5.思考
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「ちょっと、上城!冷気入るから出るならさっさと出る。」
後ろからノリコ先生に背中を押され保健室の外へと足が出る。
そして保健室のドアを閉められてしまった。
怒られちゃったね、ごめん。と謝ってきたヨータに顔を横に振る。
「いつもあんな感じだから大丈夫。」
「そっか…!」
「上城さん、次授業4階?俺らも上行くけど…。」
「い、いや……4階だけどこゆん待ってから行くから。」
これは一緒に行く流れかなって思って思わず断ってしまった。
「そう…。」
「じゃぁ……。」
感じが悪い言い方になっちゃって、しまったって思った。
無表情でこちらを見ている雨宮君から目を逸らし歩き出す。
その際にヨータがまた後でね!と声をかけてきたので手を上げてから振り返った。
あ、俊也君……。
振り返った先に立っていた男子生徒、北村俊也は同じ中学出身だ。
中学の時はハル君と同じサッカー部で親友だったので私とも仲良くしていた。
そういえば6組だからヨータや雨宮君と居るところ、何度か目にしたことあるかも……。
2人とも目立つ生徒なのに、今まで意識してなかったな。
学校ですれ違っても俊也君には会釈するか手を振り合うくらいしか関りが無い。
今度2人と仲良いのか聞いてみよ。
私達をじっと見ていた俊也君に軽く頭を下げて立ち去ろうとしたら……。
「唯乃、今日ちょっと時間ある?」
話しかけられて、歩き出した足が止まる。
「え…?うん、ホームルーム終わってからでいい?」
「いいよ。また連絡する。」
用件だけ伝えると、俊也君はヨータと雨宮君の後を追うように歩き出した。
はぁ……。
もうびっくりしたなぁ……。
会話するのもかなり久しぶりだ。
入学式と夏休み前に少し話ししただけだから、まさか俊也君から声をかけてくるとは思わなくて……。
入学式でも俊也君を見かけた時はほんとに驚いたよ。
まさか同じ中学出身の人がいるとは思わなかったし、俊也君はハル君と同じ地元の高校へ入学すると思っていたから。
LINEのIDと電話番号を変えたから新しい連絡先を交換したけど今まで連絡をしたことも来たこともない。
でもなんだろ……。
急な用事?
もしかしてあの時の約束…まだ覚えてるのかな。
その後トイレに行って保健室に戻ると、こゆんが紙パックの飲み物を口にしながら待っていた。
「待った?」
「いや、私もさっき来たとこ。」
「こゆん、今日の自習室ちょっと遅れてくから先に行ってて。」
「うん。何か用事?」
「……まぁ、そんなとこ。」
「唯、1人で大丈夫?」
昨日の絡まれたことを気にしてくたのか、こゆんは用事が終わるまで待つよ。と言ってくれたが、どのくらいかかるか分からないからと伝えて断る。
こゆん達の試験前の貴重な時間を奪うのも気が引けるし。
そして帰りのホームルームが終わったのでこゆんに手を振って教室を出た。
俊也君からまだ連絡はきてなかったので
靴箱の近くにある休憩スペースで待ってる。とLINEをおくる。
そこで10分程待つと彼が来て私の横に座った。