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つぶやき

まだ内緒(リョータ夢)

2022/03/29 08:08
夢つぶやき

どうして月曜日ってこんなに疲れてるんだろ、しかも朝から。昨日はお休みで家でゆっくり先週の疲れを癒したはずなのに、なのに!なぜ?!なぜ私は今朝イチでこんなにぐったりしているの?
ボーッとしながら自販機の扉が開くのを待っていると「あっ!」と声が聞こえてきた。私がその声の方へ横を向くのと同時にまた同じ声が降ってくる。

「おはよ!」

眩しいほどの満面の笑みで挨拶をしてきたのは、前年度まで同じ部署で働いていた宮城さんだった。今年度からは彼が異動になったため、今はお互い別々のフロアで働いている。

「なんか疲れた顔してね?大丈夫?」

真っ直ぐな瞳で心配をされると、この人は少年なんじゃないかと錯覚してしまう。私よりも年上のはずなんだけど…。

「月曜日ってしんどくないですか?てゆーか宮城さん、なんでそんな元気なんですか」

ピー、という音ともに自販機の排出口が開く。私はコーヒーを手に取り『はぁ…』と思わず大きなため息をついてしまった。これからはじまる1週間に。そんな私とは正反対に宮城さんは楽しそうに話をする。

「いや、オレもついさっきまではしんどかったんだけど、〇〇ちゃん見っけた瞬間、超元気になった!」

相変わらず真っ直ぐな瞳で気持ちをぶつけてくる宮城さんに、私は「ありがとうございます」と丁寧にぺこりと頭を下げて言う。社会人としての大人のやり取りというやつだ。そしてソレに対して宮城さんは社交辞令だと言うことにスグに気が付き、不満そうに口を尖らせた。

「くそー言わされてる感ハンパねぇ…」

本気で悔しがる宮城さんに、思わず笑いが込み上げてきてしまう。けどね、そんなあなたに対して私だって思うところはあるんですよ?宮城さんこそ可愛い後輩へのふざけた大人の対応なんじゃないか、とか。いざ本気にしたら「え?」って引かれてしまうんじゃないか、とかね。だから私はいつの間にか、あなたへの大人の対応が上手になってしまったんです。ドキドキする気持ちを抑えている節だってあるんだから。

「ま、いっか」

宮城さんは天井を見上げながら言った。
……ほら。やっぱり本気なんかじゃない、いつものおふざけだったんだ。私がこの場を去ろうとすると、宮城さんはスっと私の前に立ちはだかる。そして顔を近づけ言った。

「いつか、オレに会ったから元気出たって言わせてみせっから」


今はまだ内緒。つい数分前の私の重~い気持ちがあなたに会えたことですごく軽くなった事は。憂鬱な月曜日の気持ちがどこかへ飛んでいってしまった事もまだ内緒ーーーー。



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