つぶやき
心(神夢)
2020/12/11 13:51夢つぶやき
努力ってのはどうも人を裏切らないらしい。
自分の頑張りが成果になるのはもちろん嬉しいし、それに伴いそれだけやってきたんだんから当たり前ダロ、なんて思うこともあった。
周りからよく言われる「神は努力家」だと。
けれど、世の中にはどうも努力だけではどうにもならない事もあるらしいーー。
「あ、神くん髪の毛になんかついてる」
そう言ってキミはオレの髪の毛に触れる。
なんの気もなしに、善意だけでしてくれている事はわかっている。
それなのにオレの心臓の音は大きな音をたてはじめてしまう。キミに聞こえてしまわないか心配になるほどに。
幸いなことに今は朝のホームルームが始まる前の時間、周りのクラスメイトは全員揃ってはいないし、朝の喧騒の中でオレのけたたましく鳴る鼓動の音は伝わってはいないようだ。
「枯葉かな??」
キミはオレの机の上に髪の毛についていたというモノを置いた。どうやらコレは枯葉の破片のようだった。そう言えば学校に来るまでの間の道で木々の葉がヒラヒラと舞っていた気もする。
「これさ神くん座ってたから気付いたんだね。神くん背高いから、立ってたら私じゃ気づかなかったよ」
あはは、と笑いながらキミは立ったまま座っているオレの頭の上に水平にして手をかざした。オレの頭に触れるか触れないかの位置で…そのせいで少し落ち着いたオレの心臓の鼓動はまた少しだけ早まる。
いつもこうなんだ。
キミのそのマイペースさにオレの心は持っていかれてしまう。それが悔しくて……愛おしい。
いつかこの気持ちにキミが気づく日は来るんだろうか?もし今オレがさっきキミがしたようにキミの髪の毛に触れたらどんな顔をするのだろうか?
キミの心臓の音は大きくなるのだろうか?
努力だけじゃどうにもならなくて、キミの気持ちを確かめたくてオレは少しずるい手法を使うことにした。
「あ、そっちもなんかついてるよ」
オレは椅子から立ち上がり、キミの髪の毛に触れる。何もついていない髪の毛にあたかも何かがついているかのように髪を撫で、はらうフリをする。
ゆっくりとオレはキミの顔を覗き込む。
するとどうだろう…
みるみるうちに真っ赤になっていくキミの顔。
そして「せっ、先生来ちゃう!!」と言って自分の席とは真逆の方向へ歩いて行ったかと思うとキミは教室から出ていった。
……先生来ちゃうんじゃないの?
1人残されたオレは思わずプッと吹き出してしまい、笑いをこらえながら席に着く。
「おはよ、神。……なんかお前嬉しそうだな」
登校してきた隣の席のクラスメイトに声をかけられたオレは、未だにクスクスと笑いながら「うん、すっごい嬉しい」と答えるのだった。
自分の頑張りが成果になるのはもちろん嬉しいし、それに伴いそれだけやってきたんだんから当たり前ダロ、なんて思うこともあった。
周りからよく言われる「神は努力家」だと。
けれど、世の中にはどうも努力だけではどうにもならない事もあるらしいーー。
「あ、神くん髪の毛になんかついてる」
そう言ってキミはオレの髪の毛に触れる。
なんの気もなしに、善意だけでしてくれている事はわかっている。
それなのにオレの心臓の音は大きな音をたてはじめてしまう。キミに聞こえてしまわないか心配になるほどに。
幸いなことに今は朝のホームルームが始まる前の時間、周りのクラスメイトは全員揃ってはいないし、朝の喧騒の中でオレのけたたましく鳴る鼓動の音は伝わってはいないようだ。
「枯葉かな??」
キミはオレの机の上に髪の毛についていたというモノを置いた。どうやらコレは枯葉の破片のようだった。そう言えば学校に来るまでの間の道で木々の葉がヒラヒラと舞っていた気もする。
「これさ神くん座ってたから気付いたんだね。神くん背高いから、立ってたら私じゃ気づかなかったよ」
あはは、と笑いながらキミは立ったまま座っているオレの頭の上に水平にして手をかざした。オレの頭に触れるか触れないかの位置で…そのせいで少し落ち着いたオレの心臓の鼓動はまた少しだけ早まる。
いつもこうなんだ。
キミのそのマイペースさにオレの心は持っていかれてしまう。それが悔しくて……愛おしい。
いつかこの気持ちにキミが気づく日は来るんだろうか?もし今オレがさっきキミがしたようにキミの髪の毛に触れたらどんな顔をするのだろうか?
キミの心臓の音は大きくなるのだろうか?
努力だけじゃどうにもならなくて、キミの気持ちを確かめたくてオレは少しずるい手法を使うことにした。
「あ、そっちもなんかついてるよ」
オレは椅子から立ち上がり、キミの髪の毛に触れる。何もついていない髪の毛にあたかも何かがついているかのように髪を撫で、はらうフリをする。
ゆっくりとオレはキミの顔を覗き込む。
するとどうだろう…
みるみるうちに真っ赤になっていくキミの顔。
そして「せっ、先生来ちゃう!!」と言って自分の席とは真逆の方向へ歩いて行ったかと思うとキミは教室から出ていった。
……先生来ちゃうんじゃないの?
1人残されたオレは思わずプッと吹き出してしまい、笑いをこらえながら席に着く。
「おはよ、神。……なんかお前嬉しそうだな」
登校してきた隣の席のクラスメイトに声をかけられたオレは、未だにクスクスと笑いながら「うん、すっごい嬉しい」と答えるのだった。