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つぶやき

記事一覧

  • それさえも(流川夢)

    20220421(木)08:28
    朝の駐輪場で珍しい光景を見た。驚きすぎて思わず、自分が乗ってきた自転車の鍵をかけ忘れるほど。

    「流川くんおはよ」
    「はよ」

    これまた珍しい。
    いつもなら目をしょぼしょぼさせて、絞り出すような声で「……おう」って言ったり、声も出さずにコクンと頷くだけの日もあるのに。そんな流川くんがハッキリと朝の挨拶をするなんて…。今日は雨?はたまた雪でも降る?今は4月だけど。
    2年生に進級してマサカの先輩自覚がでてきた?いや、流川くんに限ってそんな事はないよね。


    「なに珍しそーな顔してんだ?」

    乗ってきた自転車を、まだスカスカに空いている駐輪場へ停めると、流川くんは私の顔を覗き込んで言った。

    「だって流川くんが朝からこんなに意識ハッキリしてるだなんて…」
    「なんか目が覚めた」
    「極端すぎない?まだ8時前だよ?」

    私はクスクスと笑いながら、先程かけ忘れていた自分の自転車の鍵をかける。なんにせよ朝イチで大好きな人に会えたことはハッピーだ。鍵をかけ終えた私は顔が緩みっぱなしのまま、流川くんの隣に並び駐輪場から歩き始めようとしたその時、彼はじっと私の顔を何も言わずに見つめてきた。

    「え、な…なに?なんかついる?」
    「ついてる」
    「え?!」

    そう言われ、私はペタペタ自分の顔を触る。冬の風にあたったせいか、頬を冷たくなっている。条件反射的に触ったけど、鏡で見ないとわかんないよね…そう思った私はカバンの中にあるポーチから鏡を取り出そうとカバンのチャックを開けた時「おい」と頭上から声が聞こえてきて、顔をあげる。そこには想像よりもはるか近くに、流川くんの顔が目の前にあった。前髪が触れ合ってしまいそうなほど。

    「クマ」
    「へ?」
    「ついてんのは、クマだ」

    く……ま?あぁ!目の下にクマができてるってことね!え、恥ずかしい!!思わず私は両手で自分の目を塞いだ。確かに昨日は寝るのが遅くなってしまって寝不足なんだよね。こんな顔見られたくなかったなぁ…というよりも

    「よく気付いたね」

    そっと目を覆っていた手を離し、流川くんへと問いかけたその瞬間…私の目の前は暗くなり、唇に柔らかな感触を感じた。幾度となく触れ合った事のあるソレは流川くんの唇だ。イコール、私はたった今彼にキスをされた事になる。

    「?!る、流川くん?!」
    「どーした」
    「どーしたじゃなくて、ここ学校です!」
    「んなもん知ってらー」

    だからどうしたと言わんばかりの顔に、なぜか私がおかしな事を言っているような雰囲気に持っていかれている。その証拠に流川くんの顔が再び私の目の前まで近づいてきているのだから。そしてソレに抗う事ができない私は全てを彼に支配されている証拠。

    でもそれさえも心地よいーーーー。

    夢つぶやき

  • 特別な日(神夢 社パロ)

    20220403(日)17:25
    全部が好き。
    顔も、声も、しぐさも、たまに厳しいところも、それでも絶対的な優しさも。全部全部大好き。
    神くんが大好き。

    「さ、寒い」

    気が付けばもう11月、あとひと月で今年も終わりを告げる。どうして1年はこうもあっという間なのだろう…毎年頭を抱えたくなるほどの月日の速さに目がくらんでしまう。春、夏、秋、冬、思い起こせば私の隣にはずっとこの人がいたーー。

    「もう少しで12月だしね、そりゃ寒くもなるよ」

    そう言って私に手を差し出すこの人は、神くん。私の愛しいその人である。その手に触れるとキュッと大きな手に私の手は包み込まれた。そして「冷た!」と彼は大きな目を更に大きくして驚いている。よっぽど私の手が冷たかったのだろう。

    「神くんの手はあったかいね」
    「誰かさんが冷たすぎるんじゃない?オレもどっちかと言うと寒がりだし」
    「2人して寒がりだね」
    「まぁ、こうすれば少しは暖かいでしょ」

