つぶやき
誕生日(三井夢)
2021/05/22 11:25夢つぶやき
いきなりですが、私の彼はバスケットボール選手です。そこそこの選手で、一応プロ選手としてやらせてもらってます。そして日本代表なんかもやらせてもらってます。一応、ね。
なぜさっきから『一応』なんて付けるかって?
プロの選手でしかも日本代表に『一応』なんて失礼だって?そうだよね、その通りだよね。
もちろんバスケをしている姿はカッコイイし、純粋にいつも応援だってしている。
でも……私にとって彼は『三井寿』っていう1人の人間で、日本代表!!だなんて言われてもピンと来ない…というのが正直な思いなの。
「なんかさ、寿の誕生日にプレイオフ観るのが恒例になってるよね」
「まぁな。毎年この時期だからな」
ソファに並んで座りながら真正面にあるテレビを眺める。今日は寿の誕生日で、ささやかなパーティを2人の愛の巣である我が家で行ったところなのだ。ひとしきり私が一生懸命作ったご馳走を食べ、手作りケーキまで食べ終わり、今は完全にまったりモードに突入した。
そして、NBAの試合を2人で観るのが毎年の恒例になっている。
「いやぁ、やっぱり迫力あるね。NBAは」
「……んだよ、こっちは迫力ねぇってのか?」
「いやいやいや、コレはコレ。ソレはソレ。」
「なんだそれ」
不貞腐れた寿の肩に私は自分の頭をコテン…と乗せ、キュッと手を繋いだ。この広い肩幅も、大きな手も、すぐに不貞腐れる子供っぽい性格も、私にとっては何よりも大切でかけがえの無い存在だ。
「寿は私にとって、宇宙一のバスケ選手だよ」
「……アホか。大げさすぎんだろ」
ムスッとした口調は完全に照れ隠しの証拠。高校生の頃から一緒にいるんだもん、それぐらいお見通しだよ。
「大好きですよ、三井さん」
「なんだよ、昔の呼び方しやがって」
「あ、ちょっと昔を思い出してキュンとしたでしょ」
「してねぇっつーの」
寿は私の両頬を手でぎゅむっと挟んでから、ふんわり軽い口付けを落とす。そして、パッと私から目を背け、目の前のテレビ画面を見ながら言った。
「……とりあえず、これからもよろしくな」
あなたの誕生日を毎年こうして祝えるのが幸せです。生まれてきてくれてありがとう。
この先もずっと一緒にいてね。
なぜさっきから『一応』なんて付けるかって?
プロの選手でしかも日本代表に『一応』なんて失礼だって?そうだよね、その通りだよね。
もちろんバスケをしている姿はカッコイイし、純粋にいつも応援だってしている。
でも……私にとって彼は『三井寿』っていう1人の人間で、日本代表!!だなんて言われてもピンと来ない…というのが正直な思いなの。
「なんかさ、寿の誕生日にプレイオフ観るのが恒例になってるよね」
「まぁな。毎年この時期だからな」
ソファに並んで座りながら真正面にあるテレビを眺める。今日は寿の誕生日で、ささやかなパーティを2人の愛の巣である我が家で行ったところなのだ。ひとしきり私が一生懸命作ったご馳走を食べ、手作りケーキまで食べ終わり、今は完全にまったりモードに突入した。
そして、NBAの試合を2人で観るのが毎年の恒例になっている。
「いやぁ、やっぱり迫力あるね。NBAは」
「……んだよ、こっちは迫力ねぇってのか?」
「いやいやいや、コレはコレ。ソレはソレ。」
「なんだそれ」
不貞腐れた寿の肩に私は自分の頭をコテン…と乗せ、キュッと手を繋いだ。この広い肩幅も、大きな手も、すぐに不貞腐れる子供っぽい性格も、私にとっては何よりも大切でかけがえの無い存在だ。
「寿は私にとって、宇宙一のバスケ選手だよ」
「……アホか。大げさすぎんだろ」
ムスッとした口調は完全に照れ隠しの証拠。高校生の頃から一緒にいるんだもん、それぐらいお見通しだよ。
「大好きですよ、三井さん」
「なんだよ、昔の呼び方しやがって」
「あ、ちょっと昔を思い出してキュンとしたでしょ」
「してねぇっつーの」
寿は私の両頬を手でぎゅむっと挟んでから、ふんわり軽い口付けを落とす。そして、パッと私から目を背け、目の前のテレビ画面を見ながら言った。
「……とりあえず、これからもよろしくな」
あなたの誕生日を毎年こうして祝えるのが幸せです。生まれてきてくれてありがとう。
この先もずっと一緒にいてね。