5.思考
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次の日のお昼。
こゆんと2人、保健室でご飯を食べていたのだが……。
担任の先生に呼ばれていたことを思い出したこゆんは急いで菓子パンを平らげ、保健室を出て行ったので今はノリコ先生と2人きりだ。
お弁当を食べ終え、スマホを取り出し最近ハマっている"猫猫すみか"のアプリを立ち上げる。
いろんな種類の餌や寝床を集めて猫タウンの庭に設置して住み着いた猫を育てるゲームだ。
あぁ!かわいいっ!!
今の私にとっての癒しで、朝起きた時、学校に着いた時、お昼休み、帰宅後、寝る前には必ずスマホを手にしてしまうほどだ。
あ、そう言えば……。
"こゆん"と名付けた白い猫を見ながら思い出す。
こゆん、今日もパンだけだったな。
私はお母さんが作ってくれたお弁当を食べることがほとんどで……。
朝忙しい時だけはコンビニや校舎にある購買でパンを買っている。
でもこゆんの両親は離婚していて、お母さんは仕事が忙しいみたい。
だからお昼ご飯がパンのみなんてことはしょっちゅうある。
この間なんか買うの忘れた、とか言って昼抜きで過ごしていた。
もう、だからそんなに細いんだよ。
と心配になり注意したが、本人は気にした素振りは見せなかった。
お母さんにまたお弁当作ってもらおう。
その事をお母さんに相談したらお弁当を2つ作ってくれた。
きっと高校でちゃんと友達がいるという事が分かって嬉しかったのだろう。
こゆんも最初は遠慮して受け取ってくれなかったが捨てるのは勿体ないし、お母さんが残念がるよって伝えれば受け取って食べるようになってくれた。
なので様子を見て月に2回ほどこゆんにお弁当を渡している。
試験勉強、今度はウチに誘って夜ご飯を一緒に食べるのもいいかも……。
さて、こゆんが戻って来る前にトイレ行っとこ。
「ノリコ先生ちょっと出ます!こゆんが来たらすぐ戻るって伝えて下さいー。」
「はいはい。」
立ち上がりながらそう先生に伝えれば、しぶしぶだったが頷いてくれた。
そして保健室を出るためドアを開けると……。
ガラっ
「……!」
び、びっくりしたー…。
前に出した足を戻し、目の前にいた雨宮君を見上げる。
彼も驚いた表情を見せたが、一瞬で笑顔になると保健室の方へと体を乗り出した。
「あ、上城さんじゃん!やっほ!なんで保健室?ケガとか…?」
あれ、私名前言ったけ?
まぁ同じ学年だし、名字くらい知ってるか。
「え、いやケガではない……です。」
「え?なに、なに?」
聞きなれた声が聞こえたかと思えば雨宮君の後ろから顔を出したのはヨータだった。
「あ、ヨータ。」
「おー、唯!」
安心して思わず笑顔でヨータを見る。
するとヨータも微笑みながら私の名前を呼んだ。
「具合悪いの?大丈夫…?」
「いや、先生に呼ばれたこゆんを暖房にあたりながら待ってるだけだから大丈夫だよ。」
「何それ~、ははっ。今日そんなに寒い?」
「寒いよ、9度って言ってた!」
「昨日も思ったけどカーディガン着ないの?」
「1月まで我慢してるの!…今日はコンタクトなんだね?」
「ははっ!ほんと面白いねー。夜は寒いから着た方がいいよ。今日はばっちり見えるよ。」
そんな会話で盛り上がっていたら、雨宮君が無言になり不満そうな表情になっているのに気が付いた。
もしかして、怒らせた…?
ヨータと話しただけなのに…。