    2人繋いだ手を神くんは自分のコートの中へと招き入れる。彼の大きな手に包み込まれるのが幸せで、私は自然と顔が緩む。もう何度も触れ合った事があるけれど、どうしてこうも彼と一緒にいると幸せな気持ちが溢れ出すのだろう。何年も一緒にいるのに、いまだに神くんの言葉や仕草にドキドキしてしまう。そして反対に不安になる事だってある。まるで甘酸っぱい初恋がずっと続いているかのようだ。もういい大人なのにね。




    「今日は本当にありがとう、すっごい楽しい誕生日になりました」
    「喜んでくれたならオレも嬉しい」

    今日は私の誕生日だったのだけれど、朝から神くんと一緒にいる事ができて最高のバースデーになった。だからこそ別れの時間が近づくと寂しい気持ちがどんどんと湧き上がってきてしまう。出てこなくてもいい、悲しい負の感情が。さっきまで楽しく街中を歩いていた事がもう随分前の出来事のようだ。

    私の家のすぐ近くで神くんは車を停める。私が車から降りると、神くんも運転席から外へと出て私の目の前まで歩いてくる。チクチクと痛む胸を抑えながら笑顔を神くんに向けた。

    「ここで大丈夫だよ、またね」
    「うん」
    「神くん気をつけて帰ってね」
    「……ごめん」
    「え」

    いきなり神くんが謝った事に戸惑っていると、私の手首は彼の大きな手につかまれる。そしてそのまま身体は神くんの腕の中へ包み込まれた。

    「今日はこのまま奪ってもいい?〇〇の事」
    「…………うん」

    拒否なんてできるはずもなく、私たちは再び車に乗り込んだーーーー。


    夢つぶやき

  • 前日彼女の家に泊まって職場に行くと同僚から「なんか髪の毛いい匂いする」って同僚(男)から言われると

    20220331(木)18:03
    〇洋平
    「あぁ、彼女んちのシャンプーだな」
    サラッとフツーに言う。

    〇リョータ
    「へへへ~~~いい匂いでしょ♡」
    と楽しげ

    〇三井
    「あ?き、気のせいじゃね?」
    なんか照れちゃう

    〇花道
    「?!」
    一生懸命自分の髪の毛を嗅ごうとする

    〇流川
    「アイツんちの」
    彼女、とは言わない

    〇信長
    「まじ?…なんかはっず」
    照れながらも嬉しそう

    〇神
    「嗅がないでもらえる?オレの彼女の香りだから」
    黒神降臨

    〇牧
    「自分じゃ気付かないもんだな」
    困ったように笑う

    〇藤真
    「お前には縁のない匂いだろ」
    豪快に笑いながら

    〇花形
    「そうか…けっこうわかるもんなんだな」
    ちょっと照れる

    〇沢北
    「いい匂いだろー!ほら!」
    頭突き出してくる

    〇深津
    「そろそろずっとこの匂いになるかもしれないピョン」
    まさかの結婚匂わせ

    〇諸星
    「なんか彼女と同じ香りって照れんな」
    ニカッと笑う

    〇岸本
    「昨日はあつい夜やった…」
    そこは聞いてねぇよ

    〇南
    「そうやろう。オレのシャンプーやないからな」
    別に特別なことじゃない感

    〇土屋
    「ええ匂いやろ、うちの彼女ちゃんこーゆとこも可愛いねん♡」
    彼女自慢

    〇福田
    「オレもいい匂いだと思う」
    帰りに同じシャンプー買っちゃうかも

    〇仙道
    「あ。だから今日なんか気分いいのか、オレ」
    いきなりの納得





    キャラ別夢つぶやき

  • まだ内緒(リョータ夢)

    20220329(火)08:08

    どうして月曜日ってこんなに疲れてるんだろ、しかも朝から。昨日はお休みで家でゆっくり先週の疲れを癒したはずなのに、なのに!なぜ?!なぜ私は今朝イチでこんなにぐったりしているの?
    ボーッとしながら自販機の扉が開くのを待っていると「あっ!」と声が聞こえてきた。私がその声の方へ横を向くのと同時にまた同じ声が降ってくる。

