4.似てる人
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あ~……。
せっかく気が付いてくれたのに……。
でも仕方ないよね。
友達やクラスメイトって訳でも無いし。
私達が助けて欲しいと思っているなんて思いもしないだろう。
「スルーされてんじゃん。笑。」
「なんかガン飛ばされてるし。ドンマイ。」
この2人組は笑いながら盛り上がっている。
「まぁ、いーじゃん。今から遊びに行くんだし。」
「行きません!」
「道案内する気、始めから無いですよね?迷惑ですっ!」
「いやいや、行くでしょ。そういうノリじゃん。」
更に強く手を引っ張られて、少し怖くなってきた。
このままだとほんとに連れ去られる……?
いや、今は駄目。
こゆんも居るんだし。
チラッとこゆんを見れば泣きそうな顔をしていた。
それを見て覚悟を決める。
「だから行かないって!!離してくださいっ!!」
大きい声で叫んで、掴まれていた腕を振りほどく。
そしてこゆんの腕を掴んでいる手も思いっきり強くぶん投げてやった。
突然のことで、固まってしまった男性達を睨んでから、こゆんの腕をそっと掴んで走って逃げようと振り返ったら……。
ドス
「んっ!」
大きな壁にぶつかった。
ぶつかった人物を見上げれば、反対側を歩いていた男子生徒が立っていた。
デカすぎっ!?
遠くから見てだけでは気付かなかったが……
めちゃめちゃ身長が高い男子生徒。
こんな目立つ人、学校にいたんだ。
今まで気にした事無かったな。
「ごめん、大丈夫?…あ、やっぱり。1回スルーしちゃってごめんね。」
男子生徒は私に謝ると、隣にいたこゆんへと視線を移す。
こゆんの知り合い……だったのか。
はぁ、でもこれで助かった。
こゆんの強張っていた表情も少しだけ柔らかくなり安心したように彼の耳元に顔を近づけた。
それに合わせて彼は屈む。
「あ、あの…友達のフリしてください。」
「え?」
「友人と合流できたのでもう大丈夫です!では!!」
状況を把握できていない男子生徒の背中を押しながら私の腕を掴み歩き出すこゆん。
奴らが見えなくなったところで、物陰に隠れつつ後ろを歩いていた男子生徒へと振り返る。
「はぁ…。なんとか逃げられたね。あの、ありがとうございました。」
「そうだね。ありがとうございました。」
ぺこりと2人で頭を下げ、男子生徒にお礼を伝える。
「え~、俺何もしてなくない?…さっきの知り合いじゃないの?」
「全く知らない人です。」
「なんか絡まれて……。」
私もこゆんも首を横に振る。
「へぇー、モテモテじゃん。」
「!そんなんじゃない……!!」
大きな声を出して否定したこゆんに男子生徒はたじろぐ。
「あ、えっと…ああいうのはモテてるとか好かれてるとかそういうのじゃなくて……。自分達だけが楽しければいいみたいな、むしろ下に見られてるだけだから…あまり喜べるやつじゃないかな、って……。」
「こゆん……。」
こゆんの声がだんだん小さくなり、ついには口が止まってしまった。
そんな彼女の隣に立つと男子生徒は少し考えた後私達へとゆっくり歩み寄る。
「んー、あいつらぶん殴っといた方が良かった?」
「そこまでしなくていいです。というか、逃げる為に利用するみたいなことになってすみません。」
「えぇ?なんで、全然いいよ。そんなので嫌な気分にならないって。」
ははっと笑った男子生徒を見て思わず固まる。
その優しく笑う表情がハル君にちょっとだけ似てる気がして……目が離せなくなった。
なんで、思い出しちゃうかな……。
もう1年以上も前に終わったことなのに……。
心の奥がもやもやしてて、これから先もずっと晴れることがないのかなって思ってしまう。