4.似てる人
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………。
なんだろう。
少しだけ、もやっとした。
羨ましのかな。
こゆんと美姫。
美姫とヨータ君。
2人の周りには見えない線が引かれていて。
近づけるのに、その線を踏み越えようとすれば金縛りにあったかのように体が動かなくなる。
踏み越えてしまったら、今の関係が崩れてしまいそうで……。
無意識にストッパーをかけているのだろう。
「上城さんも座りなよ。」
「あ、うん……。」
はっと我に返ると、3人は自販機の隣にあるスペースに座っていた。
おしるこの缶を受け取ったまま、ぼうっと立っていた私も美姫の左隣に腰を下ろした。
「さっきも言ったけど、俺ら中学の時塾同じさ。よく美姫とミナトと3人でいたんだよね。」
「ミナ…あ、雨宮君か。」
「え、こゆんミナトも知ってんの?」
「いや、知ってるというか…。」
「絡まれてたんだよねー、かわいそうに。適当に無視していいよ。」
歯切れが悪いこゆんに助け舟を出すヨータ君。
「ヨータ君は雨宮君と仲悪いの?悪意のある言い方…。」
「ははっ。じょーだん、じょーだん。」
「………。」
そんな会話を聞き、また不満そうな表情に戻る美姫。
「まさか、唯もミナトと知り合い?」
「この間、こゆんと歩いてたら話しかけられたけど……。それだけで知り合いではない、よ。」
「……そっか。」
……?
美姫?
おしるこを飲みながら黙ってしまった美姫。
彼女の顔は暗いままで、何やら考え事をしているようだった。
「氷川さんって周りからこゆんって呼ばれてるの?」
「いや、美姫と唯くらいです。」
「こゆん。」
「はいっ。」
「うん、良いあだ名。……唯。」
「はい……?」
名前を呼ばれ、戸惑うこゆん。
そんな彼女をちらりと見た後、私へと視線を移すヨータ君。
唯って2人以外から呼ばれたことがないので変な感じがしたけど、嫌では無かった。
「ていうか俺もヨータでいいよ。くん付けで呼ばれるの苦手だし。敬語も禁止な。」
「わっかる~。私も"美姫ちゃん"より"美姫"のが落ち着くー。」
そっか。
友達だったら全然気にしないけど、あまり話したとが無いクラスメイトにいきなり名前やあだ名で呼ばれたら嫌だけど、な……。
2人は違うのか……。
学校の話しで盛り上がり、30分ほど飲み物を飲みながら休憩した。
その後、ヨータに駅まで送ってもらった。
「あ、ヨータ。明日もいる?」
「うん、いるよー。」
「じゃあまた明日ね。」
改札前で手を振っていたヨータ。
それを見て私も手を上げて軽く振った。
凄くいい人だ。
明るい雰囲気で積極的な人だけど、無理に私達の中まで入ってはこない。
優しく手を引かれて暗闇から外の世界へ連れ出してくれる太陽みたいな人。
そんな感覚だった。
美姫が心を許してるのが分かる気がするな……。