    「おはよ!」

    眩しいほどの満面の笑みで挨拶をしてきたのは、前年度まで同じ部署で働いていた宮城さんだった。今年度からは彼が異動になったため、今はお互い別々のフロアで働いている。

    「なんか疲れた顔してね?大丈夫?」

    真っ直ぐな瞳で心配をされると、この人は少年なんじゃないかと錯覚してしまう。私よりも年上のはずなんだけど…。

    「月曜日ってしんどくないですか?てゆーか宮城さん、なんでそんな元気なんですか」

    ピー、という音ともに自販機の排出口が開く。私はコーヒーを手に取り『はぁ…』と思わず大きなため息をついてしまった。これからはじまる1週間に。そんな私とは正反対に宮城さんは楽しそうに話をする。

    「いや、オレもついさっきまではしんどかったんだけど、〇〇ちゃん見っけた瞬間、超元気になった!」

    相変わらず真っ直ぐな瞳で気持ちをぶつけてくる宮城さんに、私は「ありがとうございます」と丁寧にぺこりと頭を下げて言う。社会人としての大人のやり取りというやつだ。そしてソレに対して宮城さんは社交辞令だと言うことにスグに気が付き、不満そうに口を尖らせた。

    「くそー言わされてる感ハンパねぇ…」

    本気で悔しがる宮城さんに、思わず笑いが込み上げてきてしまう。けどね、そんなあなたに対して私だって思うところはあるんですよ?宮城さんこそ可愛い後輩へのふざけた大人の対応なんじゃないか、とか。いざ本気にしたら「え?」って引かれてしまうんじゃないか、とかね。だから私はいつの間にか、あなたへの大人の対応が上手になってしまったんです。ドキドキする気持ちを抑えている節だってあるんだから。

    「ま、いっか」

    宮城さんは天井を見上げながら言った。
    ……ほら。やっぱり本気なんかじゃない、いつものおふざけだったんだ。私がこの場を去ろうとすると、宮城さんはスっと私の前に立ちはだかる。そして顔を近づけ言った。

    「いつか、オレに会ったから元気出たって言わせてみせっから」


    今はまだ内緒。つい数分前の私の重~い気持ちがあなたに会えたことですごく軽くなった事は。憂鬱な月曜日の気持ちがどこかへ飛んでいってしまった事もまだ内緒ーーーー。



    夢つぶやき

  • 集中できないほどキミが好き(リョータ夢)

    20220324(木)08:18
    片時も離れたくねぇって思ってんのはオレだけ?なんかたまに虚しくなっちゃうんだよなぁ…
    オレだけがすっげぇ好きみたいで。



    「リョータくん、ソワソワし過ぎじゃない?」

    そう言って書類を持ってきたこの子は職場の後輩でもあり、オレの大好きな彼女。「決裁お願いします」とデスクの上に書類を置く。オレが印鑑を押しやすいように置いてくれるあたりがさすがだよね。一通り書類に目を通すも、どうも今日は集中できねぇ。だから、さっきみたいな事を言われちまうんだよね。

    「ダメだ、ぜんっぜん落ち着けねぇよ」
    「そんな事言っても通知くるのは夕方だよ?」

    通知、というのは内示の通知だ。今日の夕方、新年度の部署異動の案内が発表されるのだ。もしかしたらオレか彼女かどちらかが異動になるかもしれない、そう思うと気が気じゃなくて仕事に身が入らないんだよ。

    「うぅ…それまでオレのメンタルもたないって」
    「ハイハイ、それでもやる事はちゃんとやってくださいね」
    「わかってーーーーあ、ハンコ押すとこ間違えた」

    そぉっと彼女の顔を見ると、まるでゴミを見るような目でオレを見下ろしている。うん、その顔も嫌いじゃない……じゃなくて。

    「ご、ごごごごめん!!」
    「……コーヒー飲みたい」
    「おけ!おけ!奢る!よし!買いに行こう!」

    オレは急いで椅子から立ち上がり、彼女の背中を押して歩き出す。もちろん向かう先は自販機だ。いつまでも背中を押して行くわけにもいかないので、2人並んでオフィスの廊下を歩く。手を繋ぎたい気持ちを必死に抑えながら。なんならこのままずっと自販機になんて到着しなければいい…なんて思いはもちろん叶うはずもなく、あっという間にオレたちは自販機の場所へとたどり着いた。

    「早く夕方になんねぇかなぁ~」
    「時間を早めることはできないよ?」

    コーヒーが出てくるまでの時間すら愛おしい。クスクスと可愛らしい顔で笑う彼女に対し、オレの顔は今どんだけだらしなく緩んでいるのだろう。それでもふとした時に、こんな気持ちはオレだけなんじゃないかって思ってしまうんだ…。

