいた俊也君と目が合って、ほっとけと言われてしまったので何も出来ずにいる。
するとヨータに呼ばれたので手招きしている彼の机へと歩き出した。
「唯、ミナトの話しはもっと適当に聞き流して大丈夫。」
「……うん。」
ようやく美姫は雨宮君から手を離したので、私も机へと戻ると
今度は、こゆんへと視線を向けながら笑顔で話しかけている雨宮君。
「ねぇ、そんなに警戒しないでよ。……氷川さんはどこの中学出身?」
「……霧ノ島。」
「へぇ、そっか。だから美姫と仲が良いんだね。」
「………。」
戸惑っているこゆんの隣を見れば、また不機嫌になっている美姫。
その視線はへらりと笑う雨宮君に向けられていた。
……これは今度ちゃんと美姫から話しを聞いた方が良さそうだ。
協力出来ることならしてあげたいし。