つぶやき
キミ無しじゃ(洋平夢)
2021/08/25 16:09夢つぶやき
『洋平は彼女バカだよな』
いつかアイツらに言われた気がするけど、そのとーりなんだよな。だってしょーがねぇじゃん。可愛くて可愛くて仕方ねぇんだから。
「洋平、おはよ」
今日も朝イチの教室で声をかけられる。愛しの彼女に。いつだかの席替えの時に、くじを不正したおかげでオレらは隣の席同士だ。いや、言っておくが、、、別にオレが無理やりやったわけじゃないからな。ダチである花道がゆずってくれたんだ。
「相変わらず遅刻ギリギリだね、洋平は」
少しだけ呆れた顔で言う彼女にオレは「うるせぇ」と笑いながら、優しく頭を撫でた。ーと、その時オレはある事に気がついた。
「今日髪型ちげぇんだな」
いつもはおろしている髪の毛が、今日は1本にまとまっていたのだ。なんだか新鮮で柄にもなくドキッとしてしまう。すると食い気味に「気付きた?!」と彼女は椅子ごと引きずってオレに近づいてきた。
「可愛い?!ねぇ、可愛い?!」
まるで耳とシッポが見えてくるようだな。
オレは「当たり前だろ」と言いながら、その頭にポンポンと手を乗せる。満足気そうな笑顔を見せると、彼女は自分の席へと椅子を戻した。
「今日雨だからさ、なんか髪の毛広がっちゃって。だから縛ってきた」
「前に不器用だから縛るの苦手って言ってなかったか?」
「え?!よく覚えてんね!そう、超苦手だけど頑張った。洋平に可愛いって言われたくて」
へへへと笑う彼女。そう、この笑顔に惚れたんだ。無邪気に笑うこの笑顔にオレはいつからか夢中になり、結果として彼女バカになっちまった。
そしてそんな彼女を見ながらオレは思うんだ。
ホントに可愛くて仕方ねぇよ。
出来ることならこのまま押し倒してやりてぇってなって。サルみてぇだけど、高一男子なんてみんなこんなもんだろ。
好きな子を抱きたい、好きな子と一生一緒にいたいって、ガキだけどそう思う気持ちはいつだって本気なんだ。
だから、オレはもうキミ無しじゃ無理ってことーーー。