    「ねぇ、〇〇ちゃんは不安じゃないの?」
    「ん?何が?」
    「もしかしたらオレが異動するかもしんないじゃん?そしたら今みたいに毎日会えなくなるよ」

    異動、と言っても、もしかしたら隣の課になるかもしれない、はたまた別フロアへの異動かもしれない。今より会えなくなるのは確実だった。
    カッコ悪ぃな、オレ。こんな女々しいこと年下の彼女に言って…。
    わかってんだよ、わかってんだけどさ。
    ピーという音と共に自販機の扉が開く。そこには湯気がたった紙コップにほろ苦い香りがふんわりと纏っている。「ごちそうさま」と彼女はその紙コップを手に取り、オレに向かい合って言った。

    「じゃあ、もしリョータくんか私のどっちかが異動になったら…一緒に住む?」

    目線だけはそっぽを向き、少しだけ照れくさそうな彼女。思ってもいなかった言葉にオレはただただ驚くことしかできない。そんなオレに痺れを切らしたのか、彼女はそのままコーヒーを持って歩き出そうとしてしまった。思わずオレはパシッと彼女の手を取る。

    「しなくても!異動しなくても!住む!!」

    変な言葉遣いなんて気にしてられっか。気の利いた事なんて言えない、それでもキミが好きだ。他の誰でもない、目の前のキミとずっと一緒にいたいんだ。オレの勢いに目を丸くしている彼女は、しばらくパチパチと瞬きをしたあと、クスッと目を細めて笑う。

    「じゃあ、仕事に集中してください」

    そしてスタスタと先に歩いて行った。その後ろ姿はこころなしか楽しそうで、軽快な足取りに見えたのはオレの都合のいい見え方かもしれない。だけど、さっき見た彼女の幸せそうな笑顔は幻なんかじゃねぇ。

    さて、仕事に集中……できるか!!!!!!

    夢つぶやき

  • 重い想い(南夢)

    20220316(水)08:36

    本命と義理なんて言わなきゃわからへんよね。なんて思って渡したバレンタインだった。もう何年も前から片想いしているくせに、重い重い想いのくせに……。

    瞼が重くなりウトウトしてしまう5時間目、私は1人屋上にいた。3月も半ばになりココ最近急に暖かくなってきて、ただでさえお昼ご飯の後なんて起きている方が難しい。せやから、こうして今眠気覚ましをするために屋上へとやってきてん。わざわざ授業をサボってまで。え?なんかおかしいこと言うてる?そんなん気にしたらアカンで。やけどそれは逆効果だったようで、サラサラと吹く春風はあたたかく、完全に眠気を誘うソレやった。手すりに腕を乗せ、その腕に顎を乗せ夢の中へと1歩、また1歩と近づき始めたその時、ガチャリと屋上の扉が開く音がして、音の方へと顔を向ける。

    「ようやっと見つけた。こんの不良娘」

    扉を開けて入ってきたのは南やった。私の片想いの相手、私が小学生の頃からずっと好きな相手。『好き』の一言をずっと言えていひん相手。先月のバレンタインにあげた時にチョコの本当の意味を言えへんかった相手。

    「南、どうしたん?あ、サボり?」
    「お前が屋上行くの見えて追いかけてきてん」
    「え?私?!」

    スっと目の前に小さな紙袋が差し出される。私はその紙袋と南とを行き来するように見た。だって、無言で突き出されて、受け取っていいものかわからへんもん。すると南はそんな私の気持ちを察したのか「お前に、や」と言い、グッとさらにその紙袋を私に近づけた。

    「今日ホワイトデーやろ。お返しっちゅーやつや」
    「あぁ、岸本と一緒にのやつな?」

    中学生の頃から私は南と岸本というもう1人の男子に、バレンタインチョコを渡していた。小学生の頃からの付き合いでいつも一緒にバカやっている仲間内やからね。そしてホワイトデーにはいつも南&岸本のコンビからお返しをもらっていたのだ。

    「今年はちゃう。オレだけ」
    「え?なんでなん?」
    「本命っていうやつやからな」
    「…え?」
    「お前はオレに渡したもんはどういう意味やったか知らんけど、オレのお前に対するお返しは本命や」

