つぶやき
イメチェン(洋平夢)
2021/05/16 23:58夢つぶやき
好きな人にはいつまでも可愛いって思われたいし、もっともっと今以上に好きになって欲しいって思うでしょ?
「ねぇ、洋平って髪の毛短いのと長いのどっちが好きなの?」
「女の人のってことか?」
「そっ」
「うーん…あんま考えたことねぇなぁ」
いつも通り、花道の部活を一緒に見学したあとに、中学の頃から付き合っている彼氏の洋平と家までの道を歩いて帰る。1日の中でいっちばんのお気に入りの時間。
「てゆーか、私の、なんだけど?」
少しだけ不貞腐れて洋平の顔を覗き込んだ。すると洋平は軽く私の頬に口付けを寄せて「どっちも好きだよ」と殺し文句を吐いた。
「……嬉しいけどさぁーあ」
「不満そうですね?」
洋平はくつくつと肩を揺らしながら笑う。私が大好きなその顔で。何度でも惚れ直してしまうその笑顔、本当に大好き。
「今悩んでるの。切ろうか、伸ばそうか」
「う~ん、マジでオレはどっちも好きだからなぁ」
洋平は恥ずかしげも無くサラりと言い退ける。まったく困った彼氏さんだよ。いや…嬉しいんだけどね?
「イメチェンしたいんだけど、このまま伸ばしたい気もするし…」
「あ、それなら前髪を変えてみたらどうだ?」
「前髪?」
その発想はなかったと、私は目をパチクリさせ脱帽した。これはいい意見をもらったと思った私は「ありがと」と先程のお返しと言わんばかりに洋平の頬にチュッと軽くキスをして、家に帰った。
ーー次の日ーー
「洋平~!おべんと食べよ!」
「おう、今行く」
クラスが別々の私たちは、お昼ご飯はいつも一緒に食べるのが決まり事になっていた。決まり事…と言ってももちろん無理やりなんかじゃない。2人ともそうしたくて、しているのだ。
「今日は暖かいし、屋上行く?」
「おっ、いいな」
屋上へ行くとすでに何人かがお弁当を食べていた。私たちは少し奥まで進んで持ってきた座布団をひいて座り、談笑しながらお弁当を食べ始める。
「ねぇ洋平」
「ん?」
「……なんか気付かないの?」
お弁当を食べ終わった後で、じっと洋平を見ながら問う私に彼は一瞬目を丸くしたあと、声を殺すかのようにして口を抑えて笑い出した。
「な、なんで笑うの?!」
「ハッハッハ!どんだけ可愛いんだよ」
ヒーヒーと息を吐き、洋平は目に涙を浮かべて楽しそうに笑っている。私には何がなんだかわからず、ただ笑っている洋平を見ることしかできない。すると洋平は呼吸を整えてから話し始めた。
「前髪、だろ?」
「?!き、気付いてたの?!」
「当たり前じゃねぇか」
そう、私は昨日の今日で早速前髪をいつもと違うセットにしてきたのだ。お弁当を食べている最中にきっと言ってくれるだろうとワクワクしていたのに、何も言ってくれないから気付いていないんだと思っていた。
「オレが気付かないとでも思ってたのか?」
「だって…なんにも言ってくれなかったじゃん」
「わりぃわりぃ。後からゆっくり言いたかったんだよ」
洋平はススス、と私の向かいから隣へと場所を移動して耳元で囁いた。
「超可愛い、ってな」
しばらく私の前髪のセットがこの形に固定されたのは言うまでもないーーー。
「ねぇ、洋平って髪の毛短いのと長いのどっちが好きなの?」
「女の人のってことか?」
「そっ」
「うーん…あんま考えたことねぇなぁ」
いつも通り、花道の部活を一緒に見学したあとに、中学の頃から付き合っている彼氏の洋平と家までの道を歩いて帰る。1日の中でいっちばんのお気に入りの時間。
「てゆーか、私の、なんだけど?」
少しだけ不貞腐れて洋平の顔を覗き込んだ。すると洋平は軽く私の頬に口付けを寄せて「どっちも好きだよ」と殺し文句を吐いた。
「……嬉しいけどさぁーあ」
「不満そうですね?」
洋平はくつくつと肩を揺らしながら笑う。私が大好きなその顔で。何度でも惚れ直してしまうその笑顔、本当に大好き。
「今悩んでるの。切ろうか、伸ばそうか」
「う~ん、マジでオレはどっちも好きだからなぁ」
洋平は恥ずかしげも無くサラりと言い退ける。まったく困った彼氏さんだよ。いや…嬉しいんだけどね?
「イメチェンしたいんだけど、このまま伸ばしたい気もするし…」
「あ、それなら前髪を変えてみたらどうだ?」
「前髪?」
その発想はなかったと、私は目をパチクリさせ脱帽した。これはいい意見をもらったと思った私は「ありがと」と先程のお返しと言わんばかりに洋平の頬にチュッと軽くキスをして、家に帰った。
ーー次の日ーー
「洋平~!おべんと食べよ!」
「おう、今行く」
クラスが別々の私たちは、お昼ご飯はいつも一緒に食べるのが決まり事になっていた。決まり事…と言ってももちろん無理やりなんかじゃない。2人ともそうしたくて、しているのだ。
「今日は暖かいし、屋上行く?」
「おっ、いいな」
屋上へ行くとすでに何人かがお弁当を食べていた。私たちは少し奥まで進んで持ってきた座布団をひいて座り、談笑しながらお弁当を食べ始める。
「ねぇ洋平」
「ん?」
「……なんか気付かないの?」
お弁当を食べ終わった後で、じっと洋平を見ながら問う私に彼は一瞬目を丸くしたあと、声を殺すかのようにして口を抑えて笑い出した。
「な、なんで笑うの?!」
「ハッハッハ!どんだけ可愛いんだよ」
ヒーヒーと息を吐き、洋平は目に涙を浮かべて楽しそうに笑っている。私には何がなんだかわからず、ただ笑っている洋平を見ることしかできない。すると洋平は呼吸を整えてから話し始めた。
「前髪、だろ?」
「?!き、気付いてたの?!」
「当たり前じゃねぇか」
そう、私は昨日の今日で早速前髪をいつもと違うセットにしてきたのだ。お弁当を食べている最中にきっと言ってくれるだろうとワクワクしていたのに、何も言ってくれないから気付いていないんだと思っていた。
「オレが気付かないとでも思ってたのか?」
「だって…なんにも言ってくれなかったじゃん」
「わりぃわりぃ。後からゆっくり言いたかったんだよ」
洋平はススス、と私の向かいから隣へと場所を移動して耳元で囁いた。
「超可愛い、ってな」
しばらく私の前髪のセットがこの形に固定されたのは言うまでもないーーー。