4.似てる人
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5分ほど歩くと公民館にたどり着いた。
自習室へと入るとずらりと並んだ机で勉強する人が数名いた。
その静かな空気に少しの間足が止まったが、空いていた後ろの席へと歩き出し座る。
ヨータ君が奥、その隣にこゆんが座った。
お、珍しいな。なんて思いながらこゆんの表情を見ればとても柔らかくなっていて私も微笑む。
お喋りしに来たわけじゃないから私は前に座ろ。
さて、数学の範囲もう1回見直さないと……。
――――――――――――――
「…え?」
暫くすると美姫が自習室のドアを開け中に入って来た。
口元に人差し指をあてているこゆんとヨータ君の顔を見比べて、目を大きく見開いた。
そんな美姫に軽く手を振ると、私の隣に座った。
「いや…何、なに?どういうこと?どういう組み合わせ?」
後ろを振り返り、こゆんに詰め寄る美姫。
「美姫、しずかに……!」
周りに居た人達がじろっと私達へと振り返ったので、美姫の耳元へ顔を近づけて注意すると、美姫は頭を下げ小さい声で謝った。
納得してないようで、不機嫌そうに椅子に座り直した美姫は鞄からノートと教科書を取り出した。
「ねぇ、後ろの2人って初対面だよね?」
"なんか顔見知りみたいだよ。…終わってから詳しく聞いてみたら?"
コソっと耳打ちで話しかけてきた美姫。
その問いに私は開いていたノートにシャーペンでさらっと書いた文字を美姫に見せた。
不貞腐れながら頷いた美姫は小さくため息をつくと、ようやく教科書へと視線を移した。
この自習室で試験勉強を始めてから3時間が経過した。
とても静かで集中して勉強する事ができたのであっという間に時間が過ぎていた。
私と美姫の肩にそっと手が触れたので後ろを振り向く。
そろそろ帰ろ。と口パクで話しかけてきたこゆんに頷き、机の上に広げていたものを鞄へとしまう。
4人で公民館を出た途端、美姫は隣を歩くヨータ君へと不機嫌そうに話しかけた。
「も~!!ビックリするじゃん!!ヨータとこゆん接点あった!?てか、2人も来る前にヨータがいること教えてよ!」
「俺が言わせませんでした~。」
「もーっ!こゆんも唯も何ノッちゃってんの!」
「……。まぁまぁ、落ち着いて。成り行きでそうなっただけだからさ。」
「そーだけど!」
暫く文句を言っていた美姫だったが、ヨータ君が駅まで送るよと言ってくれたので、ころっと態度を変え嬉しそうにしている。
今日が初めまして、なのに。
既に馴染んでいるヨータ君。