    私に紙袋を渡して空いた手を、屋上の手すりの上に乗せる南。フワッと春の風に彼の髪がなびく。

    「私、南のこと好きでいてええの?」
    「ええんちゃう?」
    「私、重いよ?南への気持ち」

    私は、手すりの上に乗っている南の腕の袖をキュッと軽くつかんて言う。震えそうな声を必死で堪えながら。その声を聞いた南はクルッとこちらを向き、両手で私の顔を包み込んだかと思うと、噛み付くようにキスをしてきた。何度も角度を変え、息が苦しくなるほどに。そのキスの嵐がようやく去り、酸素を求めるため思い切り空気を吸い込むと、南はじっと強く私を見つめて言った。

    「上等やん」

    その時、再び春風が吹き2人の髪が揺れた。




    あかん。これはあかんわ。こんな緊張するん高校受験以来かもしれへん。いや、下手したらそれ以上や。今の私、どんな顔しとんのやろ?めっちゃブサイクになっとったらどないしよ……好きな人がすぐそばに、肩が触れてしまいそうなほど近くにおるのに。

    「なにブサイクな顔してんねん」

    やだ♡以心伝心♡
    ちゃう、ちゃう。そうやあれへん。でも、彼女に向かって平気で言うコイツになんだか少しだけホッとしてしまう。なぜなら、今さらコイツと彼氏彼女をやれと言われても何をどないしたらええか、悩んどったから。結局両想いからの晴れて男女交際スタート!なんて言うてもいつものコイツ、小学生の頃から知っとる南烈のまんまや。それが私にとっては嬉しくもあり、何も変わらない態度にほんの少しだけガッカリもした。さっきのキスが嘘のようだ。

    「なにガッカリしてんねん」

    やだ♡また以心伝心♡
    いやいやいや。待って。ホンマにコイツは私の心の中に盗聴器でも仕込んどるん?!思わず私は自分の口を両手で塞ぐ。これ以上心を読まれないようにする為にも。……アホなことをやっとるんは自分が1番わかっとる。でも、こうでもしないとホンマにダダ漏れになってしまいそうやから、私が南を大好きって気持ちが。小学生の頃からこじらせてきたこの想いが。

    「なにしてんねん」

    ぎゅむっと私の両頬は南の片手で潰される。嫌でもタコのように唇を尖らせてしまう。その唇に一瞬だけ南の唇が触れたかと思うと、コイツは目を細めた。それは今まで見た南の表情で1番優しく、別の男の人のような顔やった。

    「やっぱりお前とおったらおもろいわ」

    なんかの曲の歌詞であったような言葉を言うて、いつもの意地が悪い顔で笑う南。さっきの表情もええけど、やっぱりこの生意気そうな顔が好きやわ…いや、つーよりもさっきのあの微笑みをされたら私の心臓が持たへんのよ。いまだにバカみたいにうるさい自分の心臓の音が南に聞こえへんか心配になる。それでも気分はやっぱり幸せで、自然に笑みがこぼれてしまうよな。南が大好きという気持ちも、もう我慢することはないんよね。

    「南、大好きやで」

    そう言った0.3秒後、私は南の腕の中に包み込まれている。そして南はポツリと言った。

    「やめろ。オレを殺す気か」

    殺す気で愛するねーーーー。





    夢つぶやき

  • ずっと2人で…(洋平夢)

    20220310(木)08:32
    3月10日、私はたった今『水戸』という苗字になった。

    「なんかアレだね、『おめでとうございます!お幸せに!』とかは言われないんだね」
    「確かにな」
    「拍手のひとつでも欲しかったなぁ」
    「ハッハッハ、そいつはさすがに恥ずかしいだろ」

    言ってしまえば婚姻届の提出なんて、役所の事務的な手続きの中の1つだけど…提出した当人たちにとっては一世一代の決意と、何よりも空に舞い上がってしまいそうなぐらい、浮き足立つ幸せな気持ちの状態でその紙切れを出すのだ。もう少しお祝いムードを出してくれてもいいんだよ?なんて思いながら役所を出て、車に乗り込む。
    この助手席にも慣れた。そして運転をしてくれているこの人、水戸洋平の横顔にも慣れた…はずなんだけど、何年経っても(カッコイイなぁ)なんて思ってしまう私は相当なもんだよね。顔は3日で飽きるなんて言うけど、いや…飽きないよ?10年以上彼の隣にいるけど、ふと見せる表情に未だにドキッとさせられるもん。

