5.思考
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「えっと、久しぶり…?何か用事あった?」
「昼にヨータとミナトと話してただろ。」
「……うん。」
「あの2人との関係は?…今まで一緒に居たとこ見た事ないけど。」
俊也君の目が鋭くなる。
関係って言われても……。
「ヨータとは昨日たまたま知り合って…。5組の美姫とは中学からの友達だったから一緒に試験勉強しただけだよ。今日も公民館で待ち合わせしてるけど……。」
「"ヨータ"ねぇ。随分仲が良いんだな。ミナトとは?」
「雨宮君は別に…。こゆん…氷川さんの知り合いだったらしくて、たまたま近くにいた私とも顔を合わせたことがあるくらいで関係は無い、よ……。」
元々無口な彼だが、何やら怒っているようで今日は一段と機嫌が悪そうだ。
「なんなの?…2人と知り合いだとマズいの?」
「いや、そういうわけじゃないけど…。ヨータを見て何か感じねーか?」
「……黒髪で前髪を上げてるとこ、笑った顔……ハル君に似てるって思ったけど。ヨータはハル君と関係ないでしょ?」
「そーだけど……嫌な事思い出すだろ。」
「……それは私の問題であってヨータは悪くない。」
そんな理由でヨータを避けたら彼に失礼だ。
ヨータは優しいし、私が嫌がることは絶対してこないだろう。
「オレは心配なんだよ。新しい友達も出来たみたいで安心してた……。けど、あの2人…特にミナトとはあまり関わらない方がいい。」
え、雨宮君?
ヨータじゃなくて…?
「あの時の……泣いた顔はもう見たくないんだ……。傷ついてほしくない……。」
声がだんだんと小さくなり、顔を伏せる俊也君。
拳を握りながら少し震えているように見えた。
「……俊也君、ありがとう。でも大丈夫だよ。ヨータとはハル君と関係無しに普通に友達になれそうだし……。雨宮君も悪い人では無さそうだけどちょっと苦手だから、極力近づかないようにするし。」
「そう、だな……。オレが決めることじゃねーよな。付き合わせて悪かった。」
「ううん、じゃぁね……。」
膝に乗せていた鞄を肩にかけ立ち上がると、改めて俊也君にお礼を伝える。
手を振り立ち去ろうとすれば……。
「……唯乃。今さ、楽しいか?」
「うん。楽しいよ……?入学したばかりの頃はさ…友達は要らない、1人でいいって思ってた。でも、こゆんと美姫といると凄く楽しいの。中学での事、忘れさせてくれる。」
「そっか、ならいい…。」
私の言葉に頷くと俊也君も立ち上がりこの場を去った。
俊也君、急にどうしたんだろ。
こっちから積極的には関わりはしない、だろうけど…。
きっと昼間みたいに声をかけられる事はこの先もありそうだ。
その時私は…どうしたらいいのだろう。
今日はヨータに会うのやめとこうかな。
でも公民館に行かなかったら、明日こゆんと美姫が心配するだろうし。
その時の言い訳を考えるのも面倒だ。
んー。
とりあえず…。
もう少し時間を潰してから行こう。