4.似てる人
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「氷室さん、とお友達は家この辺?」
氷室さん。
ってこゆんのこと?
チラっと横を見ると、こゆんは一瞬苦笑いしていたけど直ぐにいつもの表情に戻っていた。
「いや、公民館に行きたくて…。」
「え、俺もそこ行くとこ!じゃ、一緒に行こっか。」
「……うん。」
こゆんに続き、私も頷く。
「あの…名前を…教えてください。」
ゆっくりと歩き出すと、こゆんが口を開いた。
名前、知らなかったのか。
男子生徒も氷室って呼んでたし……。
知り合いってわけでもなさそうだ。
「え!?あ、そっか。俺名乗ったことないよね、ゴメン。"陽太"。呼び捨てでいいよ。よろしく氷室さん、と……?」
「ごめん…実は氷室じゃなくて氷川です。」
「えっ、嘘……ごめん~。てか、早く言ってよー。」
「いや、まぁ名字に愛着ないから。」
こゆんの返事を聞き笑いながら私へと振り向くヨータ君。
「あ、私は上城です。2人は知り合い?じゃないの……?」
「この間の…学校の階段で少し話したことがある程度で、知り合いではない……よ。」
そっか。
雨宮君と一緒にいた男子生徒はこの人だったのか。
「公民館ってここから後どのくらい?」
「あと5分くらいで着くよ。」
「すぐそこだったね。」
「そうだね。」
こゆんと顔を見合わせて笑う。
「2人って美姫と仲良いの?」
「えーっと、幼馴染。家近くて……。」
「私は高校から友達に…。最近は3人で勉強したりしてるけど…。」
「あ!そうなんだ!」
凄く嬉しそうな声で振り返ったヨータ君。
「俺さ、中学ん時美姫と塾一緒でさ……。美姫ってさ"あのまま"の方が絶対いいよね。」
その言葉に私達は思わず吹き出して笑った。
「私もそう思う!」
「だね。クラスでも無理せず過ごせばいいのに。」
「だよな~、マジもったいねー。」
ちゃんといるじゃん。
偽った自分じゃなくても見ててくれる人。
傍にいてくれる人……。
ヨータ君の明るい表情を見て安心した。