    「ん?どーした?」

    ほら、こうやって私の視線にすぐに気が付き声をかけてくる。こんな所も大好き。水戸洋平という人間が大好きで、愛おしい。

    「なんでもないよ」

    私はそう言って洋平の左手をキュッと握る。
    そしていつかのあの日の記憶を思い出すーーー


    *********************


    「あっ!昨日って洋平の日だったんじゃん!」
    「オレの日?誕生日はちげぇけど…」
    「ほら!3月10日、ミトの日!」

    学校からの帰り道、並んで歩く洋平と繋いでいた手と反対の方の手で、私は得意げに人差し指を立てながら説明をする。所詮は語呂合わせなんだけど、大好きな彼氏の苗字になぞらえられているんだから、一気に特別な日になった。と言いつつ、結果的に忘れてしまっていたんだけど…。

    「んじゃ、誰かさんが『水戸』になる日はこの日がいいかもな」

    ニッと笑い、繋いだ手に力を込める洋平。それって…完全にプロポーズじゃん。

    「あと何年かかるかはわかんねーけど、待っててくださいな」
    「もちろん」


    *********************

    私たちにもこんなに可愛らしい時期があったんだよね…10年という月日は長いようであっという間だったけど、色んなことがあった。ずっと幸せなことばかりではなかったし、お互いに傷つけたり、傷つけられたりもした。それでもソレを乗り越えて、今こうして一緒になれたこと、本当に嬉しく思っている。車窓から流れる風景に思いを馳せていると、洋平がポツリと言った。

    「結局けっこう待たせちまったよな」
    「え?」
    「高校生の頃の約束から10年も経っちまった」
    「覚えてたの?!」
    「そりゃそうだろ。一世一代のプロポーズだぜ?」

    信号が赤になり、洋平はこちらを向いてニッと笑う。その笑顔はあの日見た笑顔と同じで、心の中がこそばゆくなってしまう。

    「どうですか?『水戸』になった気分は」
    「さいっこーだね!」
    「はははっ、そりゃよかった」

    繋いだ手に力を込め、これからの未来に向かって私たちは進んでいく。ずっと2人で…。

    追記
    タイトルは某4人組バンドさんから拝借させていただきました🎶水戸の日バンザイ🙌

    夢つぶやき

  • お友達とお泊まり会してて、みんなとのパジャマ姿の写真をLINEしたら……

    20220307(月)21:20

    〇洋平
    「楽しんでこいよ」って一言だけの返信で彼女に『可愛いとかないの?!』って怒られる。

    〇リョータ
    「超可愛い♡オレも混ざりたい」って秒で返信来る。

    〇三井
    (可愛いじゃねーか)って頭で思って保存した後、返信し忘れて彼女に『既読スルーかよ』って怒られる。

    〇花道
    「可愛いです!!!!!!!!」って秒で返信来る。

    〇流川
    寝てるので朝になって既読になって「今起きた」って返信来る。

    〇信長
    電話来て「すっげー可愛い!それだけ言いたかった!じゃあ楽しめよ!」ってすぐ切る。

    〇神
    「似合ってるね。保存していい?」って返信来る。

    〇牧
    「悪くないな」って返信きて、次会った時に写真の保存の仕方を聞いてくる。

    〇藤真
    「ははは!楽しそうだなー!」って声に出して笑う。その後「似合ってんじゃねーか」って返信する。

    〇花形
    「レアな姿が見れてオレはラッキーだな」って返信来る。

    〇沢北
    「やっぱりお前が1番可愛い」って返信来る。

    〇深津
    「後ろ姿も見たいピョン」と要求返信来る。

    〇諸星
    「超いいじゃん!動画も寄越せ!笑」と返信来る。

    〇岸本
    自分の今の姿の写真送ってくる。しかも風呂上がりの上半身裸姿。

    〇南
    「もっと引きでもう1枚」と要求返信来る。

    〇土屋
    「直接見たいわぁ♡最高やな」って返信来る。

    〇福田
    「いいね!」的なスタンプで返信来る。

    〇仙道
    「可愛い~~~」って口に出して言って返信し忘れて彼女に怒られる。







    キャラ別夢つぶやき

  • 3月3日(花道夢)

