4.似てる人
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「遅いし、悪いよ。」
「ヨータ君は家この近くなの?」
だったらわざわざ駅まで一緒に来てもらうの悪いかな、と私も思う。
「少し歩いたところだけど、もう少し時間潰してから帰りたいんだよね。それにまた何かあったら困るでしょ?」
「「あ、……。」」
その言葉に公民館へ行く前の出来事を思い出し、何も言えなくなってしまった。
またあんなことがあったら最悪だ。
夜も遅いと人通りが少ないし、柄が悪い人達に捕まったら逃げるのにも一苦労だろう。
この重苦しい空気に反応した美姫はヨータ君から説明を聞くと物凄い顔をした。
「はぁ?なにそいつら、ぶん殴ろーよ…!」
怒りながら右腕を上げた美姫をなんとか宥める。
「ヨータ、あの自習室よくいるの?」
「あー、うん。弟と妹まだ小さくて家の中うるさいから…。」
「あ、そっか。今何歳だっけ?」
「2人とも3歳。」
3歳…?
想像してた年齢よりも幼くて驚いた。
3歳の双子、かぁ。
大変な事も沢山あるんだろうけど、可愛いんだろうな……。
だからもう少し時間潰してから帰りたいって言ったのかな。
「あ、ちょっと待って~。」
話しに夢中になっていたが、すぐそこにあった自販機を見つめたヨータ君が足を止める。
「勉強頑張ったから糖分補給しないとね。」
「私も買お~。」
お金を入れたヨータ君に続き、美姫も飲み物を買うようで後ろから覗き見ている。
手が冷たくなってきたので、私も買おうかなって思っていたら……。
「3人も選びなよ。」
「え、いいの!?」
「美姫、おしるこでしょ?」
「わかってんねー♪ヨータ、ありがとーっ。」
ヨータ君が奢ってくれると言ったので美姫は嬉しそうに右腕を自販機へと伸ばす。
その時……。
ジャラジャラ…
チャリーンっ
「ギャー、なんで!?」
ヨータ君が持っていた財布を傾けてしまい、中に入っていた小銭を全部下へと落としてしまった。
あれ、今……。
足元に落ちたしまった小銭を拾い、謝っているヨータ君へと渡す。
その時の彼の顔を見て分かってしまった。
………。
…ま、私が触れていい話題じゃないし。
忘れよ。
「氷川さんと上城さんは?」
受け取った小銭を財布に戻し、自販機を指さすヨータ君。
「あ、いや私は…。」
「私も…自分で買うので……。」
そんな私達の反応に、美姫とヨータ君は顔を見合わせてニヤリと笑った。
「じゃ、美姫代わりに選んだげて。」
「任せい。…うーん、こゆんはコンポタで唯は紅茶かな~。けど私がおしるこ飲みたいから2人もおしるこ!!」
「いや、何それ。」
「だって同じの飲んで一緒においし~って言いたーい。」
「ははっ、自己中~。」
イヒヒと笑顔を見せる美姫とヨータ君。
仲良いな……。
美姫のこの笑顔はなかなか見られない。
中学からの付き合い、だもんね……。