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つぶやき

ずっと2人で…(洋平夢)

2022/03/10 08:32
夢つぶやき
3月10日、私はたった今『水戸』という苗字になった。

「なんかアレだね、『おめでとうございます!お幸せに!』とかは言われないんだね」
「確かにな」
「拍手のひとつでも欲しかったなぁ」
「ハッハッハ、そいつはさすがに恥ずかしいだろ」

言ってしまえば婚姻届の提出なんて、役所の事務的な手続きの中の1つだけど…提出した当人たちにとっては一世一代の決意と、何よりも空に舞い上がってしまいそうなぐらい、浮き足立つ幸せな気持ちの状態でその紙切れを出すのだ。もう少しお祝いムードを出してくれてもいいんだよ?なんて思いながら役所を出て、車に乗り込む。
この助手席にも慣れた。そして運転をしてくれているこの人、水戸洋平の横顔にも慣れた…はずなんだけど、何年経っても(カッコイイなぁ)なんて思ってしまう私は相当なもんだよね。顔は3日で飽きるなんて言うけど、いや…飽きないよ?10年以上彼の隣にいるけど、ふと見せる表情に未だにドキッとさせられるもん。

「ん?どーした?」

ほら、こうやって私の視線にすぐに気が付き声をかけてくる。こんな所も大好き。水戸洋平という人間が大好きで、愛おしい。

「なんでもないよ」

私はそう言って洋平の左手をキュッと握る。
そしていつかのあの日の記憶を思い出すーーー


*********************


「あっ!昨日って洋平の日だったんじゃん!」
「オレの日?誕生日はちげぇけど…」
「ほら!3月10日、ミトの日!」

学校からの帰り道、並んで歩く洋平と繋いでいた手と反対の方の手で、私は得意げに人差し指を立てながら説明をする。所詮は語呂合わせなんだけど、大好きな彼氏の苗字になぞらえられているんだから、一気に特別な日になった。と言いつつ、結果的に忘れてしまっていたんだけど…。

「んじゃ、誰かさんが『水戸』になる日はこの日がいいかもな」

ニッと笑い、繋いだ手に力を込める洋平。それって…完全にプロポーズじゃん。

「あと何年かかるかはわかんねーけど、待っててくださいな」
「もちろん」


*********************

私たちにもこんなに可愛らしい時期があったんだよね…10年という月日は長いようであっという間だったけど、色んなことがあった。ずっと幸せなことばかりではなかったし、お互いに傷つけたり、傷つけられたりもした。それでもソレを乗り越えて、今こうして一緒になれたこと、本当に嬉しく思っている。車窓から流れる風景に思いを馳せていると、洋平がポツリと言った。

「結局けっこう待たせちまったよな」
「え?」
「高校生の頃の約束から10年も経っちまった」
「覚えてたの?!」
「そりゃそうだろ。一世一代のプロポーズだぜ?」

信号が赤になり、洋平はこちらを向いてニッと笑う。その笑顔はあの日見た笑顔と同じで、心の中がこそばゆくなってしまう。

「どうですか?『水戸』になった気分は」
「さいっこーだね!」
「はははっ、そりゃよかった」

繋いだ手に力を込め、これからの未来に向かって私たちは進んでいく。ずっと2人で…。

追記
タイトルは某4人組バンドさんから拝借させていただきました🎶水戸の日バンザイ🙌

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