    20220303(木)22:33
    今日は3月3日ひな祭り、通称女の子の日。と言っても高2にもなるときっとお家で盛大にお祝いなんてしないし大きなホールケーキも出てこないだろう。あ、それでも晩ご飯はちらし寿司な気はする。だって去年もケーキはなかったけど、ちらし寿司は出て来たもん。でもさぁ、高校卒業するまでは『女の子』って言われても良いよね。

    少しずつ暖かくなってきたいつもの通学路を歩きながら、空を見上げた。真っ青な空には雲ひとつない。朝の日差しが眩しくて目を細めながら曲がり角を曲がると、これから真上に向かってのぼってくる太陽よりも真っ赤な『赤色』が目に入ってきた。

    「花道くん?!」
    「おはようございます!!」

    少し先の道に立っていたのは数ヶ月前から私の彼氏になった、花道くんだった。赤色は彼のトレードマークでもある髪の毛の色だ。花道くんの家は私の家の方向とは反対のため、今この場所にいる事に驚きを隠せない。わざわざ来てくれたって事だよね?

    「どうしたの?」
    「今日は女性を大事にしなければいけない日だと洋平から聞いたので、この天才が〇〇さんの通学を守りに来ました!」

    洋平とは花道くんの親友でクラスメイトでもある水戸くんの事だ。通学を守るって?どういう事?でも、こうして一緒に登校できるのは超嬉しいから、水戸くん、グッジョブです!

    「ふふふ、じゃあ今日は大事に扱ってもらおうかな」
    「今日だけじゃないっす!」

    花道くんはぎゅっと私の両手を大きな手で包み込んだ。その手はとても暖かく…ううん、熱いと感じるほどに熱を持っている。

    「ずっと、ずっと大事にします!!」

    自身の髪の色のように真っ赤にした顔で、痛いほどに熱い視線をぶつけてくる花道くんに私は目をパチパチさせる事しかできないでいた。もちろん嬉しいっていうのが1番率直な感想なんだけど、それ以上に彼の想いに感動すら覚えてしまい、なんだか言葉を発すると泣いてしまいそうになってしまったから。

    「あ、あの…それで」

    花道くんは1度私の手を離し、自分の手首にぶら下がっているコンビニの袋に手を入れ、何かを私に差し出した。さっき私の手を握ってくれた時にカサカサと揺れていたので、この袋の存在には気付いていた。そしてその中身というのが……

    「あんまん?」
    「はい!さっきそこのコンビニで買いました!」

    私の手の上に置かれたソレはまだ少しだけ暖かかった。あんまんから視線を花道くんへとうつすと、彼は満足そうな顔で私を見ている。……朝ご飯食べたばっかりでお腹いっぱいなんだけどな。でもキラキラと目を輝かせている花道くんに、その事実を言うにはあまりにも酷だ。そこで私はパカッとあんまんを真ん中から割った。思いのほかキレイに割れたソレを花道くんへと渡す。

    「半分こね」
    「え?!でもっ…」
    「私からのプレゼント、受け取ってくれないの?」
    「あ、ありがとうございます!」

    そう言うと一気にあんまんへとかぶりつく花道くん。あっという間に全て口の中へと消えていった。それは数秒の出来事で、私は食べようと思っていたあんまんを食べもせず、口をあんぐりと開けたままになってしまう。

    「どうかしましたか?」

    不思議そうに私の顔を覗き込む花道くんにハッとして、そのままの勢いで手の中にあるあんまんに私もガブリとかぶりついた。口の中に広がるあんこの甘味に自然に「おいしい」と声が出る。すると「良かった!」と花道くんの弾んだ声が聞こえてきた。顔を見なくてもわかるほどに、嬉しそうな声だ。チラッと隣にいる彼を見上げると、やっぱりこれでもかと言うぐらい目を細め、嬉しそうな顔をしている。ホントに感情全てを顔にさらけ出す人だなぁ…。そんな花道くんにつられ、私まで顔が緩んでしまう。

    「歩きながら食べてもいい?」
    「もちろんです!」
    「花道くんと登校できるなんて嬉しいな」
    「オレも!…オレもすごく幸せです」

    どちらからとも無く手を繋ぐと、花道くんはしばらく「幸せだ」と何回も心を込めて言っていた。うん、私も幸せだよ。だから、ずっとこの手を離さないでねーーーー。






    夢つぶやき

  • 第二ボタン

    20220301(火)19:44
    3年間なんて過ぎてしまえばあっという間で、人生の中で15歳から18歳は心も体も1番成長する時期なんて言われているらしいが…オレ、越野宏明は果たして本当に成長したのだろうか?結局バスケばっかりしてて、高校3年間の間で彼女も何人かできはしたけど、3ヶ月も経たないうちにフラれてしまった。いや、何人かっつっても2人だけなんだけど。別に少しぐらい盛った言い方したっていいだろ、どーせ今日で高校生活は終わるんだし。

    卒業式が終わり、バスケ部の後輩から花や贈り物をもらって、それなりにいい高校生活だったと思い出に浸りながら満足していたが、目の前の光景でその気持ちが吹っ飛んで行ってしまった。

    「仙道くーん!ボタンちょうだーい!」
    「仙道先輩、私にボタンくれませんか?」
    「仙道!お前のボタン持ってたら将来得しそうだからくれ!」

    人の群れの中からツンツン頭が飛び出ている。高校生活の最初から最後までスーパーヒーローだったアイツ、仙道彰だ。仙道はオレと同じバスケ部で、何の因果かクラスまで3年間ずっと同じだった。コイツがいつも隣にいたおかげで、オレの様々な活躍が脚光を浴びなかった事も多々あった………はず。それでも仙道のおかげでバスケ部は例年よりも強くて素晴らしい成績を残せたし、友達としても結局憎めないヤツだった。だからこそ今こうしてコイツはたくさんの人に囲まれているんだろう。



    「いいなぁ」

    オレがただ突っ立って仙道の方を見ていると、後ろから聞き慣れた声が聞こえてきた。軽く振り返るとその声の主はオレの隣へと並ぶ。コイツは仙道と同じく3年間クラスが同じだった女子で、気がついたらオレが女子の中で1番喋るヤツになっていた。

    「いいなぁ…ってお前まさか」
    「私も欲しいな、ボタン」

    なん……だと?!コイツまさか仙道の事が好きだったのか?!知らなかったぜ…羨ましそうに人に囲まれている仙道の方をじっと見ているコイツをオレはおそらく驚愕の表情をしながら見ていたと思う。チラッとこちらへ視線をうつすと「なによその顔」と怪訝そうに言われた。

    「い、いや…そんなに欲しいなら頼んでみれば?意外ともらえるかもしんねーぜ?」
    「……そうだね。勇気出してみようかな」

    自分の胸の前に拳をつくり、ぎゅっと力をいれるコイツになんだかオレの心はザワつく。少しだけ(言わなきゃ良かったかも)なんて思いが浮かんできたのだ。でも、もう言ってしまった事は取り返したがつかないし、そもそもどうしてこんなにモヤモヤするのかもよく分かんねぇ。なんて頭の中でゴチャゴチャ考えていると、目の前に小さな手のひらが差し出された。気が付くと、隣にいたはずのコイツがオレの目の前にいる。

    「第二ボタン、ちょーだい」

    その声はいつも聞いている声よりも小さく、緊張しているようだったが、ハッキリとした意思で言っているのがわかるような声だった。

    「お、オレ?!?!」
    「うん、越野の第二ボタンが欲しい」
    「オレのでいいのか?!」
    「何回言わせるの?越野の第二ボタンがいいの」
    「な、なんで…」

    疑問しかねぇ。だって第二ボタンって好きなやつからもらうもんじゃねぇの?ーーーえ?て事は…

    「ずっと好きだったよ、越野のこと」

    フッと笑った優しい顔にオレの心臓は飛び跳ねた。ずっと…ずっと?!いつから?どうしてオレ?いくつものクエスチョンがバシバシとぶつかってくるが、不思議と嫌な気持ちには1ミリ足りともならなかった。むしろ、どこか嬉しく…そして少しだけ寂しい気もした。

    ブチッと雑に学ランのボタンを外し、そっと小さな手のひらの上に乗せる。

    「ありがとう。今日言おうと決めてたんだ」
    「なんでだよ、卒業だからか?」

    オレが渡したボタンをぎゅっと大事そうに握りしめると、ずいっとオレの顔に近づき、いつもの生意気そうな顔でコイツは言った。

    「良くも悪くもこれから先、この時期になると思い出すでしょ?私のこと」



    オレはまだ知らない。これからの人生、この瞬間をいい思い出として2人一緒に思い出す事になるとはーーーー。


    夢つぶやき